【レビュー】発想の勝利、小さくなって虫を相手に生存競争をするGrounded 2の話(EA)

ゲーム

最近新しいアンプを買いました。「Kemperあるのに!?」て周りみんなから言われましたが、かなり魅力的な機種だったので…。ただ、Kemperならそれ1つで何でもできたのに、足元も色々買い足してエフェクターボード組み直さなければいけないし、それをした上で便利さはKemperの方が上だったりするので、やっぱ現場用としては凄く有用なことを改めて実感しました。

さてこのゲーム、タイトルから分かる通り2作目で、本来1作目からレビューしたほうが良かったかもしれません。ただまぁやっぱり色々と進化しているし、今後アップデートされていくことを考えても2を取り上げた方が良いかなと思いまして。開発は安定して良クオリティのゲームを排出し続けているOBSIDIAN。

似たようなコンセプトのゲームにsmallandがありますが、プレイフィールはだいぶ違います。あちらはArkっぽいですかね。

ちなみにEA(アーリーアクセス)なのでまだまだコンテンツが少ないです。とはいえ、実装されているところまで遊び尽くすなら30~50時間ぐらいは必要なんじゃないでしょうか。バグも結構な頻度で発生するのでそのあたりは事前に理解して遊びましょう。

総評

サバクラとしては特筆するようなところはあまりないが、要所要所に優れたシステムがありゲームバランスも良好、何より「小さくなって公園を冒険する」というミクロキッズを思い出させるような世界観と設定が素晴らしい。

子供の時の妄想といいましょうか、小さくなってそこら辺を冒険したら違う世界が見えるだろうな、という絶妙な好奇心を満たしてくれるゲームです。勿論ゲームとしての脚色は大いにあるのですが、カタツムリの殻ってやっぱ自然界じゃ役に立っているんだなとか、アブラムシやブヨが思いの外可愛かったり、進路を遮るたんぽぽの茎に殺意が湧いたり、一滴の水が生死を分けたり、日常に近いファンタジーだからこそ得られる栄養があると感じました。

ある程度デフォルメされてはいるものの、虫嫌いの場合は注意です、そしてゴキブリはやっぱ気持ち悪いです。こいつが中立でかつ弱点が無いというのが妙にリアル。頭が取れても動き回り、首に空いた穴から酸を噴出してくるぞ、まじで気持ち悪い。

また、ソロで遊ぶ場合は難易度の高さもある程度考慮しておくべきでしょう。序盤はきっちり攻撃パターンを見極め、ガード、回避をし、弱点を突くということをしていかないと一回一回の戦闘がかなりしんどいです。その難しさがまた「虫の強さ」を実感させてくれて面白いんですけどね。ゲームに慣れていない頃にクモに会ってしまって必死に逃げる体験をぜひ皆さんにもして欲しい。

いいところ

ありそうでなかった世界観

こういった「誰もがしたことがあるような妄想を疑似体験させてくれる世界観」、絶妙です。クーラーボックスが寒冷地扱いだったり、焚き火跡が火山エリアみたいな扱いになっていたり、落ちているオブジェクトもおもちゃの銃、テニスボール、潰れた缶ジュース等、身近な世界を新鮮に感じるように作られていて探索しているだけで面白いですね。

ちゃんとストーリーもあるぞ

前作の続きではあるのですが、そもそも「なぜ小さくなってしまったのか」を追いかける感じでストーリーが進むので気になる人は気になるでしょう。ただEAなのでまだ解決しません。

やや難しめの戦闘難易度

全体的に虫が強く、装備を整えて相手のパターンを見極めないとあっという間にやられます。COOP推奨ゲーなのである程度マルチで遊ぶ前提になっていそう。とはいえ1作目からずっとソロで遊んでいて、難易度ノーマルでも遊べているので問題ないですよ。

カメムシにはガスマスクが必要だったり、サソリは打撃に弱くお腹の辺りが弱点だったり、そしてそれらの情報はカメラで撮影するとゲーム内で参照できるので、虫毎に安定した攻略法を見つけ出すのが面白いです。

オムニツールは超便利

木を切るにはオノ、土を掘るにはシャベル、石を砕くにはハンマー…そしてそれらがアクションバーを圧迫していく。

このゲームではそれらは全てオムニツールに集約され、アイテムとしてもインベントリ枠を取らないので持ち変える手間がありません。勿論オムニツール自体にもレベルがあり、レベルが上がることでより上位の素材を得ることができるようになります。

探索欲を刺激する適度な制限

初期状態ではインベントリ内でスタックできるアイテムの数が貧弱で、あまり多くのものを持ち運べません。これらは探索することで手に入る「メガミルクモーラー」というものを集めることで上限がアップします。

