【レビュー】モンスターハンターワールドのお話

ゲーム

おおよそ発売から1年経ったモンスターハンターワールド(以下MHW)、今でも追加コンテンツが配信されていますし小さなアップデートが続いています。私は後発組ですが、一通りコンテンツを遊んだのでそろそろレビューをしようかと思います。なお、専門用語等出てきますし基本システムの解説はありません、旧作との比較もありますので、既存シリーズプレイヤー向けの内容となります。

  1. 良いところ
    1. 一新されたグラフィック
    2. ゲームの導線が綺麗
    3. 従来より広く立体的で、シームレスなフィールド
    4. 複数のキャンプとファストトラベル機能
    5. キャンプでの装備変更、アイテムの補充、食事が可能
    6. より繊細な操作が可能になったアクション
    7. 弱点がわかりやすいダメージ表記
    8. 見直された各種モーションや要素
    9. スタミナ減少値が低くなった
    10. オート調合はとても便利
    11. 非常に扱いやすいショートカット
    12. ギミックを生かしたアクションの追加
    13. フィールドアイテムを生かした新要素
    14. 「スリンガー」の使い勝手がとても良い
    15. 調査クエストの存在
    16. 当たり判定の有情化
    17. 救難信号によるクエストの途中参加
    18. オトモが便利で強い
    19. コラボ関係の作り込み
  2. 賛否両論、もう少し調整頑張って
    1. モンスターの体力が変動性になった
    2. モンスターの縄張り争いや乱入
    3. 防具とスキルシステムの一新
    4. 装飾品のガチャ化
    5. 配信によるコンテンツで生産装備が(ほぼ)産廃に
    6. モンスターがよく逃げる、追いかけるのが以前より面倒に
    7. 痕跡集めと導蟲
    8. 装備の種類が少ない&使い回し
    9. モンスターの骨格&絶対数&属性偏り
    10. 各オブジェクトが見辛くなった
    11. 地形ギミックによる行動の阻害
    12. 武器のカスタム要素
    13. 特殊アイテム「装具」「煙筒」
    14. 武器相性が極端すぎるモンスターがいる
    15. 新要素実装→それを前提、あるいは潰す要素作りました、的なアレ
    16. 配信イベントが期間限定
  3. 悪いところ
    1. 長いロード
    2. ストーリーがお粗末
    3. 受付嬢(相棒)がひたすらにプレイヤーのヘイトを稼いでいく
    4. バゼルギウスの乱入頻度
    5. 属性武器が全体的に不遇
    6. メイン拠点のアクセシビリティが悪すぎる
    7. 目的に応じて作れない部屋
    8. 存在価値の薄い集会エリア
    9. 報酬を「まとめてBOXに送る」ができない
    10. フィールドの構造が把握しづらい
    11. 上位の薄味引き伸ばし
    12. 意味のない上位以降のランダムスタート
  4. 武器バランス雑感
    1. 片手剣…打点の低さを克服、使いこなせば火力も出る無難調整
    2. 双剣…新アクションも楽しく、鬼人、切れ味維持がしやすい良調整
    3. 太刀…シンプル高火力、扱い易く相手を選ばないちょっと強過ぎ調整
    4. 大剣…溜めるリスクと火力が見合わない駄目調整
    5. ランス…全体的な自由度向上、だが高いスキルが必要な良調整
    6. ガンランス…選択肢が豊富、武器としての個性が確立した良調整
    7. スラッシュアックス…頑張っても貢献が難しい駄目調整
    8. チャージアックス…お手軽超高出力、でもその他は及第点調整
    9. ハンマー…坂や段差が味方の爽快感のある良調整
    10. 狩猟笛…ソロでの扱いが不遇過ぎる及第点調整
    11. 操蟲棍…特徴だけ取り上げられた駄目調整
    12. 弓…操作が大きく変化、最強火力候補の強すぎ調整
    13. ライトボウガン…戦闘幅が広く火力もある良調整
    14. ヘビィボウガン…リスクに対して火力不足の駄目調整
  5. 総評

良いところ

一新されたグラフィック

元はPS2の据え置きタイトルでしたが、大ヒットしたのは携帯機であるPSPの2ndGから。以降基本は携帯機のタイトルとして存続してきたので(MH3は除く)、お世辞にもグラフィックは良いタイトルではありませんでした。しかし、今作から据え置き機のハードウェアスペックを生かしたリッチなグラフィックによって、よりモンスターハンターの世界が深まり、没入感が増したと思われます。グローバルで大ヒットを上げる洋AAAタイトルと比べると流石に見劣りはしますが、シリーズとしては非常に大きな進歩でした。また、ムービーシーンが基本リアルタイムレンダリングで、プレイヤーキャラクターの造形、装備が反映されるところや、モンスターの登場シーンからそのままシームレスに操作に移行できるのも良いですね(ここは4の時点である程度できていましたが)。

ゲームの導線が綺麗

各種チュートリアルは別窓で解説して終わり!と言う丸投げぶりなのは相変わらずですが、クエストの中での要素やアクションの説明、痕跡集め→モンスター発見の流れ等が、うまい具合にメインストーリーの導線に組み込まれていて、新規にとっては最低限必要なことやゲームの流れが自然とわかりやすい形になっています。正直結構複雑なゲームなのでまだまだ説明不十分ではあるのですが、過去作よりはずっと親切な設計となっています。

従来より広く立体的で、シームレスなフィールド

基本平面だったフィールドは何層にも分かれる立体的なものとなり、その広さも大きく、またエリア移動にロードを挟まず区分けされないシームレスなものとして実現されました。プレイにぶつ切り感が無く、探索が楽しめる1つの要素として生まれ変わりました。各エリアを繋ぐ通路にも探索要素があるのが「ただの繋ぎ目」ではなくちゃんと意味があり良いですね。

複数のキャンプとファストトラベル機能

フィールドが広くなったことに応じて、1つのマップに対して複数のキャンプ設置が可能となり、また戦闘状態でなければいつでも好きなキャンプに飛べるというファストトラベル機能が実装されました。これにより離れたエリアへの移動短縮、スタート時のエリア選択が可能となりました。

キャンプでの装備変更、アイテムの補充、食事が可能

キャンプではアイテムボックスの操作が可能で装備変更とアイテムの補充や調合等を拠点と同じように行えます。持ち込み品でやりくりする必要がなくなりましたし、連続狩猟クエストで、モンスターに合わせて装備を変更する、なんてこともできるようになりました。また、一定時間経過後に食事もできるので、長期戦の場合後半は食事効果を変えて臨む、なんて戦い方もできます。

より繊細な操作が可能になったアクション

各武器種の基本モーションに変わりはありませんが、一部新しいアクションも追加されていますし、細かな向き等の「微調整」が非常にやりやすくなっています。これにより、モンスターの動きに応じて対応しやすくなり、定点攻撃もやりやすくなりました。

弱点がわかりやすいダメージ表記

今までは攻撃した時のエフェクト、ヒットストップ、怯み具合等で相手の弱点部位を探していましたが、今作からダメージが表示されるようになったので、どの攻撃がどの部位に有効か、と言うのが視覚的にわかりやすくなりました。状況から判断する、と言う前者のゲーム性はスポイルされてしまいますが、いつでもオンオフ出来ますし、というか正直自分で肉質見極めて遊んでいた人って少ないのではないのでしょうか(大抵攻略情報前提)。

