最近、自分への誕生日プレゼントという名目で27インチのゲーミングモニタを買いました。144fps凄いですね、ヌルッヌル。30→60fpsほどの感動は無いにしろかなり感動します。視聴距離的に24インチだと若干文字が小さかったのもありますので仕事もより捗ります。
さて、FF14自体は結構前から遊んでいて(ソロぼっち勢)、現在パッチ4がぼちぼち終わりそうで漆黒(パッチ5)が見えてきたかなーというところ。途中までは最前線にいたのですが休止を挟みましたからね…。ストーリーが好きで遊べていますが、何分ソロ野良だとどこか辛いところはゲーム性的にはあります。ドラクエ10を一緒に遊んでいた友人がFCに誘ってくれたのですが、今だと加入しても足を引っ張ること必至なので、とりあえずパッチ5全部終わらせてIL(アイテムレベル)を現行の適性まで上げるのが最低ラインかなぁと…。
さて、そんなところでライトなスタンスでソロでゲームを消化し続けている人間の目線からレビューしていこうと思います。
概要
いつもここでは作品自体の歴史を軽く流していますが、FF(ファイナルファンタジー)を最初から見ていくと長くなってしまいますのでFF14に絞って書いていきますね。
FF14はスクウェア・エニックスが運営しているMMORPGで、前身のMMOはFF11に当たります、といってもFF11もまだ稼働していますけどね。最初にサービスが開始した時のFF14はあまりにも出来が酷く、また一部テキストに中国漢字が混ざったままになっていたりしてユーザーからも「これ開発を中国に丸投げしてまるでテストしてないだろ」と見透かされてしまう始末、今では旧FF14を「根性版」と呼ばれることも。結局閉じて、吉田直樹さんを筆頭に新しいチームで開発し直したものが現在のFF14に当たります。
吉田さん本人もおしゃっていることですが、もろWoW(ワールドオブウォークラフト)を参考にした造りで、悪い言葉を使うとパクリと言っていいぐらいプレイフィールが近いゲームです。ただついこの前、ユーザー数比較でついに不動のWoWを抜き、このFF14が世界で1番のMMORPGとなりました。まぁBlizzard社で問題が起きたり、有名なWoWプレイヤーがファン層に移住を促したりした活動があったので一時的かもしれませんが。それでもWoWクローンのゲームは本当に数多く生まれていますから、その中でも抜群にクオリティが高かったという証左でもあるでしょう。
特徴としては「古き良きファイナルファンタジーの世界設定とストーリー」「気軽に辞めれて気軽に復帰できるMMO」「ライト勢もガチ勢もそれぞれに合ったコンテンツが用意されている」というところでしょうか。また、これもまた吉田さん自身がおっしゃっていることですが、他ゲームで気に入ったコンテンツがあれば後追いで実装しているようなゲームなので、色々なMMOを触ってきていると殆どが二番煎じに感じてしまうかもしれません(勿論FF14のコンテンツとしてちゃんとアレンジされているけれども)。「あ、これ○○で見たやつだ」が結構散見するゲームでもあります。
良いところ
FF「らしさ」全開の世界設定とストーリー
「らしさ」て何?と聞かれたら答えるのが難しいのがこのシリーズです、なにせ初代と最新作の15では同じシリーズとは思えないほど様変わりしていますから。ただ、やはりシリーズ黄金期を経験してきたユーザーからすればFF1~6(ファミコンからスーパーファミコンまでの作品)、人によっては9あたりまでそこに入ってきたりする感じでしょうか、坂口博信さんが世界観を作っていた時代、ですかねぇ。実際その辺りのプレイ経験者が喜ぶような要素が盛りだくさんなのです。
ゲーム系の中世ファンタジーにSFやサイバーパンクチックな要素が散りばめられていて、クリスタルと幻獣(FF14だと蛮神だけど)が物語の中心にある…そんな感じの設定が「らしさ」かなと。
世代的な部分もありますが、周りの友人はFF13やFF15に対して「別に面白いけどなんか違うんだよね」という反応が多かったので、そういった感想を持ってしまった人ほどFF14は「うん、これで良いんだよ」て言う可能性が高い気がします。
