【レビュー】アクションRPGとしても最高峰レベル、キャラゲーとしても「これでいいんだよ」満載な名作だったグランブルファンタジーリリンクの話

ゲーム

特になんのイベントもなかったお盆休みが明けまして、最初の週の仕事はやはり疲れますね。来週は誕生日です、39歳おっさんです。

さて、下書きを見返していたら出てきましたこの記事、書いたのはかなり前ですね…なので総評も一番後ろにあります。確かSteamで本作品初セールの時に購入した記憶が。

なんか寝かせておくのも勿体ないですし、本文も一応最後まで書けていたようなので公開します。なにか追記しようかと思ったけど、もう細かく覚えてないのでそのままです。

いいところ

すごく気を遣って原作を意識して作られている

キャラも世界観もまさしくソシャゲのグラブルをそのまま3Dの世界に引っ張り出してきたような雰囲気です。これに関しては原作を長く遊んできている人ほど感動すると思いますし、未プレイでも所謂「王道なJRPG的ファンタジー世界」が好きであればそれが丁寧に表現されていることに喜ぶのではないでしょうか。

キャラが無茶苦茶喋る、いろんなパターンで喋る

そんなところまでボイスあるの?てなるぐらい豊富です。キャラ同士の掛け合いは勿論、例えば初回プレイではストーリー上存在しないキャラクターを加入した状態でストーリーミッションをやり直すと、専用の固有のセリフが存在したりします。この手の込み用は本当に凄い。

超王道な演出とストーリー

変にこねくり回したり奇を衒ったりするものはなく「目的のために冒険し、悪い奴をやっつけるぞ!」を最初から最後まで貫く潔さ。そしてそのためのかっこいい演出目白押しです。

ドラフってやべえな

3Dにしてわかるこのヤバさ、上から見ても下から見ても犯罪級だ!

ハーヴィンってやべえな

3Dにしてわかるこのヤバさ、私は決してロリコンではございません。

エルーンってやべえ…のか?

一応露出度は一番高いから…。

このゲーム限定の新キャラもかなり魅力的

原作にいないオリジナルキャラたちですが、これもまた凄く魅力的です、当然主観は入っています。

マギラフリラ本当に可愛い、スペリオルシンフォニーの最後のキメ顔好き。冷静冷血女幹部キャラに見えて結構俗っぽくて喜怒哀楽はっきりしている感じも好き。

ひたすら快適な操作性とスピード感

「思った通りの方向に動き、思った通りのアクションを好きなタイミングで起こしてくれる」タイプの操作性で、そしてその完成度がべらぼうに高いです。

特徴的なのは「(一部を除き)殆どのタイミングでアクションをキャンセル可能で次の行動に移れる」というもので、攻撃を連打していようがガードボタンを押せば即座にガードするし、回避ボタンを押せば即座に回避します。操作を受け付けないというタイミングが本当に一部の特定のタイミングしか存在しないため、操作する楽しさが段違いです。

ミッション開始と終了演出はスキップできるぞ

毎回見せられると地味にストレス溜まるやつ。

クリア後が本番的なアレ

後述しますがストーリーはそこまで長くありません。ただ、その後に後日談がありますし、何よりモサっとミッションが増えます。システムやコンテンツの面で見ればストーリーはチュートリアルに過ぎないレベルです。

欲を言えばもっと高難易度コンテンツがあっても良かったかなというところ。

あと一歩、改善希望

一応原作未プレイ勢にも配慮されている

各キャラのフェイトエピソードの3番目までは基本的に過去の話ですし、世界観についてはキャラのセリフとかが結構過剰に説明的だったりするため、グラブルのことが全然わからなくても大丈夫なよう配慮はされています。

ただ、やはり知っていた方が楽しいであろうゲームであることは間違いありません。完全新規IPではない分ちょっと購入するハードルは高くなるでしょうね。

もっと沢山キャラを出して欲しい

完成度の高いゲームだからこそ欲張ってしまうこの気持ち。それこそ原作が長寿ソシャゲだからこそ魅力的なキャラクターも多く、是非とも操作してみたい、掛け合いを聞いてみたい、と思うことが多々発生します。

ストーリーは展開が早く、強引

2時間映画か?てぐらいテンポ良く進みますが、反面カタルシスがない場面も。「新しい島に着いたぞ!→え?もうボスの星晶獣ですか?」て感じで進んでいきます、そこまでに色んな障害とかドラマとかないんですかという。引き伸ばしがないという見方をすれば良い面でもあります。

