【レビュー】不思議の幻想郷ロータスラビリンス が調整放棄のペラペラ未完成品だった話

ゲーム

ハロー、ハロー、古くは「マリグナントバリエーション」から続く古参サークル、現法人のアクアスタイル様の「不思議の幻想郷」シリーズのコンシューマ最新作「ロータスラビリンス 」のレビューです。発売日から2日足らずという状況ですが、残念ながらこのゲーム、多少ゲーマーなら少し触っただけで「あっ…」となってしまうものです。あれ?こんな文章どこかで書いたような…(EDF:IRレビュー記事参照)。

なお、アクアスタイル様はアプデによるコンテンツ追加や調整をすることを明言しているので、今後大きくゲームの内容が変わる可能性があります。あくまで発売2日後、バージョンにして1.02時点であることをご理解ください。また、生放送にて天子編ストーリークリア+古井戸(もっと不思議のダンジョン)クリア、放送外で早苗編クリア+その他ダンジョンクリアまでやっております、過去作として初代クロニクルからPC版をプレイし続けており、このリメイク元である「みらくる超パーティー」も遊んでいるシリーズファンであることもご容赦ください(今作との比較はしませんが)。記事の最後にアーカイブのリンクを貼りますね。

2019.07.23 追記

5chの関連スレにリンクを貼られたあたりから、あれよあれよと転載されPVが恐ろしいことになっています。少し落ち着いてきたようですが、誤解もされたくないので1つ追記をさせて頂きます。

当ブログの他のレビュー記事を参照して頂いた方はわかると思いますが、私はあら捜しをしているわけでも、特定の作品を陥れようとしているわけではありません。主観は混じりますが純粋にその作品を評価した上でのものです。このスタンスは10年以上、三代のブログに渡ってレビューをして来ている上で一切かわっておりません。この作品に関してもファンとして「面白かったよ!」と発信し、同じ気持ちを多くのプレイヤーと共有できたらどれだけ良かっただろうと思う次第です。

結局、今回炎上してしまったのは作品そのものの出来如何もありつつも、全ての対応が最悪だったことに起因すると思っています。

  • 発売前の代表の生放送の発言、本編未実装状態のものをプロモーションに使う
  • 内容が酷い状態であるのに発売同日に有料DLCの配信
  • 商業クオリティが求められる市場と価格帯で同人時代と同じ売り方をする
  • 炎上後も表に出てこない、公式の見解がわからない(日和見)、サポート掲示板での対応の数々

少なくとも私は「やりたいことを目指して頑張りましたが発売日までに間に合いませんでした、ごめんなさい。未完成状態ではありますが、今後のアップデート、ブラッシュアップにて出来る限り良いものにしていきたいと思っておりますので、開発規模の関係でどうしても時間はかかってしまうかもしれませんがよろしくお願いします」といった声明と合わせ、ロードマップがあればそれで構わないですし、今後も応援する形でいようとは思っています、実際購入者の方々も同じスタンスの人は多いのではないでしょうか。

今のSNS時代は毎日どこかで炎上騒ぎが起きています、その際の企業や芸能人の対応を見ていて毎度思うのですが「なぜ前に出て素直に謝罪ができないのだろう?」ということです。怒る方々というのは基本関心があるからであって、それは言ってしまえば愛情や信頼、また期待に対する裏切りの、負の感情がぶつけられている、ということです(ただ便乗したいだけの愉快犯と野次馬はどうでもいい)。結果的には「正直にゲロって誠意を持って謝罪する、その上で今後どうしていくか約束し、それを実行する」という対応が一番相手の心に届き、ダメージが少ないわけです。

某企業や某芸能人のように社会的規律を犯すような行為をしてしまった場合、それでも許してもらえない、信頼回復に時間がかかることも多いわけですが、これは(今までの開発スタンス見てもある程度予想がついたこともあって)初期対応次第でそこまでのことではなかったですし、それこそおそらく購入者と公式との間でサポート掲示板を通してやり取りがされるぐらいで、大きく炎上もしなかったでしょう。

今からでも遅くはないと思いますので、公式から何かしらのアクションが欲しいところですね。評価できる行動をとって頂けたのなら、購入者の皆様にはどうか寛容な心を持って、今後アップデートを待ってもらえるよう願うばかりです。個人的には根っこの部分のシステム的に、アップデートでそこまで評価がひっくり返るほどの作品になるとは思ってはいないのですが、それでも出来る範囲で改善対応をしてもらえればそれで良い、と思っています。