見直された各種モーションや要素

「なんで戦闘中にガッツポーズなんてとるんだ!」という批判はかなり前からありましたが、今作では色々なモーションが見直され、回復アイテムを歩きながら利用できたり、罠設置が一瞬で完了したり、決定ボタン1つでフィールド上のアイテムを走りながら取得できたり、これまで煩わしかったモーションや要素が大きく改善されました。また、ピッケルや虫網が別途必要だった採集は消費アイテムから撤廃され、砥石も無限利用が可能になっています。

スタミナ減少値が低くなった

非戦闘時のダッシュ、壁登り、双剣の鬼人化等のスタミナを消費する行動の減少量が全体的に過去作より軽減されています、今作はマップが広いので基本行動におけるスタミナ減少値が軽減されたのはかなりでかいです。

オート調合はとても便利

アイテムを採集した時点で必要な素材が揃っていれば勝手に調合してくれます。オート調合はアイテム毎に設定でき、普段利用するアイテムはオンにしておくと非常に捗ります。

非常に扱いやすいショートカット

3DSの2画面+タッチパネルは便利過ぎましたが、今回のアイテムショートカットも負けずに劣らず良いシステムだと思います。L1+Rスティックで8方向選択でき、本来抜刀状態では使えないアイテムも指定した瞬間に納刀し利用してくれるのがとても親切です。

ギミックを生かしたアクションの追加

基本モーションは前述の通りですが、4以降実装された段差利用の発展系他、坂を利用した新アクションや、後述するスリンガーを使った移動や「乗り」状態への復帰、茂みに隠れてやり過ごす等、リアルになったフィールドをそのままゲーム性へと昇華したアクションが追加されました。

フィールドアイテムを生かした新要素

閃光羽虫によって目眩しを起こす、ドクカズラによって毒状態にする、岩が繋がっているツタを切って下にいるモンスターに落とす等、フィールドに存在するギミックをそのまま利用することによって戦闘の幅が広がり、ゲーム的にもより「ハンターらしい戦い方」ができるようになりました。

「スリンガー」の使い勝手がとても良い

遠距離攻撃は弓やボウガンといった既存の武器がありますが、全てのハンターに「スリンガー」という武装が使えるようになりました。崖の上の楔虫に引っ掛けて登る、逃げるモンスターにスリンガー貫通弾を撃って怯ませその隙に罠を設置する等、戦闘に利用できる他、これまで投げていた音爆弾や閃光玉がスリンガーの弾として扱われ、狙ったところに撃つのがとても簡単になりました。一部を除き弾が現地調達というのもハンターっぽくて良いですね。

調査クエストの存在

モンスターにはレア素材や部位破壊報酬でしか手に入らない素材がありますが、そういった素材も調査クエストの特別報酬枠から取得可能です、しかもレア素材の確率が高めに設定されているため、通常のフリークエストに行くよりずっと効率がいいです。調査クエストを出すためにフィールドで目的のモンスターの痕跡を探さなければいけないのも各要素が結びついていて良いですね。

当たり判定の有情化

過去作に言われる「亜空間タックル」的なものは殆どの無いように思えます。勿論全てが納得、というほどでは無いですが、少なくとも「えっ?今の当たる?」という状況はほぼほぼ感じません。むしろ当たった気がしたのに回避できている、と言う状況の方が多いように思えます。

救難信号によるクエストの途中参加

これまでは同じ集会所に集い、受注したクエストをみんな一緒に遊ぶ、というスタイルでしたが、今作から「こいつ一人じゃ狩れないぞ!」て時に救難信号を出せる要素が追加。そうすると、他プレイヤーは途中参加する事が可能になるので、より気軽にマルチプレイに臨む事ができます。

オトモが便利で強い

シリーズが新しくなる毎に賢く、強くなっているオトモですが、今作でも例に漏れず順当に進化しています。ぶっちゃけソロでオトモを連れて行く方がマルチより安定するケースも多いです。オトモの道具も回復、サポート、攻撃、素材集めと自分のプレイスタイルに合わせて変更ができるのがいいですね。

コラボ関係の作り込み

従来作品のコラボは特別素材から限定の装備を作る、特別な強個体と戦う、ぐらいのものでしたが、FF14コラボのベヒーモスは演出やゲーム性を本家に寄せて違う面白さを感じ取れますし、ウィッチャー3コラボは本人の登場からシナリオまでオマージュしていて作り込みが素晴らしいです。勿論装備のみの簡易コラボの方が数は多いのですが、また違う可能性が見えてくる完成度でした。

賛否両論、もう少し調整頑張って

モンスターの体力が変動性になった

今までは村クエ、集会所クエと「ソロorマルチ」で分かれていて、集会所クエのモンスターはマルチ前提の体力でした(とはいえ、殆どはソロで狩れましたが)、今作はクエが一律化された変わりにソロかマルチかで体力が変動するようになりました。これ自体は良い要素だと思うのですが、問題は「参加人数によって細かく変動しない」というところでしょうか。つまるところ、ソロor2〜4人という分かれ方なので、下手に2人でクエに赴くとソロより辛い、という本末転倒な状況になります。上記した救難信号による参加でも誰かが参加した瞬間、モンスターの体力がマルチ仕様になるので、上手い人が来てくれたり4人揃えば別ですが、そうでないと結局状況が改善しない、という状態にもなりえます。救難に来た人が乙って抜けられたら、最悪一人でマルチ体力のモンスターを相手にする、みたいな状況も。

2.25倍(だったっけ?)なので、単純計算では3人来ればソロより速い、と考えそうですが、スタン値や部位別の耐久値も上がり、タゲがバラけることでモンスターがシャトルランを始めて攻撃タイミングが減ったり、下手なプレイヤーの介護をしたりと言う場面が増えるので、互いの力量がわかってて、かつ準備ができている状態で臨めばソロより速くなりますが、大抵の野良マルチではソロより時間がかかりますね。

モンスターの縄張り争いや乱入

今作はフィールド内に複数のモンスターが闊歩していて、戦闘中(重要)出くわすと縄張り争いを始めます。互いに大きなダメージが入りますし、上手く使えばかなりクエストの手助けとなるので、ゲーム的にも世界観的にも良いシステムです。特定のモンスター同士でしか起こらないタイプの縄張り争いもかなりありますし、結構細かく作り込まれています。

ただ、その調整がお粗末かな、と思います。まず、初動のやり合いを終えると普通にプレイヤー側もタゲってくるということ。明らかに相対すべき相手が違う状況でも、モンスターにとっての攻撃対象がプログラム的に定められているので、きっちりヘイト蓄積値の「順番に」プレイヤーも狙ってきます。この辺リアリティないですね。まぁ勿論、隠れたりしていれば別ですが。

また、モンスターがプレイヤーと「戦闘中」でなければ縄張り争いは起こりません。遠目でモンスター同士がすれ違うのを見るとわかるのですがお互いガンスルーです、これにはガッカリせざるをえません。