また、プレイヤー自体のスタミナやHPの上限をアップするものとして「ミルクモーラー」もあり、これも非常に重要なので、とにかく探索する理由が生まれます。

レア装備、アクセサリなんかもある

オブジェクト破壊や虫撃破でランダムで手に入るものや、探索で見つけるもの等あります。武器系は主に後者で見つけるのですが、どれもかなり強いのでぜひ見つけたいところ。

ミューテーションでプレイヤーも強くなる

所謂成長要素に当たるところですが、レベル的なものではなく「取った行動に応じた能力が身につく」というタイプです。弓矢ばかり使っていたらそれに関連する能力が取得できる、てやつですね。

ガード時のスタミナ消費を抑えたり、打撃で相手を気絶させやすくなったりと、基本後半はミューテーションがないと戦闘が辛くなるぐらいには恩恵が大きいです。

また、この能力は上限を拡張しても有効にできる数に制限があるため、全てにおいて万能にはなれません。ただいつでも付け替え可能なので気楽なもんです。

虫に乗れる

「バギー」と呼ばれる乗り物があり、これが非常に便利。プレイヤーとは別にインベントリ枠を持っていてアイテムを多く持ち運べるのは勿論、移動速度も早く戦闘にも参加してくれる。このゲームは基本バギーと行動を共にしている時間が殆どになります。

現状だとアリとクモしかいないかな、懐いてくれて可愛いぞ。テントウムシくっそ可愛いのでバギー化してほしいですね。蝶に乗って空も飛びたい(smallandだと逆にこういうことできますね)。

勝手に争え

虫同士でもダメージ判定があるので上手く誘導してやると戦闘をおっぱじめます。一部エリアではデフォでアリとゴキブリが争っていて、そこに通りかかったテントウムシやコガネグモが参戦し超カオスになることもありました。そして漁夫の利うまい。

序盤はまず勝てないコモリグモのところに近場にいたテントウムシを複数匹誘導して素材ゲット→強い防具を作ったときは脳汁出ましたね。

素材サーチ

多少進むとマップ上から素材をサーチできる機能が解禁されます。特定の素材は特定の場所にいかないと手に入らないので、どこに自生しているか確認する意味でも重要です。あと虫の生息域や行動にもパターンがあるため、位置を把握するためにも活用すると良いと思います。

ミツバチとか空を飛んでいる虫は、ほぼ降りて休んでいるときぐらいしか攻撃できないので、どこで休むかをサーチして覚えておきましょう。

自由度が高く、操作性も良好な建築

オブジェクトを作って配置する、というものではなく設計図を配置したい場所に設置すると半透明のアウトラインが見えるようになり、そこに対して持っている素材を使って「ビルド」をすると実際に作られる仕組みです。まだ手元に素材がない状態でも完成イメージを構築しやすく、置いたものに対してスナップしてくれるので建築はかなり操作性が良いですね。

また、カーブした壁や1/2、1/4サイズのオブジェクトもあるため、センスさえあればかなり特殊な形状の建築も可能です。

基本置いたオブジェクトは自由に移動が可能ですし、移動できない「壁や床」系もリサイクルすることで素材が返ってくるので、建築やハウジングはかなり気軽に試せます。

もう一歩、改善希望

プレイヤーキャラが固定

前作の続きということもあると思いますが、4人の子どもから一人選ぶことになります。やっぱね、キャラクリエイト欲しいよね。ストーリーがある以上しょうがないか。

全体的な視認性の悪さ

とにかく草が多い!いや、しょうがないことだとは思いますし、それが前提のゲームだとは思いますが…。

普通の草はバギーに乗っていれば当たり判定が無くなるのでぐいぐい進めるのですが、たんぽぽやアザミにはよく引っかかるので結構な殺意が芽生えます。

探索がまじで探索

ミルクモーラー系は勿論、最初のうちなんかは水一滴探すのも結構大変ですよ。ゲームの作法に慣れてくると「喉乾いたら出先で適当に探せばいいか」ぐらいまで簡単に見つけられるようになりますけど。

建築に時間がかかる

このゲームは一部素材はインベントリに入らず手持ちで運ぶスタイルになっており、これらが基本的に建築素材になります。プレイヤーかバギーが持つことになり、ストックするには専用の置き場を設置する必要があるのですが、一箇所に保管できる数が少なく、要求数と全然噛み合いません。茎とか大量に使うのに集めるのが大変すぎる。

今は草の板と茎ぐらいですかね、今後この扱いの素材は増えるんでしょうか、せめてストック上限が今の倍ぐらい欲しいところです。

定期的に起こる襲撃

序盤のチュートリアルを抜けると、とある人物が定期的に虫を操って襲撃してきます。一気に5匹とか送り込んでくるので基本的に拠点で迎え撃つことになるのですが、襲撃が近くなると寝ることもできず無駄な待ち時間が発生するし、探索中に起こるとうざくてしょうがないしで地味なストレス要素です。

一方で、対策さえちゃんとしていればあっという間に片付くし、強い虫の素材も手に入ったりで美味しい面もあります。襲撃自体には予告があるため、迎え撃つ準備が十分できるところは優しいですね。