…評価できる行動を取らなかったら?うーん…気が済むまで叩いて良いんじゃないですかね?私はしませんよ、時間の無駄だし、その前にファン辞めますし。

2019.7.23 追記2

メールにて幾つか記事に関して意見を頂いております。単純に意見だけなら「そう考える人もいるんですね」「色んな考えの人がいるし、反論があるのもしょうがないね」で終わる話なのですが「アクアスタイルに謝罪しろ!」とか「記事を消せ!」てものもあるので、とりあえず1つ1つ頂いているものに返信するのも面倒なので内容が集中していたところだけ少し返信をさせて頂きます。

1、バグ関係、ボリューム関係、所々不親切な部分 → 発売前から公式がアプデで対応していくと言っているわけだから、言及するのは間違っている

1-A、まず記事冒頭にあるように「発売2日後の早期レビューでありバージョンを明記している」ということ、これは「手にした時点で享受できるコンテンツだけの評価を対価を考慮して出している」ということになります。固定層向きのタイトルではありますが、私のようにある程度事前放送を見たりしている人間は別として、細かな情報を仕入れていない購入者もいるはずです。「知っていないほうが悪い」というのであれば、前提としてその内容が相手側(今回は購入者)に可能な限り伝わっている前提、つまりそのために発信者サイド、または最低限でも作品内に置いて受け手に伝わるように配慮されていなければなりません。

また、記事内の文章の節々でも確認できますが「そもそもCSフルプライス(商業ベース)でそれが前提の作りで出すのは如何なものか」という私の考えを述べております(伝わっていなかったら言葉足らずでした、すみません)。

2、操作関係 → チュートリアルをちゃんと受ければわかることを批判しています、それは自分が悪い

2-A、斜め移動とロータスギアのことです、これも幾つかのメールで確認できました。チュートリアルを「最低限」すると幾つかの説明が省かれますが、これらも該当しているわけです。それは仕方がないこととして、じゃあチュートリアルを最低限にしたことで省かれた説明が「後からどこで確認できるのか」というところですね。これらについてゲーム内のマニュアル等で、再確認が出来る場所があれば私の批判は的外れでしょう、申し訳ございません。が、それがない場合、仮にチュートリアルをがっつり受けても説明を見逃してしまった、時間が経って忘れてしまった、という場合もあるかもしれません。今回の例で言えば Y二回押しの斜め移動どこかでわかる、ロータスギアが+メニューの事を指している、というのが「後からいつでも再確認ができる環境」が用意されていれば、不親切とは言わなかったでしょう。というのが言い分となります、本文内での説明に不足があったと判断し、この場にて謝罪致します。

とまぁこんな感じでしょうか。以降メールが届いても内容に関して一切返信しませんし、この記事の修正、更新も行いません。アプデが来てゲームが別物レベルで良くなったとしてもこの記事は消しません(書くとしても新しい記事でその時期とバージョンを明記した上で行います)。そして自分の考えが間違っているとは思っていないので謝罪も致しません、ご了承ください。

いいところ

圧倒的なわちゃわちゃ感

大量の仲間NPCを引き連れ、数の暴力で敵とダンジョンを蹂躙していきます。もはやローグライク感はないわけですが、これはこれでアリではないでしょうか。

完全フルボイス

イベントシーン以外の通常会話も含め、完全なフルボイスとなっています。声優ラブにはご褒美ですね。あ、私はどうでもいい人です。放送では全て聞いていますが、そもそも一人で遊んでいるときは文章読んだらボイスはどんどん飛ばしてしまう人なので…ごめんね。

王道ストーリー、王道展開の安心感

設定も内容も展開も特筆することはありませんが、起承転結もしっかりしていて、それに合わせて盛り上がりもあり、台詞回しと声優の演技もちゃんとしている、とても安心感があり私はこういうのは良いと思います。ジャンル的にストーリー部のハードルが限りなく低いというのもありますが。多少「狙った」やりとり、一枚絵とかもあるわけですが、そういったものに嫌悪感を抱く層の方は、そもそもこの手のゲームは遊べないでしょう。