防具とスキルシステムの一新

近接とガンナーの防具が共通化され、それぞれで装備を持つために2倍素材を要することが無くなりました。また、スキルシステムも「各装備や珠の合計値で発動」と言うものから、装備や珠毎に最初からスキルがあり、重複するとその「レベル(効果の大小)」が上がる、と言うものに変更されました。過去作に比べてポイントを計算したり、スロット数から装着する珠を吟味したりと言う要素が無くなり、スキルを発動させるための前準備が非常にシンプルに。私自身は、正直今までのシステムは煩雑すぎると感じていたので好ましい事なのですが、特にスキルシステムに関しては組み合わせの自由度的なところで前の方が良かった、と言う人もいるのでは無いでしょうか。

装飾品のガチャ化

素材を揃えて作っていた装飾品が完全にガチャ化しました。4以降の護石みたいな感じですね。正直「欲しいスキルが組めない」は「欲しい素材が出ない」よりストレスが大きいことがわかりました。過去作のように防具とスロットを見ながら装飾品でスキルを揃えていくより、今作のシステムの方が圧倒的に幅が狭いです。また、当たり前のことかもしれませんが有用な装飾品ほど出づらく、種類の多さもありますが、狙った欲しい装飾品を手に入れられる確率は0.0x〜0.x%の世界なので「繰り返し遊んでいたら入手できた」ぐらいでいないと気が持ちません。しかも有志の検証により、同じレア度でもスキル毎かなり確率に偏りがあります、しかも露骨に。基本有用扱いされているスキルほど確率が低く設定されていますね。

いつまで経っても出ないこともあり、現在では錬金の出現テーブルが解析され、セーブデータをバックアップ→テーブルを確認→バックアップから再ロードで狙い撃ち、というような方法が発見されています。これってカプコン的にも明らかに想定外の遊び方だと思いますがどうなんでしょうね、こうでもしないと本当に湯水の如く時間を投資しないと手に入らない、ていうバランスで仕上げたのも問題だとは思いますが。

じゃあ装備妥協すればいいんじゃない?てところなんですが過去作ほど緩い妥協ができません。今作のスキルシステムとバランスだと装飾品1つの比重が重すぎるのです。お守り掘りの時は、目当てのものが出なくてもちょっと装備弄ってスキルの数値や装備部位を妥協すればそこそこのスキルが組みやすかったのですが、今作だと「そもそも◯◯の装飾品が出てくれないと、このスキル構成が成立しない!」的な状況になりやすいですね。装備部位に用意されたスキル自体に偏りというか、絶妙に「足りない」ように作られているのも原因でしょうか。

錬金に要らない装飾品を作り変えることができるのは無駄がなくて良いと思います。もう一つ踏み込んで、莫大な素材やポイントの要求量でも構わないので、好きな装飾品を作ることができるシステムはあっても良かったと思っています。

配信によるコンテンツで生産装備が(ほぼ)産廃に

当たり前ですが後から配信されるモンスターは強いです。そしてこれも当たり前ですが、それらから得られる報酬は良いものでなくてはなりません。所謂オンラインゲームにおけるインフレ化の要因です。例に漏れずこのゲームもそうなっています。防具に関しては流石にスキル関係もあって配信一択というわけではないですが、ベヒーモス、各種歴戦古龍のγシリーズが基準になってきますし、武器に関してはマム・タロトの鑑定武器がおおよその武器種に置いて生産武器の上位互換となりました。

防具はまだ良いのです、モンスターの素材を集めて作るという基本構造は守っているので。問題は鑑定武器の方ですかね、結局これもガチャですから。せめて強いけど性能が尖っているとか、生産武器と上手く使い分けができるバランスで仕上げて欲しいものですね。これ自体は結局元々の武器種間や属性関係のバランスが良くないと叶わない願いになりますが。とは言え、エンドコンテンツの報酬がしょぼかったら当然プレイヤーはやりたくなくなりますし、万人が満足するやり方は難しいのかもしれません。

個人的には、基本エンドコンテンツのモンスターは重ね着解禁とか、あるいは重ね着専用の見た目重視防具の生産権利とかをより重視して欲しかったですね。今作は装備のデザインバリエーションがかなり貧弱なので、デザイン性にがっつり傾倒した見た目だけの重ね着防具を沢山用意するだけでもエンドコンテンツ需要は十分ありそうなんですよね。あとは発掘武器のスペックでも構わないのですが、それも倒したモンスター素材からの生産であれば別に構わないかな、と。上位が下位の完全上位互換で問題ないのはベースのシステムが同じだからで、エンドコンテンツと上位の関係も同じようにする方が良いです。

モンスターがよく逃げる、追いかけるのが以前より面倒に

今作はフィールドが広く、一部多層化した事により追いかけると言う行動がよりめんどくさくなりました。エリア間がロードでなくシームレスになった事により走る距離も長くなっていますし、一回移動されるだけでだいぶ戦闘が中断されます。特に古代樹で飛竜種と合間見える時は、追いつきそうなところでエリア移動→追いつきそうなところで…と移動を繰り返され、戦っている時間より追いかけている時間が長くなってしまうこともしばしば。

とは言え、スリンガーの利用や各種ギミック、罠の設置時間短縮で足止めする方法が増え、上手く活用できると「逃さない」と言うことが以前よりずっと容易にできるようになったため、今作では正直マイナス面が大きいですが、今後の調整次第で良い要素に化けそうな気もします(研究レベルが上がったモンスターには飛竜で近くまで飛んでいける、とか)。

ちなみに豆知識ですが、今作のモンスターは一定ダメージでそれぞれに対応するスリンガー弾を落とします。また、エリアチェンジ前に閃光で落としたりすると、その後は暫くは戦闘モードに戻るので、捕獲したい、逃さずにその場で討伐したい、という場合でも足止めできる手段が用意されているので、決して理不尽なことではないです。

痕跡集めと導蟲

ペイントボールや千里眼の薬が無くなり、フィールド上の各モンスターの痕跡を集めていくと研究レベルが上がる→モンスターのいる場所や状態がより詳細にわかるようになる、と言う感じになりました。また、研究レベルが上がるとボーナスも得られます。ただ、アイテムや痕跡、モンスターの居場所を示す導き虫がいまいち見辛く、至る所で決定ボタンを連打する必要が出てくる(それでも漏らすことがある)ので、小さな痕跡だったり各素材に対して「オート採集」機能があればまた快適さが違ったのかな、と思います。「モンスターハンター」と言うゲームの世界観で考えれば、過去作よりずっと合っていると思います。

装備の種類が少ない&使い回し

似たようなデザインが多く、絶対数が少なく、ユニークな装備もありません。ただ、フルモデルチェンジと言うことで全部グラフィックも描き直しているのでしょうし、これに関しては次回以降のボリューム増加に期待ですね。

モンスターの骨格&絶対数&属性偏り

新しいモンスターが多いのは良いことですが、殆どの骨格が使い回しですね。フルモデルチェンジはMH3の時にも行われましたが、あの時は骨格レベルで新規が多かったことを考えるとちょっと物足りないです。また、属性に関しては「火」がやたら多く、「水」に至っては1匹しかいません。必然的に武器種で属性毎に装備を作る必要性も薄くなります(そもそも今作は属性武器が全体的に不遇ですが)。

各オブジェクトが見辛くなった

リアル化の弊害により、各種採集オブジェクト等がぱっと見で判断しづらくなりました。一応導蟲が存在する場所を示してくれますが、そもそもそれ自体がいまいち把握しづらいので…とは言え、無いよりはずっとあった方が助かりますが、もうちょっと見易さにメスを入れてもらいたいかな、と言うところです。特にモンスターの落し物とかは本当に見辛く、日中太陽が当たる場所や、草が生い茂っているところはかなりわかりにくいです。PC版限定で落し物のところに光のピラーが立つmodがありますが、あれを公式に導入して欲しいぐらい。