また、冷静に見ればツッコミどころは結構多いです、ご都合主義感は強く、それも含めての王道と考える方がいいでしょうか。

メインストーリー自体は正味20時間程度で昨今のRPGとしては短めですが、消化不良な感じは見受けられません、この長さの中で必要な形で収まっています。

探索要素は薄い

最初に砂漠のフィールドに出た時に「おお、凄い広いぞ!今後はこんな感じのフィールドが待っているのかな?」と思ったらそこだけでした。探索要素は実装の仕方やバランスによってはダルさの方が強く出てしまったりもするのでこれはこれでよかったのかもしれません。

射程=強さ、速度=強さなバランス

アクションってね、大抵こうなってしまうんですよ。だからこのゲームに限った欠点ではないのですが、どうしてもこの2つは強くなりがちです。長射程の攻撃手段を持っている、速度が速く小回りが効く、というキャラはやっぱりtier的には上位になります。

「使いこなせば重量級の方が強くなるんだぜ!」的なロマンは残しておいて欲しいところですね。

悪いところ

縮小マップぐらいつけてくれ

街中やフィールドを移動するときに地味に不便です、何度も通るところは流石に暗記してしまいますが。基本的に東西南北と、その方向に存在するオブジェクトがアイコンで置かれているだけの導線なため、毎回全体マップを出す羽目になります。一応全体マップは透過状態でキャラを動かすこともできるためそこまで不便なわけではありませんが、右上か左上に縮小マップがあったらどれだけ快適だっただろうかと。

セリフが若干説明口調過ぎるか

一般的な会話と考えるとちょっと違和感を覚えるところが多かったです。どうしても原作ありきで世界観が同じ以上こうせざるを得なかったのかなぁとは思いつつも、あまり自然体ではないな、と。

素材周回が虚無すぎる

これは原作ソシャゲの悪いところを継承してしまった点でもあるでしょう。クリア後のコンテンツにはなりますが、装備の強化、アップデートにおいて要求される素材が多すぎて過度な周回を余儀なくされます。

要所要所の演出が飛ばせない

例えばボス戦の変形シーンや大技シーン等ですね、一回はいいんですよ、かっこいいし。でも周回しますからね…。

ターゲットカメラはほとんどの場面において役に立たない

タゲカメ周りの調整って難しいんでしょうね、大体のゲームはこの問題を抱えています。

まずオンにしたところで敵が画面中心に固定されませんし、カメラが少し遅れてぬるっと動くのでゲームスピードに追いつけていません(かといって追いつくレベルで動かれると酔う人も多そうな予感)。

落とし所としてこのぐらいにしかできないんだろうなぁとは思いつつも、役に立たないのなら機能として要らないという烙印を押さざるを得ません。

エフェクト過多で視認性が落ちる場面がいくつか

特に後半の大型ボスの攻撃とか、派手なのは良いんですが範囲が分かりづらかったりタイミングが分かりづらかったりと。エフェクトのレベルをオプションで弄られればなおよかったです。

マルチは人が少ない

これはプレイする時期もプラットフォームも関係する問題ですが、ゲームの完成度と面白さを考えると廃れてしまうのが勿体無いのです、マルチも相応に楽しいのに人がいないことがとても悲しい。発売直後の賑わいは流石に求めませんが、もうちょっと留まっていてくれてもいいぐらい良くできたゲームなのに。

一応エンドコンテンツ付近までいくとマッチングに困らない程度にはなりますが、そこまでのミッションは大抵デイリーのランダムで入ってきたんだろうなぁという人以外は見当たりません。

総評

こんなゲームを待ってました!を地で行く完成度、原作ファンは勿論、遊びがいのあるアクションRPGを求めていればガッツリ刺さる。とにかく動かしていて気持ちいい。

最初の発表からだいぶ年月が経ち、開発元も変わったりと難産だった(と思われる)タイトルですが、いい意味で期待を裏切る内容のものとなっていました。開発が長期化したタイトルはあまり良い結果が出ないことが多い業界なんですけどね…。

理想を言えばグラブルの世界をもっと掘り下げてボリュームが増えた続編を、それが無理でもこのゲームを活かした同レベルのアクション性とシステムを実装した新規IPを、是非とも作っていただきたいと…切に願っております。

本当にね、グラブルというIPも、このレベルのアクションRPGも1作で埋もれさすにはもったいなさ過ぎるんですよ。