日本では圧倒的なシェアを持つApple社のiPhone、6以降のデザインは画面が露出する形になり、落としたりぶつけたりして割れてしまった状態で使い続けている人も多く見られます。「とりあえず操作できればいいや」で放置しておく事に対して「データを失ってしまう危険性」があることをこの記事で紹介します。
普通に使えるのに何故データがなくなってしまうのか
起因はスリープ復帰時や起動時の「パスコード」設定
おそらく利用者の殆どはこの「パスコード」を有効にしていると思います。デフォルトだと6桁の数字を設定するアレですね。この機能、10回連続で間違えるとiPhoneがロックされてしまうのはご存知でしょうか。
- 10回連続で間違える(明らかに故意に間違えているような入力はカウントされない)
- 「iPhoneは利用できません、x分後に再度お試しください」という表記になる
- 更に間違えるとx分後の時間が伸びていく
- 繰り返し間違えると「iTunesに接続」の表示になりロックされる
という感じですね。ちなみに本体設定の「10回間違えたらiPhoneを初期化する」にチェックが入っていると、ロック以前に問答無用で初期化されます。ではこの機能が割れた画面とどう関係があるのでしょうか。
いつ表示不良やタッチ不良が発生するかわからない
割れた状態だと、いつ液晶やタッチパネルに不良が起きるかわかりません。さっきまで使えていたのにいきなりブラックアウトした、画面の一部が反応しなくなった、ということが十分起こり得ます。
タッチ不良が起こるとバックアップも難しい
操作に支障が出るわけですから、iCloudの設定を弄るのも一苦労、iTunesで丸ごとバックアップが一番理想的ですが、一度もPCに繋いだ事がない本体は接続先を「信頼」するために画面のタッチ操作が求められます。また、パスコードロックがオンだとパスコードを解除しないとiTunesが認識するところまで進めません。
使えなくなるだけで済めばまだ良い方、怖いのは「ゴーストタッチ」
ブラックアウトしたり、一部が反応しなくなるだけなら画面修理さえすればまた使えるようになります。非常に恐ろしいのが「画面が勝手に反応する」ゴーストタッチという症状です。これが起こると、本体がタッチできる状態(画面が付いていると認識している状態)になると勝手に触ったような反応を起こしてしまいます。
スリープ状態を維持すれば防げるが…
「勝手に反応してしまうなら、反応しない状況を作ればいい」。と言うことで、スリープを解除しなければよいわけですが、プッシュ通知によって反応してしまったりするわけでして、完全に防ぐのが難しいのが現状です。電源を落とすのが確実ですが、タッチ不良が起きてしまっているパネルは電源オフのスライドが動かせない、と言うこともよくあるので、バッテリー切れまで待つ、という形でしか電源を落とせません。
更に怖い、ブラックアウト+ゴーストタッチの合わせ技
「液晶自体がまともに表示しなくなった、でも本体は反応して正常に動いているみたい」、こんな症状がよくあります。でも実は一番危険な状態。画面が全くついていないくても本体が「スリープが解除されている」と認識している場合、ゴーストタッチは発生します。もうお判りですね?
パスコードがオンの状態でブラックアウトすると、いつの間にかゴーストタッチが起きていてパスコードを連続で間違え、知らないうちにロックされてしまう。
という状況になるのです。使えるように治したい、データだけでも取り出したい、と修理して画面をつけてみたらロックされていて…みたいなケース、結構あるのですよ。
すぐにできる対策
まずは定期的なバックアップ
当たり前の事にはなりますが、日常的なバックアップが一番有効です。定期的にiTunesにフルバックアップを取っておけば、どんな不測の事態にも対応できます。それでも、一部のサービス依存のアプリのデータ(特にゲーム系が多い)は、それぞれ対応する方法でバックアップを取れなければなりませんが。
少なくとも画面が割れてしまったらすぐにバックアップしよう
普段とっていない、あるいは不定期だったとしても、割れてしまったら可能な限りまともに操作できているうちにバックアップはとっておきましょう。
場合によっては非正規店での修理交換も視野に
基本は公式での修理をお勧めしますが、代理店が混み合っていて予約がとれない、本体のダメージが大きく画面修理のみでの対応を断れられ高額な修理費が必要、という場合もあります。そういう時は非正規店で修理することも考えましょう。最新の機種でなければ大抵は1万円以下、30分〜1時間での修理が可能です。
普段から気をつけて扱おう
現代ではiPhoneに代表されるスマートデバイスは「財布」より大切かもしれません。自身、知人の個人情報は勿論、その他あらゆるデータを保管でき、クレジットカードや電子マネー情報、ブラウザに記憶させているのなら、各種ネットサービスのIDやパスワードまで含まれます。ちょっとした手間を惜しんで大切なデータを失ったら大変ですからね。本体の保護とバックアップは忘れずに。