地形ギミックによる行動の阻害

このゲームは基本「敵の行動を分析し、待ち、パターン化する」のが攻略条件になります。そこにテオの寝床のマグマ噴火やクシャルの竜巻等の不確定要素が混ざると結構なストレスマッハです(特にクシャルは歴戦で閃光制限がついて尚更)。ハンターもギミックを利用しているので、モンスター側にもそう言う要素はあってもいいし、ある程度の不確定要素も構わないのですが、そういったものを予測しやすい、目視しやすい、あるいは阻害することにより発生を抑制できたりする要素がないと、ただ無条件に相手に有利な状況を作るだけで、パターン化に対するランダム性が高くなってしまいます。開発は4あたりからターン要素の強い攻略性や、パターン化するゲーム性を無くしたいと思っているようなので意図的なものかもしれませんが。

武器のカスタム要素

武器毎にカスタムスロットが設けられ、様々な追加効果を足すことができるようになりました。会心率が低い武器に会心率アップを着け、スキルと合わせて会心率100%を実現したり、スロットを追加してより理想のスキル構成に近づけたりと幅が広がります。ただ、攻撃力アップ、防御力アップの効果が薄く、回復能力付与(与えたダメージに応じて回復)、会心率アップあたりが結構強力過ぎて、付加カスタム能力に格差があります。

特殊アイテム「装具」「煙筒」

煙筒はそれほどバランスに影響を与えていないと思います、むしろ効果、効能含め良いバランスに収まっていますね。困ったちゃんは装具、その中でも「転身」「不動」でしょうか。ほぼ無敵状態を維持できる転身はかなりのぶっ壊れですし、防御力と回復カスタムを兼ねればゴリ押しがまかり通ってしまう不動もなかなかゲーム性を損なう一因ではあります。

武器相性が極端すぎるモンスターがいる

筆頭としてはリオレウス亜種、クシャルダオラ、ナナ・テスカトリ、マム・タロト辺りでしょうか。既プレイヤーならわかると思いますが、基本今作はガンナー優遇です。全体的に行動後の隙が少なかったり動きが早かったりする関係で、後半のモンスターは近接よりガンナーの方が圧倒的に負担が少ない調整になっています。歴戦未満の個体は閃光漬け等で拘束して殴り放題、なんてことが可能ですが、アプデ調整により閃光制限、歴戦王のクシャルダオラに至ってはそもそも閃光で落ちてこない、なんて始末なので近接はできることが殆どの無くなります。頭が落ちてきた瞬間に殴る、届く脚を攻撃する、怯み値を計算してそもそも飛ばせない、とかできますが、ガンナーに比べて高いプレイヤースキルを要求されますね。

このゲームは「相性の良し悪しで武器を持ち替える」というのが基本的な事だとは思っていますが、ちょっと極端過ぎるとつまらないモンスターになってしまいます。例えばイビルジョーなんかは良い調整で、デカイ個体だと双剣や片手だと胴体に届かず、カチカチの足しか狙えません。そこを坂ジャンプやフォールバッシュで対応するとか、同じ近接でもランスや太刀等打点の高い武器に持ち替え、頭や胸に攻撃できるようにする、とか選択肢があります。ガンナーが楽かと言われれば、弱点の頭が小さくあっちこっちに動くのでダメージを稼ぐのが難しかったり、塩梅がとても良いです。

ちなみにウィッチャー3コラボで配信された「エンシェント・レーシェン」は珍らしくガンナー殺しのモンスターで、これも結構極端ですが弓は上手ければ十分火力が出せますし、ガンナー優遇のモンスターが多いこともあってアンチテーゼとしては良いことなのかな、とは思います。

新要素実装→それを前提、あるいは潰す要素作りました、的なアレ

クロスでスタイルが実装された時にブシドーの回避が強過ぎて話題になりましたが、同時にモンスターには「回避後のタイミングに合わせてくる連続攻撃」が露骨に追加されていました。今作は装具、特に転身と、武器の回復カスタムがむちゃくちゃ強力ですが、転身が反応しない尻餅系高火力攻撃や回復カスタム前提でようやく耐えられるぐらいのスリップダメージ実装など、新要素を潰す、あるいは強要する状況が起こっています。

強力過ぎるから〜という理由で潰したり前提にしたりする前に、最初からもうちょっとバランス考えて組み込めないんですかね…と思うところです。折角の新要素における遊びの幅が狭くなったり殺されたりしてしまったり。歴戦王のヴァルハザクのように「それ自体が対策をしないと脅威になり得る個性」と言うのは良いんですけどね。歴戦王のテオ、ナナ、エンシェント・レーシェン等、後半は安易にスリップダメージ増加し過ぎじゃないでしょうか。開発側が自ら導入した回復カスタムや転身の装衣なのに、それに振り回されている調整になっているように思えます。

配信イベントが期間限定

定められた間でしか出来ないクエスト、戦えないモンスターがいます。当然その素材から作ることができる装備も期間限定です。それらがコラボイベント系なら「まぁしょうがないか」で済むのですが、鑑定武器を出すマム・タロトや歴戦王系も期間限定なので

強い装備作りたい→調べる→鑑定武器やγシリーズの防具を使う→今作れないじゃん…

みたいな状況がね、ちょっと。好きなタイミングで遊べないのはちょっとしんどいです。コンシューマゲームとしては窮屈、オンラインゲームとしては普通のことなのでなんとも塩梅が難しいですね。定期的に開催することでユーザーの離脱率を下げたい、と言う目論見もあるでしょうし。マム・タロトが平均月1回はイベントがあるように、歴戦王もシーズンイベントじゃなくてもうちょっと多めに配信して欲しいものです。

今作は根本的に本編ボリュームが少なく、1周年記念の全イベクエ配信を体感してた上で、全て恒常的に配信している状況でようやくコンテンツが腐らないぐらいの最低限のボリュームになっているかな、と感じました。

悪いところ

長いロード

SSDに換装すればかなり改善されますが、PS4の基本パッケージはHDDなのであくまでその環境が評価基準です。本当にロードが長いです。昨今のゲームはデータ量が多いので、どこのゲーム会社もロード時間の短縮はかなり力を入れていて、リッチなタイトルでも「最初だけ長いけどあとは少ない」「多いけど一回は短い」というパターンが基本に思えますが、このゲーム、多いし長いです。クエ受注後の裏読み時に拠点で色々な準備ができるよう操作を受け付けているのは良い事だと思います。ただ、マイハウスに移動するだけでロード、クエ往復でロード、ムービー挟んでロード、しんどいです。特に素材集め等の関係で繰り返しの作業が多いゲームなので、待たされる時間の長さが体感以上の大きなストレスになります。

ちなみにPC版はHDDでもそこそこ速いので、データの圧縮やプログラムの技術よりボトルネックなのはハードウェアの方なのかな、と思ったり。とは言え、最新のRE engineではなくMT.frameworkという前世代のエンジンを使っているのも関係してそうですね。

ストーリーがお粗末

「今回はストーリーに力を入れました!」というカプコンの触れ込み虚しく、薄っぺらくつまらないメインストーリー。確かに過去作よりはドラマティックな展開、派手な演出にはなっていますが、展開に大きな変化もなく淡々としています。王道でも面白い作品はあるので、ストーリーというより脚本がダメダメですね。