賛否両論

仲間NPCの能力が無個性

仲間のパラメータは基本プレイヤー依存で、スキルは各々解放されていきますが装備制なので自由に付け替えが可能です。つまり最終的には誰を連れて行っても良く、NPC毎に役割分担させる必要がありません。いい見方をすればプレイヤーが本当に好みで連れて行くNPCを選ぶことができ、前作のように武器防具を装備させる必要が無いことからロスト等の心配もありません。

悪い見方をすれば、表題にある通り無個性になることです。

悪いところ

大量にある場合における細分化スタート。

全般

バグが多い

これは発売前の生放送を聞いていれば予想できたことですが、聞いていない人にとってはわからないことです。流石に進行不能になるものは極少数でほぼ問題はありませんが、それでもいくつか再現性のあるエラーはありました。

その他、プレイに支障があるとすれば「味方NPCが動かなくなる(壁に向かって歩こうとする、立ち止まる等)」とか「多段攻撃の攻撃力の影響を受ける」とかでしょうか。前者は言葉通りです、入れ替わってあげたりすると動き始めたりします。後者は説明すると、プレイヤーが多段攻撃スタイルになった時は一発の攻撃力が下がりその分攻撃回数が増えるものですが、どうも味方NPCの攻撃力が「多段攻撃の1回目」になってしまうようなのです、つまり火力劇落ち。検証はしていませんが、広範囲、延長等の割合火力減少系も影響を受けているのかもしれません。

ボリュームがスカスカ

二回の生放送で終わってしまうぐらいですから…。確かにこのジャンルに置いて、ストーリーはチュートリアルです。でもチュートリアルが終わったらゲーム自体のエンディングだったとは誰が予想するでしょうか。古井戸こそありますがこれも…(後述)。一応主人公2人分、イベントの分岐と味方NPCの差異があるわけですが、片方クリアするとルートチェンジできますし、その場合は倉庫もそれまで仲間にしたNPCも共有なので2倍ボリュームというわけではありません。もう片方はイベント埋めて仲間を増やす作業となります。

これがSteamのアーリーアクセスだったり、同人ベースでふしげん3のようにPC版のみ、3000円販売だったらまぁ理解できなくもありません(当時のふしげん3はこれと同等のボリューム)。が、コンシューマの商業ベース、その上フルプライスタイトルです。アプデ明言があったとしても、それは未完成のまま見切り発車していいものでは無いと思います。

解放されていない要素がある

スペカ発動時のカットインコレクションやダンジョンレコードが見れません…まさかの未実装状態。

説明不足、噛み合わない部分

チュートリアル内にて「ロータスギアにアイテムや敵情報が記録されていくぞ」と説明を受けますが、ロータスギアってどこ?となります。これ、+メニューの「ライブラリ」と表記されているものです。他にも、今作は斜め移動がY2回押しになっているのですが、これがゲーム内マニュアルからはわかりません。チュートリアルで「説明を最低限」にしてしまうと自力で発見するしか無くなります。総じて不親切。

UI、操作性関係

全体的な視認性の悪さ

これはあくまで個人的な感想なので見易いという方もいらっしゃるかもしれません。今作は電脳世界が舞台ということで、UI全体のデザインと配色がサイバーチックになっているのですが、どうにもちょっと見辛いです、少なくとも前作TODRと比較すると、パッと見での情報取得の難易度が上がっている感じがします。

ログが溜まり過ぎて拾ったアイテムがわからない

味方が増えるとガンガンログが溜まりゲームの速度に追いつかなくなってきます。プレイヤーがアイテムを拾ってもしばらくログが追いつくまでそれが何なのかわかりません、勿論アイテムメニューを開けばすぐ判明しますがその度に操作するのは手間です(残念ながらその方が早いけど)。

これ、拾った瞬間に別の場所にアイテム名とかポップアップすればそれで済んだ話ではないでしょうか。

マップの視認性が絶望的に悪い

味方のHUDを表示させる領域を広くとった結果、マップが非常に見辛くなりました。縮小表示は等倍で自分の付近だけ、拡大表示は倍率を上げて見える範囲を全て表示しますが、前者はマップ全体の把握ができず、後者はどのマスに何があるか瞬時の判断ができません。Lボタンを使ってしょっちゅう切り替えろと…?特にやばいのは大部屋モンハウ(百鬼夜行)です。簡易マップでは確認できるレベルを超えていて、度々−ボタンを押して把握しないと色々と見失います。