ああ、ただ各国との政治的な絡みの話とかも出てきますし、FF12が好きな人も合うかな、うん。
キャラメイクは細かく弄れないが整っている
日本人にとってWoWと比較して勧めやすいところの1つでもあるのがこれ。WoWはね…別に悪くはないとは思いますが…うーん個性的…。ただ、オークがすごいかっこいいよ(性格的に)、薄い本とかにオークのイメージが固定されている人には是非WoWのオークを知ってほしい。
で、その他キャラメイクが充実しているゲームと比較するとカスタマイズ幅が狭く、所謂パーツ組み合わせで作るタイプなのでちょっと寂しい感じもしますが、それでも各種族「無難にかっこいいし可愛いし綺麗」というのが作りやすいです。
くっそ優秀なUI / UX
色んなオンラインゲームプレイしてきていますけどトップクラスですよ、むちゃくちゃ良い。キーボード&マウスを使った王道スタイルならよくあるMMORPGと同じ感覚で操作できる他、カスタマイズ幅の広さやマクロの使いやすさも随一ですし、コントローラーを繋いで(あるいはコンシューマー機で)パッドプレイをする場合でもクロスホットバーによってボタンの少なさをカバー。流石に突き詰めるとマウス&キーボードの操作性には敵わないと私は思っていますが、コントローラーを使って操作するMMORPGとしては他の追随を許さない圧倒的な快適性です。
懐かしい音楽に新しい音楽
昔のFFを遊んできた人ほど心を鷲掴みにされる音楽です、基本昔の名曲がアレンジされて使われていますからね。総数で言えばやっぱFF14のオリジナル曲が多いですが、時折旧曲が流れると心が踊ります。
懐かしさを感じるコンテンツと固有名詞
過去作を遊んでいた人からすると「そりゃ反則だぜ(褒め言葉)」て言いたくなるような演出、イベント、ロケーションが多いのです。ビッグブリッジの死闘をバックにギルガメッシュ討滅戦とか、(ムービーだけど)神龍VSオメガとか、モンスターデザインやそれぞれが使う技がFF5の時まんまなんですよ、凄く嬉しかった。
あとFF3やっているとクリスタルタワーとかエウレカとか、闇の戦士と光の氾濫の話なんかはニヤニヤしてしまう部分だったりしますよね。
ムービーは全部リアルタイムレンダリング
プリレンダムービーはありません(確か)。おかげで自身のキャラクターの装備が反映されます。地味なことですが非常に嬉しいことです。
登場NPCが魅力的
敵も味方も本当に魅力的です。ストーリーに絡んでくる主要キャラ以外の味方モブとかも、進行に合わせてかなり細かくセリフも変わりますし愛着が湧いてきます。あと、メインクエストの道中とかで絡んだちょっとしたNPCが、ずっと後のクエストで再登場して目立っていたり、とかいう演出もあってなかなか憎い。
敵方も本当にプレイヤーに殺意が湧くようなキャラをしていて、しかもただ悪役なだけじゃなくてFF14の物語の根幹を背負っているからなお良い。特にパッチ4系はキャラもストーリーも好き嫌いが分かれるでしょうが、それがまたシナリオの狙いなのでしょう。
そしてオルシュファン卿、本当に、本当に凄くかっこよくて大好きだった。
賛否両論
基本はやっぱWoW
システムベースはほぼWoWです。未プレイユーザー向けに説明するなら、FF4~6のアクティブタイムバトルみたいな「一定時間後に自分のターンが回ってくる」系のターン制で、かつスキルや魔法はクールタイムで管理するシステムです。一応それプラスTP(スタミナ)の概念は元々あったのですが、何時頃だかのアップデートで無くなりましたね。
また、ゲームの進め方もやはりWoWです。GuildWarsのレビューの時に少し書きましたが、WoWは間違いなく素晴らしいMMORPGの先駆者であり、非常に優れたシステムを数多く持っているのですが完璧なわけでは有りません。基本ゲーム進行がお使いチックになってしまうのと、タスク(クエスト)中心なので能動的に世界を歩こうとしない限りフィールドがお飾りになってしまうようなところ、それからインスタンスダンジョンが主なコンテンツになるためフィールドの価値が下がってしまうところ、その時のエンドコンテンツがメインのゲームになり、そこに人が集中するため、それまでのコンテンツにはテコ入れが入り、追いつくまでただ駆け足で進むだけになるところ、です。