キャラも数こそ多いですがイマイチ魅力に乏しいです。ただ、これに関してもそのキャラ自体の個性やデザインより、やはり脚本に問題があるように思えます。それぞれに対して全然「舞台」が用意されていないのですよ。また、随所のセリフやキャラの立ち位置を見ていると、一番最初はNPCとの共闘要素を入れるつもりだったのかもしれない、と思っています。どうにもセリフが不自然な箇所がそこそこにあるのです。

受付嬢(相棒)がひたすらにプレイヤーのヘイトを稼いでいく

見た目に関してはあえて何も言うまい…ほら、人によって好みとかもあるし。ただ、この存在がとにかくプレイヤーのヘイトをガンガン稼ぎます。

自己解決能力が無いのに危険な場所にホイホイ同行する→身勝手な行動で危険な目に会う(周りを巻き込む)→プレイヤーや他のキャラが尻拭いする→謝罪の言葉がない

と言うのが一連のプロセスで、これがメインストーリー中ずっと続きます、お前は何も学ばないのかと。そして殆ど「役に立っている」シーンが存在しない、と言うのも尚更ヘイトを稼ぎます(実際には立っていたとしても)。何で「原則二人一組で行動する」なんて決まりにしてしまったんだろうか。多くの人は「もう拠点に籠もってろ!」と思った事でしょう。

ちなみにウィッチャー3コラボの相棒は結構まともに編纂者をしていて、セリフと脚本でこうも変わるか、と言うことを実感します。

バゼルギウスの乱入頻度

縄張り争いがある、と前述しましたがこいつはちょっと特殊です。通常のモンスターはあくまで自身の移動ルートで見つかった場合にのみ縄張り争いに発展しますが、バゼルギウスは「フィールド上のどこかで戦闘が始まるとほぼ必ず飛んできて乱入する」という性質を持っています。それだけならまだ良いのですが、問題はこいつが「上位以降、かなりの頻度で全てのフィールドに存在している」ということ。クエに行けば3回に2回はこいつに乱入されている気がします、これは非常にめんどくさい。イビルジョーもフィールド全体を徘徊しますが、戦闘エリアを嗅ぎつけるとかないですし、歩き移動なのでそれほど遭遇頻度は高くありません。

バゼルギウス自体は調整もコンセプトもとても良いと思います、とにかく乱入頻度だけがひどい。

属性武器が全体的に不遇

昔から「手数武器は属性」「一撃武器は無属性」というシリーズですが(そもそもそれ自体どうなの?と私は思っていますが)、今作は一部を除き手数武器も無属性の方が期待値を上回ります。「無属性攻撃強化」というスキルと、属性会心がレウスシリーズ限定スキルとして呪われていることで幅が狭まり、「悩むなら無属性武器に無属性攻撃強化と会心率アップ系を積めばいい」という状況を作っています。

属性が明確に仕事をするのは弓、双剣、ライトボウガン(属性弾)ぐらいですかね…。根本的に武器性能がぶっ飛んでいるチャージアックスの皇金・氷とかは日の目を浴びていますが。

メイン拠点のアクセシビリティが悪すぎる

そこそこ拠点が広いのと相まってとても遊びづらいです。一階はバウンティの確認、植生研究所、マイハウスでオトモダチ探検隊、二階は工房、三階が食堂、となっていて、とにかく必要施設が離れすぎです。

過去作は拠点はそこまで広くなく、必要な設備は一箇所に集まっていて、マイハウスにロードも挾みませんでした。拠点デザインは完全に利便性より開発側の「エゴ」が現れている箇所だと感じました。一応出発後のキャンプで食事やアイテムの整理等もできるようになったのである程度簡略することはできますが。

目的に応じて作れない部屋

過去作のマルチでは部屋を作る際、いくつか条件を設定して目的の近い人達を集めることができましたが、今作ではその機能の一部が省かれていて完全ランダム野良か、目的をみんなで合わせたいなら外部SNSや掲示板の利用が必要になります。確かに今の時代ゲーム内で完結させる必要というのは無いのかもしれませんが、今までできていたことをなぜできなくするのでしょうか。

存在価値の薄い集会エリア

一度1つのチャンネルに集まってしまえばどのエリアに居てもクエの参加はできます。そして集会エリアには各種設備サービスが無いため、結局クエから帰って来たら拠点に戻ることになります、一応集会エリアでしか受けられない「マム・タロト」のクエが出来たことで意味はありますが…むしろ集会エリア限定クエにしたことで不便さに拍車をかける結果に。強いて言うなら一緒に遊んでいる人が見えるぐらい?でもだったら最初から拠点そのものを集会エリアとして機能させれば良いだけのことですよね(MHFや数多のMOのように)。

報酬を「まとめてBOXに送る」ができない

これに関してはなんで未だに実装しないのか理解に苦しみます。ドスベースのMHFですらかなり昔からできている事なのに。

フィールドの構造が把握しづらい

多層化したのは良いことですが、とにかく繋がりがわかりづらく、層を跨ぐ移動が掴みづらいフィールドが幾つかあります。特に、おそらく一番開発が力を入れたであろう最初の「古代樹の森」は本当に迷路です、何度遊んでもなかなか繋がりを覚えられない。これは構造もそうですが、マップの表記の仕方次第で改善されるのでは無いかなぁとは思います。

上位の薄味引き伸ばし

上位以降新しいモンスター、クエストを出したければひたすらに痕跡集めをやらされます。簡単な討伐クエを無心で繰り返したり、痕跡が出やすいマップへ探索→帰還を繰り返したり…しかもその度に前述する長いロードを挟みます。もうちょっと集める条件緩くしても良かったんじゃないでしょうか。というより上位からいきなりストーリーが雑になっていて痕跡集めで引き伸ばししている感が否めません。

意味のない上位以降のランダムスタート

クエスト開始時にランダムでフィールド上のどこかでスタートする、と言う状況が起こります。これはおそらく過去作の要素を踏襲したものだと思いますが、そもそも今作はキャンプへファストトラベル出来てしまうので、煩わしいと言う点以外で存在する理由がありません。

小型モンスターがいるところに落とされると戦闘状態に入りファストトラベルができなくなりますが、戻り玉で問題がありません。その戻り玉も過去作だと調合分持ち込まない場合は使いどころを選ぶアイテムでしたが、今作はキャンプでアイテム補充ができる関係上全く問題がありません。

武器バランス雑感

片手剣…打点の低さを克服、使いこなせば火力も出る無難調整

武器出しでのアイテム使用、移動の軽快さ、アクションのクセのなさが特徴で、シリーズ通して初心者にも扱いやすい武器種と謳われてきました。欠点としては打点の低さから高い部位への攻撃が難しい、火力を出すにはかなり使いこなす必要があります。打点に関しては段差や坂を利用しないジャンプ攻撃の実装によりある程度克服できるようになりました、火力に関しては難しい事には変わりませんが。

ただ、手数武器なのに武器のパラメータバランスの関係でほぼ「フェイタルバイト一強」状態になってしまっており、属性武器に存在感がありません。勿論突き詰めれば各弱点属性に持ち替えた方が良いのですが、そこにあまり大きな差がありません。

