やあ☆(ゝω・)vキャピ
何気なしにPS4のライブラリ見ていたらこの名前を見つけて、
「そう言えばなんか評判よさげだったよなぁ…(ゲーム内容は一切知らない)」と思い遊んでみました。
多分、過去のフリープレイで購入だけしていたんだと思います。

ちなみにレビューにはネタバレを含むのですが、このゲームは是非事前知識無しのまっさらな状態で遊んで頂きたいので、
読む人は既に遊んだ人か、これから先絶対に遊ぶことはないだろうという人だけお読みください。

このゲームは、ゲームであることは間違いないんですがちょっとアプローチが特殊です。
普通に遊んで2時間程度で終わりますし、一反木綿みたいなナビゲーターが序盤で出てくるので迷いません。
そもそもちょっとした簡単な謎解きと、申し訳程度のお邪魔虫的な怪物が1種類存在するだけです。
とにかく難易度は低い。

極限までスリム化されたゲームデザイン、美麗なグラフィック、幻想的な音楽、特殊な世界観、これらの調和によって
ビジュアルアートや絵本の世界に飛び込み、その没入感を楽しむようなタイプです。
そして何より「ゲームだからこそ出来る体験」が1つの要素として存在するのですが、それはまた後述。

ゲームをスタートするといきなり砂漠にいるキャラクターの操作をさせられます。
ここでも文字等は一切なく、ビジュアルにより最低限の操作説明を受けるだけです。
そしてなんとなしに「ああ、あそこを目指せばいいのかな?」と遠くの山を見つけ、プレイヤーは自ずとそこに向かうことになります。
目的すらゲーム内でははっきり提示されず、右も左もわからない状態で頭にはてなマークをつけつつ進んでいくのです。

出来ることは「ジャンプ」と「音と共に頭の上に変な記号が出るアクション」のみ。ライフは首に巻いたスカーフのようなもの長さが指し示し、
その布が光っている分だけジャンプができます、道中の同じようなオブジェクトに触れるとジャンプエネルギーが回復します。
「ほわん」と音をだすことでオブジェクトに何らかのアクションが起こり、先に進めたりします。
とにかくHUD的なものも存在しないんですね、余分な情報が画面内に一切存在しない、だからこそ世界に入り込んでしまう。
1~2ステージクリアした辺りでこのゲームの遊び方は理解できます。

砂漠~遺跡~遺跡地下~雪山…と進んでいき、最初に目指した山の頂上に辿り着けばこのゲームはクリアです。
ただ、この過程で得られる感動がとても大きいのです。それが「音のアクション」と「同行者の存在」と関係性。

チュートリアルが終わり1ステージ目が始まると、同じエリアにもう1人キャラクターがいるのがわかります。
それは、ネットワークを通じてランダムに選出された他のプレイヤーが操作する「同行者」です。
同行者と一緒に「あれ、このゲーム何をすればいいの?」みたいな状態から手探りで謎を解き進んでいくのです
(もちろん無視するのも自由なんですが)。
コミュニケーションは殆ど取れません、「ほわん」「ほわん」という音を出してかろうじてやり取りが出来るぐらいでしょうか。

ちなみに、僕はこの同行者システムすら知らなかったので、なんか同じところ進んだら気を悪くするかな、と思い、
わざと別の道から進んだり離れたりして、3ステージ目ぐらいで完全にはぐれてしまいました…が、ラストステージの雪山、
吹雪でなかなか前に進めないエリアにて、先から「ほわん」「ほわん」とこっちに向かって聞こえてくる、
3ステージ目ではぐれた同行者とここで合流できたのです、心細さが救われた瞬間でした。

最初は最低限の意思疎通しかできなかった「音」で色々な会話が出来るようになってきます。
序盤わけがわからない時の「なんだろうこれ?何だと思う?」から、
怪物に攻撃された同行者に「大丈夫?」と声をかけ、吹雪で戻された時の「ここで待っているから落ち着いておいで」、
自分がギミックから落ちてしまい、画面から同行者が消えた時の音は「先に進んだところで待っているね」でした。

最後の猛吹雪ゾーン、憔悴しきった状態でゆっくり歩みを進めます。
お互い「ほわん」「ほわん」と励まし合いながら、でも最終的にはボタンを押してもこの音すら発せられない程憔悴してしまうのです。
この時自然と自分のキャラクターと同行者に「頑張れ!」と心の中で思ってしまうほど、世界にのめり込んでしまうんですね。

そしてイベントの後エンディングとなるわけですが、「同行者」とはここで別れてしまうわけです。
たった2時間前後、音でしかコミュニケーションを取っていない、この世界の誰かでしかないのに、たまらなく悲しくなります。
「削ぎ落とされたゲームデザイン」だからこそ「削ぎ落とされたコミュニケーション」が成立し、
その中でしか生まれない絆みたいなものがあるんですよね。

とても「濃い」2時間を過ごせます。それは映画や小説とも違う、ゲームだから可能にした「体験」なんだな、と。
単純にゲーム性、ビジュアル、音楽、世界観、それだけでも十分素晴らしい。
でもそこに1つ、ここでしか出来ない「体験」が存在することが評価が高い理由なんでしょう。
また、新たな同行者と「次の旅」をしたくなる、そんなゲームです。