GuildWarsをレビューにて「世界が生きている」と評しましたが、それこそ真逆で、世界はコンテンツが置かれている土台でしかありません。勿論ロケーションが素敵なところや見ていて楽しい風景、フィールドで進行させるサブコンテンツ等もありますが、オープンワールド系のゲームを気ままに旅しながら道すがらのクエストを受けるのが好きな人だと窮屈さを感じてしまうゲームデザインだと思います。
ストーリーこそハマってしまえばそれをモチベーションに進められますし、様々なサブコンテンツもあるのですが、基本「オンラインゲームは自身の分身として自由に遊べるのが一番だろ!」て考える人は合わないゲームでしょう。そういう人はGuildWars(あるいはウルティマ系のMMO)やって、どうぞ。アイテム掘りメインが好きならDiabloへ、どうぞ。
どうしても予習ゲーの側面はある
よく「大縄跳び」とか揶揄される本作、実際高難易度コンテンツになると最初から、一挙手一投足に気を配り、各操作を行うタイミングや順番を守り、かつそれをPTメンバー全員が出来ていないとクリアできない、みたいな世界になります。高難易度じゃなければ別にそこまでガチガチではないです。特に旧コンテンツは野良でも慣れているユーザーが混ざりますし、みんなILも高いので、多少グダっても問題ないぐらいには余裕があります。
ただ「せっかくだし最初は完全初見で…」というのはものによってはちょっと厳しいかもです。アルテマウェポンのIDで魔導アーマー認証を忘れて置いてきぼり食らった若葉ちゃん、たくさんいるでしょ?(私がそう)。タイタン戦で落ちて死亡→そのまま放置される、てなってしまった若葉ちゃん、いるでしょ?(私がそう)。
あとIDでエレベーターとかみんなが揃ってから起動するようなギミックで、殆どの人は待ってくれるのですが一部せっかちさんは若葉ちゃんとか気にせずガンガン進んで先行組だけ乗っけて起動して進めてしまったりします。一応私はそういうときは「待ってあげて」てチャット打ちますし、それでも止まらないときはボッチにしてしまうのも可愛そうなので合流して一緒に進みますが…。
これ、アクションゲームじゃないからね!
見た目自由に動ける3Dだからこそ、かもしれませんが、上手くなればテクニックで全部攻撃回避できるぜ!的なゲームではありません。特に黒い砂漠とかTERAとかそういうMMOから来ると違和感を覚えるかもしれません。
サブコンテンツも含めればやることは山程あるが…
グランドカンパニーの階級上げ、クラフト、ギャザリング、ハウジング、xx手帳埋め…等々、本当にやること自体は山程あります、ありますがじゃあ全てが遊んでいるときにずっと面白いのかと言われると…。
あとこういった要素も結局ストーリー進行に合わせて解禁されていくことになるため、メインクエをすすめるのが必須なわけです。
悪いところ
ロール制故の責任の比重の違いは初心者にはわからない
最近友人が始めたのですが、とりあえず私は「ヒーラーとタンクはやめておけ」と言っています。その人が元々オンラインゲーム経験者だったり、ロール制のゲームに適正があるのなら気にしないですが、全くの初心者がこの2つに手を出すのは酷だからです。
とにかくダメージを出すのが仕事なDPSと違って、ミスがそのままパーティ全滅に繋がる可能性があるヒーラーとタンクは責任の比重が重いです。それでもちゃんとチャットで「初見です」「初心者です」てことを伝えて、若葉ちゃんマークがついていれば大抵のプレイヤーは優しくしてくれるので、あえて若葉ちゃん時代にそういうロールに慣れる、というのも有りかもしれませんが。
他の知らないプレイヤーが一緒に遊ぶからこそ、最初にヒーラーやタンクを選ぶ→自分のミスで失敗する→みんなの迷惑になってしまう、というのが耐えきれなくなって辞めてしまう人とか出てしまいそうなんですよね…。最初から身内と一緒に遊べているなら別でしょうけど。