この時点でストレスはかなり多いのですが更に細かな点として、このゲームはアイテムの「スキマ」と罠の「スキマ」のグラフィックが同じです。前作ではマップアイコンでその判別をしたわけですが、今作のこの仕様だとその判断にワンクッション必要になります。

味方のHUDはRスティックでページ切り替えができるのだから一度に見られる多さはさしたる問題ではなく、マップ領域をもっと大きくとるべきだと思うのですがどうでしょうか。

操作が変わった&手間が増えた部分がある→全体的に劣化

まず一番は斜め移動の変更、Y二回押しです。前作ではZRだったのですが、ここには弾幕が当てられています。なぜここを変えたのでしょう?他にも、足元確認が「Xメニュー+下方向」から「Xメニュー+LorZL」に変わっています。今作での下方向は装備画面となりました。必要アクションの多さは変わらないので慣れればいいわけですが、別にこれは装備画面をLorZLにすればそれで済んだ話ではないでしょうか?なぜ弄る必要のない操作面を変更するのか理解に苦しみます。

また、弾幕の切り替えにもワンアクション増えました。ZLを押しながらRスティックで変更する必要があります。前作はRスティックだけでできていたことです。これは味方HUDのページ切り替えの兼ね合いもあるとは思うのですが、だったら、ZL+右スティックでページ切り替えにして、従来の操作はそのまま残すべきではないでしょうか?

アイテム欄の自動整理は前作と同じくRスティックでできますが、押し込み操作限定となりました。私は前作ではアイテム欄を開いたら親指でRスティックを適当な方向に弾いて整理していたため、最初整理ができなくて「あれ?」となっています。ここは特別Rスティック操作に何かアクションが割り当てられているわけでもなく、なぜわざわざ制限を増やしたのか謎でしかありません。

アイテムの複数選択がXボタン押しっぱなしでできなくなっています。前作では「押しっぱ+方向キー」で複数選択ができていました。倉庫に入れる時、スキマに入れる時に必要回数Xボタンを押さなければなりません。

というかおそらく前作からソースやライブラリはだいぶ流用していると思われるのですが、どうしてこんなことになっているのでしょう?

装備画面から印の効果確認ができない

該当の装備に合わせて+ボタンを押すことで、その装備に付いている印の効果とその内容の確認ができます。が、何故かこれができるのがアイテムメニューから入った場合のみで、装備画面から入ると出来ません。

※ver1.03で修正されたようです。

スキルの装備が非常にめんどくさい

装備10個もめんどくさいと言えばそうなのですが、その比じゃないぐらいですね。基本そこまで頻繁にいじる所ではないのですが、うっかりアイテムを全部倉庫に預けてしまったり、持ち不に潜るとスキルが全て外れます。何十人の仲間にそれぞれ複数のスキルを1つ1つ装備し直していくわけです、これは発狂ものですね。

これに関してはプリセットとか用意されていれば記録して一括で操作できるようになると思いますし、現時点で仲間を連れて行ける持ち不がないためそもそもスキルを倉庫に預ける仕様の必要性が薄いですね。仮に一度預けるにしても、戻ってきた時に元の状態に戻してもらえればそれで済むわけですし。

バランス、システム関係

基本数の暴力で全てが解決する

ある程度仲間が増えたら「階段を降りる→探索モードにして足踏み→アイテムを拾って階段へ」、これでラスボスまでいけます。プレイヤーは何もしなくていいです、味方が勝手に探索と殲滅を済ませるので。ストーリーダンジョンは罠すら存在しないため、不確定要素で事故ることもありません。割とローグライクのゲーム性全否定した味付けとなっております。

例外として属性ダンジョンの上級、20階層後半ぐらいからは気を使うようになります。クラウンピースの狂化によって味方の同士討ちが発生したり、フランドールに無双されるケースがあるからです。まぁフランに関してはプレイヤーさえちゃんと育てていれば問題なく、乙事主のスペカ(味方復活)で元通りにできます。前者は事故死がありえますね。一回階段降りた直後にクラウンピースがいて、次ターンで味方複数が狂化、フクロ叩きにされて600ダメージぐらい一度に食らって即乙したことがありました。