これ重要なことですが「初心者向け」と「初心者にも扱いやすい」は全く別です。片手剣は操作性の面で初心者向きですが、武器種としてはトップクラスに玄人向きの難しさです。

双剣…新アクションも楽しく、鬼人、切れ味維持がしやすい良調整

常にスタミナや切れ味ゲージと睨めっこだった双剣ですが、幾分か扱いやすく、立ち回りの楽な武器になりました。スタミナゲージ自体の消費量減少、達人芸、業物の実装のし易さから切れ味も落ちにくく、鬼人ゲージの存在のお陰で継戦における火力維持もやりやすくなっています。属性も生きている武器種で、それぞれを揃えて使い分ける楽しさもあります。坂を使った回転斬りは爽快感抜群で中毒性もDPSも高い良い新アクションです。

難点としてはやはり打点の低さ、脚が硬いモンスターなどは滅法苦手。片手剣とは違い坂や段差を利用しないと高い位置への攻撃ができません。とは言え、そこまで兼ね備えてしまったら強過ぎるんじゃないかな、という気もします。

ともあれ、属性に恵まれ、強いがリソース管理も必要で、非常に塩梅の良い調整となっています。ちなみに突き詰めると結局ランナー、あるいは強走薬かキノコ必須になります、アイテム喰いなのは相変わらず。

太刀…シンプル高火力、扱い易く相手を選ばないちょっと強過ぎ調整

今作の一番の初心者向け武器といえば太刀でしょう、そしてトップ火力層にも君臨しています。つまり「これ1つあればいいや」て武器です。新アクションの見切り斬りによってゲージの維持がしやすくなったのですが、これがちょっと強過ぎちゃうんですよね。何せ発動中は無敵で、その無敵時間が回避性能5を超えてしまうのですから。コンボ派生でしか使えませんが、太刀は元々かなりディレイが効く武器種なので「付き→切り上げ」を繰り返して、モンスターの攻撃が飛んできたら見切り斬り→大回転斬りでお手軽赤ゲージの完成です。

もう1つの新アクションの兜割りも火力に対して消費リソースが少なすぎる感がありますね。ゲージを1つ消費するのは良いとして、ヒット後は暫く鬼人斬りの消費量が減少するので、直ぐに赤ゲージ復帰するのも大して難しくありません。例に漏れずリーチの長さも健在なので、ある程度の高さまで攻撃が届きますし、斬り払いで雑魚散らしもお手のもの、欠点がどこにあるのかわからないです。

必須級のスキルが無く、装備の自由度も高いです。生存優先しながらも火力スキルを積む余裕が生まれるほどバリエーションがあります。

操作性が良く、極端な相性差も無く、火力貢献がし易い、使いこなせば更に真価を発揮する、そして属性の価値が低く、作るべき武器がはっきりしているので、とにかく迷ったら選んでおけば間違い無いでしょう。

大剣…溜めるリスクと火力が見合わない駄目調整

今までの初心者向け武器の1つであり、相性を選びにくい武器種でしたが、今作ではあまりお勧めができません、抜刀コロリン戦法が通用しなくなってしまっているのですよね。大剣の真価は溜め切りですが、1〜2段階めはあまり強くなく、3段階目の「真・溜め斬り」を積極的に当てていくのが基本になります。ですが、集中スキルをつけていても発動までに時間がかかるので、モンスターのパターンを熟知、あるいはコントロールできないとそんなに簡単にはいきません、当然当てるのを失敗したらダメージは入らないわけでして。コンスタントに当てるには新アクションのタックルを有効活用する必要がありますが、これの使い所の見極めはかなり難しいです。

あえて良い点を上げるとしたら、最強の武器がイベント産で手に入るタイミングであれば簡単なクエを数回行くだけで達成できるところです。鑑定武器も生産武器も要りません。ちなみに属性が死んでいるのはシリーズ通してなので、カプコンが属性に対する考え方を根本から見直さないと大剣で属性は生きません。

ランス…全体的な自由度向上、だが高いスキルが必要な良調整

なんとなく地味で操作も特殊、ずっと玄人向けな武器種ですが、そこは今作も変わりません。しかし新アクションによってかなり攻撃的に生まれ変わりました。カウンター突きは前からありましたが、新アクションの「パワーガード」「シールドダッシュ」これが操作性を飛躍的に上昇させています。

パワーガードはカウンター待機時に追加入力で発動、その間は360°どこからでも攻撃を受けられ、更にいくつかの攻撃に派生可能、そしてその攻撃の火力が高いという強烈な仕様。ただ代償として発動中はスタミナがガンガン減っていくのと、攻撃を受けた時に少量のダメージを受けています。狙って出すのは勿論、カウンター発動が早すぎた!て時にパワーガードに移行することで敵の攻撃を受け切ったり、という使い方も。リスクとリターンが絶妙に噛み合っていますし、状況判断を瞬時にする必要があるので強力であっても使いこなすにはプレイヤースキルを磨かなければいけません。

シールドダッシュは移動しながらガードが可能で、突進とは全く使い勝手が異なります。中途半端な距離を詰めるときや、モンスターの攻撃時に位置調整を行い、瞬時に次の攻撃に移るためのテクニックとしても使えます。自分のターンにステップで距離を詰めるのではなく、相手のターン時に次の一手の仕込みができるアクションです。

属性は程々に使い勝手がありますが、やはり無属性一強感があり鑑定武器のガイラクレスト惨爪1つで足りてしまうのがちょっと悲しいところ。とは言えまさしく攻防一体、パワーガードを使いこなせばガード性能は1でいいですし火力スキルをガンガン積めます。生存と火力を兼ねることができる良調整です。

ガンランス…選択肢が豊富、武器としての個性が確立した良調整

過去作では毎回ピーキーな調整をされてきた武器種ですが、今作は綺麗にまとまっている印象です。通常、拡散、放射の3つがそれぞれ違うスタイルで扱えるのと、物理、砲撃、特殊アクション(竜杭砲、竜撃砲、フルバースト)とアクション幅がありますが、それぞれのダメージバランス、リスクリターンのバランスが優れています。

難点としては、生産武器の時点では真価を発揮出来ずスロースターターなことでしょうか。一番ガンランスらしさを発揮できる拡散型のLv4が鑑定のみなんですよね。放射型Lv4のマグラハトは溜め砲撃主体、通常型Lv4のロイヤルバーストはフルバースト主体、生産できっちり火力を出せる2本はスタンダードな「チクボンチクボン」が向いていません。Lv3→Lv4に結構な火力差があるので、生産武器の段階では拡散Lv3を持ち出すよりは上2本を運用した方が強い、と言う結果に。なぜ拡散型Lv4を生産武器に入れなかったのでしょうか、理解に苦しみます。

あとは必須スキルの多さですかね、ガード性能、(必要なら)ガード強化、砲術、増弾あたりは何かしら欲しいのですが、全部レア珠です。装備で補おうとしても使える防具がかなり限定されてきます(ガンキン、ガマルの呪い)。

属性は最重要ではないですが、火力の底上げにはちゃんと相性を選ぶ程度の選択肢はあり、「突きだけしていればいい」「砲撃だけしていればいい」みたいな状況でもなく、まさしく豊富な戦い方を実現できるガンランス「らしさ」のある調整です。