難易度が上がってくるとDPSも「ダメージを出す」という仕事のために色々やるべきことが増えて大変にはなりますが、それでもヒーラー、タンクに比べれば(序盤は特に)気軽でしょう。
メインクエストはムービー7割、お使い2割、バトル1割
そして一本道。レベルは勝手に上がっていきますし、装備はクエスト報酬で(しばらくの間は)問題ないですし、イベントバトルもIDも討滅戦ほぼ負けることはない消化試合なので、そういった思考停止で遊べる最序盤が本当に辛い、ストーリーもまだ面白くないんですよ。一介の冒険者が「光の戦士」として英雄となっていく話なため、無名時代はどうしても規模の小さいお使いばかりなのです、まぁその時は新しいマップに感動したりいろいろな操作を覚えたりって期間でもありますが。
エオルゼア各国に干渉でき、帝国との絡みが増えてくる2.0後半からぐいぐい来るので、その辺りから先が気になってどんどん進めたくなってきてしまうかなと思います。パッチ3系の「蒼天のイシュガルド」はむちゃくちゃストーリー面白いので頑張ってそこまで進めてください。
お使いクエに関してはパッチ2系は改修が入ってだいぶ楽になった(一部無くなった)と聞きます。んでパッチ4系から時間稼ぎにしかなっていないようなお使いはそれなりに減った印象があるので…パッチ3系が一番しんどいかもですね。
ソロプレイは適正がないと無理
ここで言う適正はプレイヤー本人の「性格」です。ゲーム内でコミュニケーションをとって仲間を見つけることも出来なくはないでしょうけど、野良での交流に活気があるわけではなく、能動的にコミュニティに参加していかないと厳しいと思います。マッチング自体は野良でもオートでできるので困りませんが、そこでマッチングした人と仲良くなれるかも?とか期待してはいけません。
私は最初の頃や、新しいマップが解禁されると無意味に歩きまわってロケーションを楽しんだりしていました。難しいコンテンツにトライ&エラーで挑むことや、性能としての装備、見た目としての装備で色々と組むのも好きです。クラス毎に役割が分かれていて、それぞれの立ち回りや使い方を覚えるのも苦ではないですし、加えてストーリーが気になるのでソロでも続けられています。でも、やっぱ途中でモチベが落ちて休止もしていたわけです。
自分のやること、やりたいことを能動的に見つけていかないと、どうしてもソロでは限界を感じる部分が出てくるでしょう。
総評
世界観、ストーリー、音楽は黄金期のファイナルファンタジーを総集編のような決定版。ゲーム性はWoWなのでそこに馴染めるかどうか。UI/UXはPCでもCSでも最高峰レベルの良さ。人は多いがゲーム内で交流が生まれる可能性は低く、一緒に遊ぶ人がいるかどうかで面白さもだいぶ違う。
すごくうがった見方をするとオリジナリティがほとんど「ファイナルファンタジー」というだけなゲームではあり、そしてそれが重要なメリットでもあります。 一言で言ってしまえば「良い部分も悪い部分もWoW」で完結するので…。コンテンツそのものに目新しさはありません。ただそれは他の古典含めたMMOに触れているかどうかの違いなだけで、このゲームが初めてのMMO、なんて人も沢山いるでしょうし、そういった場合は全てが新鮮なはずです。
WoWクローン最高峰の完成度を誇るゲームが日本語で遊べること、そして何よりファイナルファンタジーであること。運営の信用も随一ですし、要望が日本語で届けられるというのも大きな安心感があります。
UI/UXは本当に素晴らしい、パッドでもマウス&キーボードでも問題なく、ストレスも感じません。ゲームのジャンル上どうしても情報量が多くごちゃごちゃはしますけれど、それでもかなりわかりやすく配慮してくれています、この点は本当に唯一無二。
ストーリー追いながら適当にコンテンツに参加していくだけならソロプレイでもオーケー、その他色々な高難易度系に挑んでいきたいのであればどこかでいずれ限界を感じると思います。FF14というゲームをできるだけしゃぶっていきたいのなら何かしらコミュニティに属する努力はしたほうが良いでしょうね。