味方NPCのAIがバカ

バグなのかバカなのかわかりませんが、例えば「同行」にしているのに敵がいるとプレイヤーより前におどり出たり(本来は「応戦」の行動では?)、NPCが密集している所でお互いが向かいたい方向が逆だとぶつかり合い動かなくなったりします。

味方の成長システムが息してない

これは多分今後のコンテンツ前提の調整なのでしょう。現時点だとレアリティ上げに必要な素材(メモリア)集めがかなり厳しいですし、レアリティをあげないと親密度も上がっていかないようです。また、スキルレベルに必要な経験値もかなり多いので、明らかに今実装されているコンテンツ量と見合っていない印象を受けます。

新規要素(属性、3すくみ)が息してない

もしかしたら今後追加されるコンテンツで意識する必要が出てくるのかもしれませんが、現時点では全く意識しなくていいです。属性ダンジョンも上級の後半以外は全く同じ戦法で通用しますし、考えることがあるとしてもクラウンピースとフランドール対策で属性とは関係なし。3すくみは気にしなくても現在実装されているダンジョンは全て踏破できています。

主観ではありますが、不思議のダンジョン系に置けるこれらの要素は蛇足に思えます。現時点で種族特性があり、様々な特殊能力とそれに対する対策など考えることがあるので、装備全種類、敵全種類に属性とその相性が付いて、攻撃属性(斬、突、打)まで出てくると、考える楽しさより煩わしさによるストレスの方が勝ってくるかなぁという印象です。

印効果の弱体化が著しい

主に抵抗印関係ですが、例えば「呪い抵抗」の印、抵抗が100%から25%に変更されました。つまり「入っていれば絶対に防げる」状態であったものが「入っていても4回に一回しか防げない」という状況に。前作でも一部は発動率が100%じゃない印はありました、接着やキャッチは80%とかそのぐらいだったり。80%でも信用できないのがこういった部分の怖いところで、結局100%吟味や固有印(合成ではなく融合でしか引き継ぎ出来ない)を使うことで確実に防げるようにすることが当たり前だったりしましたが、そもそもの下方修正によりそんな状況では無くなりました。

モンスターの特殊能力に対して、対策できる環境を限定する(下方修正する)というのは、本家風来のシレンにて行い非常に評判が悪かったのは、このジャンルの界隈の情報を集めている方なら既知の出来事だと思われます。流石に開発も把握しているのでは…?

相変わらずお守り関係が煩雑で整理されていない

もう読むことはできませんが旧ブログにてTODRのレビューを書いた時に「唯一お守り関係の環境が酷くて、それが持ち不のバランスを悪くしている」というようなことを書きましたが、そこに関しては手付かずな感じです。

10個装備のシステムがバランスやシステムに噛み合っていない

今作は武器、防具、お守りが10個ずつ装備でき、そのうち好きなものにいつでも見た目変更ができます。が、システム上、またバランス上この「10個装備」に価値を見出せない、というのが現状です。強いて言えば、装備のレベル上限が設けられ、それぞれ一定以上経験値を貯められなくなったことで強化に限界がきやすい→複数装備で火力や防御力を賄う、というぐらいでしょうか。

そして装備に入っている印はどういった扱いになるのか、ということですが、どうやら全く重複していないようです。「発動率が25%とかになっちゃった」て書きましたよね?だからこの複数装備によって印を入れて効果を上げるものだと思っていました、しかし現実は残酷でした、重ねる意味がない。装備画面を見ると、今装着している印が一覧でズラッと見ることができます。これ正直どうでもいいんですよ、だっていくつ印が入っていたって1つあるのと変わらないのですから。しかもこれすごい見辛いです。ただ並べるのではなく、今入っている印とその効果をリスト化して表示した方がスッキリして見易いと思います。

そして装備したもの全てに経験値が入るので、後半に行けば行くほど加速度的に攻撃、防御共にパラメータを稼ぎやすくなりインフレします、成長上限があっても、です。

加えてこのシステムを導入したことによりアイテム欄が独立し、装備品に限り所持上限が無くなりました、拾い放題です。「リソース管理をして生き抜く」というこのジャンルを否定していますね。アイテム確認の手間も増えましたし、スキマに装備品を入れることができなくなりました。未鑑定の装備を敵(ハタテ系)を利用して識別することもできません。