スラッシュアックス…頑張っても貢献が難しい駄目調整

「スラッシュソード」とも揶揄された武器種で、ずっと斧の存在価値が無かった武器種です。そして今作では、そのものの存在価値がありません(言い過ぎ)。まぁ遊んでいて楽しい武器ではあります。スラアクは準備が必要は武器種の1つですが、その準備をきっちり出来て、真っ当に扱えてもお手軽高火力武器に届いていない状態です。

今作では剣に「覚醒モード」が追加され、剣で攻撃しているとゲージが溜まっていき、覚醒すると追加ダメージを与えることができます、更にその状態で解放突きを行うと「零距離解放突き」となり、高火力かつ定点にダメージを与えるモーションになります、確実に部位破壊を狙えるというのも利点です。

一応理論値では結構な火力があります。ただ現実的に、モンスターに対して理論値通りの火力を出すのが非常に難しく、現状だと「準備が必要、使いこなすのに腕が必要、モーションも重くガードも無くカウンターも無く被弾リスクが高い、そして頑張ってもトップDPSに届かない」というリスクリターンの噛み合わない武器になっています。剣と斧の使い分けバランスは良くなっているんですけどね。

チャージアックス…お手軽超高出力、でもその他は及第点調整

操作が複雑、準備が必要、使いこなすのに時間がかかる、と、まさしくスラッシュアックスの弟分的な存在ではありますが、性格は大きく異なりますし、こちらは火力貢献もバッチリできる武器になっています。今作では超高出力で盾強化状態が解除されなくなったため、隙あらばガンガン突っ込んでいける武器となりました。この攻撃がぶっ飛んだ火力しているのでトータルでは上位のDPSを出すことができるのです。

コンボ派生や超高出力の仕様により扱い易くはなりましたが、武器として個性は些か失われています。斧モードが殆ど価値を失っていますね、盾強化時の超高出力キャンセル時にちょっと出すぐらいでしょうか。瓶溜め、剣強化は剣モードですし、GP派生で超高出力が打てるので、基本準備が終わったら剣で攻撃しつつ、GP直後や大きな隙にブッパする、というのが基本スタイルです、斧で戦う利点が殆どありません。

また、属性不遇の今作においては強属性瓶が息していません。一応、鑑定武器の皇金・氷がぶっ飛んだ性能をしているので、氷弱点には榴弾瓶を超えるDPSを叩き出しますし、斧1、斧2も使い分けが必要になるのでまた違った運用ができますが、これはあくまでこの武器が限定的に強いから、に他なりません。そして別にぶっ壊れ武器種というわけでもないのにアップデートで榴弾瓶がナーフされてしまっています。これには納得していないチャアク民は多いようですね。

ガンランスと同じく必須級のスキルが軒並みレア珠というのも辛いところですね、防具更新が捗らない武器種の1つです。

「チャージアックス」としての武器の面白さは減ってしまいましたが、扱い易さや火力貢献のし易さは上がりました。それでも複雑な操作性や準備の長さが初心者には足枷にはなりますが、利用者は過去作より増えているみたいですね。

ハンマー…坂や段差が味方の爽快感のある良調整

ハンマーは元々あまり相手を選ばない武器種で、今作も立ち位置はあまり変わりません。打点が低いのが難点ですが、溜め2のカチ上げで弱点を狙っていくことも可能ですし、全身打撃耐性のカチカチモンスターじゃなければ大抵戦えます。尻尾が切れないというデメリットがありますが、調査クエストの実装によりあまり気にする必要もありません。

今作、何より特筆すべきは坂利用による回転攻撃でしょう。滑走後にジャンプしモンスター目掛けてグルグルしているだけで素晴らしい火力を出せます、そして何より圧倒的な爽快感。ハンマーをもつとどのフィールドに出てもまず坂を探します、そして坂におびき寄せます、皆そうなるのです。

それ以外にも、R2溜め中に○ボタンを押すことで力溜めができ、これもお手軽火力アップ要素です。モンスターに持続的に攻撃が可能な状態なら通常時に○ボタン連打で餅つきができます。餅つきの「こいつ絶対殺してやる」という殺意溢れる攻撃モーションは誰もが見惚れることでしょう。

いまいち陰が薄いですが、比較的扱い易く癖もなく、火力も高くスタンも取れる万能選手で、その立ち位置は揺らがず更に火力アップ、爽快感アップな調整がされています。強いて言えば、ガードもカウンターに当たるアクションもなく常に溜め移動をする必要があるので、リソースと立ち位置をきちんと考えなければ被弾が増える武器ではあります。ちなみに属性が息していないのは大剣と同じく毎度のことです。

狩猟笛…ソロでの扱いが不遇過ぎる及第点調整

そもそもの人口が常に最下位の武器種です、笛という武器としてのの訴求力の無さや覚えることの多さ、やることの多さが原因でしょうか。でも覚えた後のマルチタスクをこなしている感は非常に良いものです。

今作はいくつかモーション派生が変わったりしていますが基本は変わらず、全体的な扱い易さは向上しています、特に音波攻撃の要素は大きいですね。ダメージも大きいのでまさしく「演奏しながら攻撃する」という基本スタイルがスムーズに実行できるアクションになりました。旋律にもガイドができ、完成した旋律は3つまでストックできるので様々な場面で必要に応じて必要な旋律を奏でることが、過去作よりずっと簡単になりました。

とても良いアクションになった反面、モーション値が軒並み落とされています、つまり火力が出ない。あまりにも弱く、途中のアップデートで全武器の攻撃力が上方修正されたようですが、それでも弱い。ちゃんと旋律を吹いて、うまく戦ってようやく他の武器に並べるかどうか、の世界ですね。自分強化の旋律もナーフされていて移動速度が落ちています。これ故に、吹きながら戦闘に参加するというハードルが上がりました。ただでさえマルチでの吹き専は嫌われるのに、自分強化とモーション値の弱体は本当に意味がわかりません。

サポート要員としての価値ですが、PC版のDPSメーターにより、攻撃旋律の上乗せ分を吹いたプレイヤーに加算すると上位の貢献度になることが発見されました。相対するモンスターの対策スキルはみんな積んできますので、もはや「攻撃旋律だけあれば良いんじゃない?」的な部分が出てきますし、だったら攻撃旋律は撤廃し、笛自体の火力を上げ、「笛にしかできないこと」という強みが他に欲しくはなりますね。

マルチでは決して無価値では無い、けど価値が攻撃旋律に寄り切っている、ソロでは過去作以上に火力不足に悩まされ、より苦難の道を強いられる、アクションそのものはより狩猟笛らしく楽しくなり、とても評価の難しい武器種となりました。

操蟲棍…特徴だけ取り上げられた駄目調整

登場時は「乗り」要素と共に一大バッタブームを巻き起こしました、、今作では残念ながら「弱武器」でしょう。

新しいのは空中制御がよりバラエティ豊かになったということでしょうか、飛んだ後に方向転換が可能だったり、モンスターに攻撃がヒットし、スタミナがあるうちは何度でもバッタがやり続けられるという、まさに「乗り」に特化した調整です。楽しさも向上し、危ない攻撃を避けるための手段としても優秀です。

じゃあ何が駄目なのかというと、まずその空中攻撃のDPSが低い。地上でコンボ出している方が火力が出るのです、ただ最大火力の飛燕切りは味方を尻もちつかせてしまうので怯み軽減1でも対策ができずご法度、そして今作の「乗り」は時間が長いので、さっさと倒したい層、マルチ慣れしている層には割と嫌われ気味です。そしてもう1つの要素である蟲、まず三色揃えた際の金剛体が廃止されました、なぜ?エキス延長虫も廃止されました(一応強化持続のスキルで引き伸ばせますが…)、なぜ?

一応蟲に攻撃させることで発生する粉塵によって追加ダメージや回復効果をもたらすことができますが、後半はあまり生きている要素ではありません、ストーリー攻略途中ぐらいだとそこそこのダメージソースになったりします。

元々火力貢献よりモンスターの拘束や、エキス効果による立ち回りの豊富さが売りの武器です。「乗り」自体の仕様変更、しかもここ最近は他武器でもお手軽に乗れるようになり、武器自体の火力の低さ、エキスの継戦力を高めるのに過去作よりハードルが上がり、別にいてもいなくてもな〜、的な立ち位置になりました。ちなみに「生き残るための武器」としてはトップクラスに性能が高いですが、それは今作に限ったことではないので。

弓…操作が大きく変化、最強火力候補の強すぎ調整

弓は操作方法が大きく変化しました、というか別物ですね。従来は溜め段階で矢の威力や飛び方が変わり、溜めつつ隙を見て撃つ、というスタイルでしたが、今作ではほぼ従来で言う所の溜め1までしか使いません。溜めている時とは別に撃つ瞬間にスタミナを消費するようになり、ランナーや集中は要らず、体術とスタミナ急速回復が重要なスキルとなっています。

また、チャージステップというものがあり、構えた状態で回避行動を取ると即座に溜め状態に移行します。これにより、隙間なく攻撃し続ける武器種となりました。溜めずに撃ったタイミングでもR2を押していると裏で溜め段階が進んでいるので「溜め無し→溜め撃ち→溜め無し→溜め撃ち」というのを連続で行うことも可能です。

元々中距離武器でしたが、今作はより近い、ほぼ近接の距離感で打ち続けないと火力が出にくく、接撃ビンを常時利用するような場面が多いです。ガンナーの防御力で被弾率の高い距離を維持するので回避と読みが重要ですね。状態異常の入れ易さや強撃ビンの使い勝手は従来とさほど変わりません。

曲射は矢ではなく石を落とす形になりました、何もない空間からいきなりガラガラと現れます(謎技術)。ダメージは期待できませんが高いスタン蓄積値を持っていて、上手く当てればダウンも狙えます。ただ、マルチでは近接の邪魔になるのでご法度です。

統括すると「近接距離で際限なく撃ち続け、隙を見て剛射へ繋げる。稀に頭の位置に曲射を置いてスタンも狙う」という一層テクニカルな武器となり、これらをこなせると今作中最高火力を叩き出すと思います。とはいえ、体術を積んで基本の動きさえできれば十分な火力が見込め、チャージステップで動き回れることから距離が近くても回避はそこまで難しくなく、エイム力とスタミナ管理さえあれば結構手軽な火力武器です。

多少求められるプレイヤースキルはあるものの「強すぎ枠」に入ってくる武器種ですね。属性が仕事していて、かつ生産武器もいくつかはエンドコンテンツでも生きてきます。スタイリッシュでスピード感があり、かつ火力も申し分なく状態異常によるサポートもできる万能選手です。

ライトボウガン…戦闘幅が広く火力もある良調整

弓にも言えることですが、今作の照準操作は一般的なTPSと同じスタイルになったため、ガンナーの操作精度が向上しています。恩恵が特に大きいのはこのライトボウガンでしょう。移動しながらの狙撃は変わりませんが、速射が発動していても動けるため、基本は相手に合わせて速射対応の武器に持ち替える事になります。

起爆竜弾という地雷が使えるようになり、これは地面に設置し衝撃で爆発させるというものです。敵を誘き寄せて攻撃を誘発したり、自ら衝撃を与えて爆発ダメージを与えたりと活用法は色々とあります、火力も高いですね。

属性弾が従来と同じく(火炎弾以外は)貫通仕様となっているため、やはり属性速射がメインになりますが、会心率をもりもりにして「無属性攻撃強化(1.1倍)」を積むことで、弱点に通常弾速射を撃ち込むという戦い方も可能です、通常弾はパーツを近接特化にして弓ぐらいの距離で戦って火力が出る弾なので、被弾率が上がり使う人は少ないですが、相手によっては属性弾より相性が良いです。

フットワークが軽く、中距離運用で被弾リスクが少ないことから、比較的安全に、かつ火力もそこそこ出しやすい良調整です。FPS、TPSでエイム力が磨かれたプレイヤーにはかなり扱いやすいことでしょう。

ヘビィボウガン…リスクに対して火力不足の駄目調整

ヘビィと言えば最大火力、ヘビィと言えば貫通弾、みたいな風潮がありましたが、今作はまず貫通弾が弱いです。属性弾はライトボウガンに分がありますし、通常弾はどっちで使ってもイマイチ。ヘビィは頑張ってライトボウガンとどっこいです。

装填数の多さや扱える弾の種類の豊富さ、一部のヘビィ専用の弾等で差別化されてはいるのですが、それを加味しても今作のヘビィは…弱い。機動力を犠牲にした分火力が欲しい武器なので、この調整だと多くの場面でライトボウガンを担いだ方が良い、と言う風潮になってしまっています。「普通の使い方」を考えるならヘビィは難しいですね。

ただ「特殊」な運用はアリです。シールドパーツマシマシ、ガード性能付きのヘビィはタンクになり得ますし、貫通弾は一部の大型には有用です。拡散弾乱用のヘビィは別ゲークラスの火力になりますし、散弾運用は格段にライトボウガンより上でしょう(但し、超接近戦)。徹甲榴弾は基本ヘビィの方が装填数が多いのでスタン狙いをする場合もヘビィに分があります。

セッティング次第でガラッと運用方法が変わるのがヘビィの楽しさとなっています。

総評

旧ブログの体験版のレビューで「加点要素は沢山あるけど減点要素も多く、結果的に3歩進んで2歩下がった。また、モンスターハンターとして保守的な部分が中途半端にゲーム性の進化妨げている」と言うようなことを書きましたが、その評価は製品版でも変わりませんでした。劇的な進化はなく、まだまだ改善点も多く、不便さや要素と要素が噛み合っていない部分も散見され、開発期間の短さをなんとなく察してしまうような出来でしたね。開発側のインタビューや生放送も加味してこのゲームを見ると、チラホラと開発がやりたいこととプレイヤーのニーズのすれ違いや、シリーズ物としての伝統と新規要素のバランスの板挟みにあっているのが見えてくるようです。

全体的にしょっぱい評価となってはいますが、十分に完成度は高いゲームだと思います。シリーズを遊び過ぎた私を含めたヘビーなプレイヤーからは辛口な評価は多いようですが、今後を期待できる出来ですし、新規要素は調整不足やチグハグ感あれど、過去作でずっと引きずっていた不便な要素の多くは刷新されましたので、新規や久しぶりに復帰するプレイヤーにとっては感動することも多いでしょう。この豊富な武器種それぞれが1つのゲームとして見ても成り立つアクション性は未だに類を見ません。単純にアクションゲームとしての「操作の楽しさ」は過去作から大きく引き離して快適、かつ楽しくなったように思えます。