はっきり言いましょう。このゲームは色々とチグハグな部分がありますが、間違いなく1番の戦犯こいつです。この要素が様々な部分に悪い干渉を起こし、ゲームとしての楽しさやバランス、操作性の悪さへ繋がっています。

そして持ち不のバランス崩壊、ゲームコンセプト否定

印効果の変更、装備システムの変更により持ち込不可(現状唯一の古井戸)が完全にバランス崩壊しています。

印の発動率が25%とか50%になっている、そして装備でそれらの効果が重複しないとどうなるか、ということなのですが、結局事故が怖いので「やられる前に殺る」という「レベルを上げて物理で殴ればいい」的な直線的で単調な攻略法になるということですね。合成によって装備をまとめる必要性も低く(そもそも合成できる機会が黒髪の河童しかありませんが)「とにかく強くて良い印が入った良い装備を拾うだけ」という運ゲーになっています。そしてそれを理解してのことか、前作では本当にやり込んだ先にしか手に入らないような激レア強装備が結構な確率で手に入るのです。

加えて酷いのはお守りの鑑定関係。装備品がスキマに入らないので識別のスキマを利用できない(そもそもプレイ中に見かけてないので存在しないかも)、ハタテ鑑定もできない、そして前作から引き続き相変わらずお守り関係は数が多すぎて煩雑で、お店による価格鑑定も難しいことから「装備しなくても良いや」状態になります。一応、星や金髪の河童、印抽出のスキマによる印抜きである程度あたりをつけられるので、それでわかったレベルのものは装備して踏破しましたが、多分このバランスだとお守りは全く無くても大丈夫です。

極め付けは「NPC同行不可」。え?わちゃわちゃゲームとして打ち出したコンセプト全否定ですか…?せめて人数制限とか設けて連れて行ける、とか考えなかったのでしょうか。最終的にソロベースの持ち不は確かに必要だとは思うのですが、まずはコンセプトを生かした持ち不を実装するべきでは…?

その他

PV詐欺

プロモーションで見れた画面の光景が製品版で存在していないとか、推していたキャラが未実装(あるいは有料DLCなのかしら?)、これなんて詐欺?

本編スカスカで発売日当日に有料DLC(キャラ)配信ですかそうですか

先にやることあるだろ

総評

EDF:IRの時と似たような気持ちになりました。新しい要素がちゃんと精査されず、そこに対してのバランス調整が為されていない状態でとりあえず突っ込んだ、みたいな感じになっています。しかも「ジャンルの開発経験の少なさやエンジンの扱いに慣れてなくて」というのがまだわかるEDF:IRより酷いです。発売前にメーカー側が購入者を有料デバッガー扱いしたり…ドラマCD推しやライブはゲームの面白さや完成度につながりますか?

一応多少なりの古参ユーザーとして「まあアクアスタイルだし」でアプデによる追加と調整を待つことはできます、そこに関しては時間が掛かってもきちんと仕事をする会社だと信頼しています。ただ、CS進出によって初めてTODRとかに触れたユーザーは今作どう思うのでしょうね、TODRは数年掛けた集大成なので、最初からあのボリュームを求めるのは流石に酷ですがやはり期待はするものでしょうし、ボリュームどころかバランスや操作性まで劣化しているとなかなか厳しいものがあると思います。

繰り返しますが「同人時代のPCゲームの時からシリーズを買っている私」がそこそこハラワタ煮えくり返っている状態、というのがこのゲームの評価です。1つ擁護するなら、決してつまらない訳ではありません。ただこれ買うぐらいならアプデ待ちしつつTODRや、リメイク元のみら超買った方が全然楽しめると思います。

…しかし装備10個システムとか、大量の味方NPCを連れて行くゲーム性って枝葉のバランスを弄っただけでは解決しなさそうなのですが、アプデでどうにかなるのでしょうか…。

生放送アーカイブ

【実況】KYおじさんは幻想郷のおにゃのことワチャワチャしたい 第1回【ロータスラビリンス】
【実況】KYおじさんは幻想郷のおにゃのことワチャワチャしたい 第2回【ロータスラビリンス】
【実況】KYおじさんは幻想郷のおにゃのことワチャワチャしたい 第3回【ロータスラビリンス】
【実況】KYおじさんは幻想郷のおにゃのことワチャワチャしたい 第4回【ロータスラビリンス】