悪いところ

世界観の根幹なので無理な人には無理、ということで。

寒さと暑さ

一応装備とミューテーションで対策はできるものの、セットで揃えても完全防御にはならないんですよね。それはそれでゲーム性だとは思うのですが、そのダメージや状態異常が重くてだるいです。寒さに関してはとにかく動きが遅くなって探索が億劫になるし、暑さに関しては対策していようがやばい場所はゴリゴリHPが削られる。別途専用スムージーを作って対策をしなければいけないぐらいには面倒。

敵のバリエーションの少なさ

まぁEAなので…。

探索エリアの狭さ

まぁEAなので…(2回目)。

建築物のバリエーションの少なさ

まぁEAなので…(3回目)。

バグの多さ

まぁEAなので…(4回目)。

よく起こるのは

  • 水滴が空中に浮いたままになる
  • 虫が色々なところでスタックしている(オブジェクトにめり込んでたり草に引っかかっていたり)
  • バギーのジャンプ力が突然驚異的になる
  • 床オブジェクト系を置いてあると寝起き時に埋まる
  • メニューUIでショートカットキーが反応しなくなる
  • 落ちたアイテムが虚空に飲まれる

初期のキーマッピング

変えれば済む話ではありますが、バギーの乗り降りとオムニツールで各オブジェクトにアクションを起こすキーが同じなため、「草やどんぐりに対してオムニツールを使う→使っている最中にバギーが近寄ってくる→作業が中断される」という状況がかなり頻発します。

オブジェクトを破壊するとアイテムが飛び散る

わかりやすいのが粘土とかキャンディとかでしょうか。拾える状態にするために破壊をするのですが、弾け飛んでどっかいくんですよ。わざわざ追いかけるのがストレスになります。これに関しては1作目の方がまとまって落ちてくれて楽でした。

オートメーションはできません

定期的に消費する素材を拠点で生産→加工できるように自動化する…みたいなことはできません。今後できるようになるかもしれませんが。現時点では足りなくなったら都度取りに行くようなスタイルです。ブルーベリーとかリンゴンベリー、ミルクウィードあたりは枯渇しがちでめんどくさいですね。回復アイテムを量産しているとガムのかけらやカタツムリの粘液あたりも。

一応生産施設としてのプランターはあるのですが、生産できるものがかなり少なく取れる量も頼りなさすぎる。

生き残るためのTIPS

結構序盤が難しめのサバクラなので以下にまとめました。

水の確保を最優先に

朝露を啜るのが基本になるため、6時に目が覚めたらまず上を見上げて近場を探索しましょう。そこら辺の草についている水滴を発見できる(と思われる)ので、殴ってやれば落ちてきます。日中になると水滴が消え確保が難しくなるので朝の早い時間に済ませましょう。最悪泥水を啜れますがおすすめはしない。

ジュースの水滴が取れる場所とかもサーチして覚えておくと良いです、定期的に発生しています。

水筒とか貯水桶とか作れるようになればとりあえずは安定するでしょう。朝露が取れる設備が作れるようになれば完全に安泰。ウォーターサーバがあるレンジャー施設を覚えておく&その付近に拠点を構えるのも手です。

飯はまぁそこら辺にきのこも生えているし、アブラムシ、ゾウムシ、幼虫もいるのでまず足りなくなることはないでしょう。

まず盾を作れ

ガード、ジャストガードが強いゲームです。装備が育って、かつ戦い方に慣れるまではとにかく盾を構える、これ鉄則。

上のティアの装備が作れるようになったらすぐ乗り換える

特に武器。複数武器種があるゲームなので「上のティアの鈍器レシピが開放されたけどメインは剣だしなぁ」とか躊躇するかもしれませんが、そこは割り切った方がいいです。戦闘がかなり楽になる、というかティア上げないと強い虫が倒せない=新しい他の装備も解禁されない、という状態になってしまうので、とにかくまめに装備を更新したほうがいいでしょう。

防具に関してはプレイスキルと相談ですが、割と強化だけでも耐えられるようになることが多いのでそっちで凌いでも良いと思います。

というか全武器使え

カメムシとか近接で殴ろうとか思っちゃいけない(ガスマスクが作れて、かつこちらが強くなればゴリ押しできるけど)、やり投げを鍛えたり弓矢を作ったりして遠隔で倒せるようにしたほうが楽ですし、そもそも虫毎に弱点があるので使い分けが一番です。

できたら蚊のレイピアを早めに

蚊自体がちょっと慣れないとめんどくさい相手なのですが、こいつから作れるレイピアがHP吸収能力を持っていて恐ろしく優秀です。強化すればかなり長い期間活躍するのでできるだけ早めに作っておきたい。

序盤に中立虫を殴らない

そこら辺歩いているテントウムシですが、殴ってもまず勝てません。ゴキブリもタフで弱点もないし、ミツバチも攻撃力が高い。中立に手を出すのはその素材を要求され始めて、かつちゃんと装備が整っている状態を作ってからにしましょう。

襲撃にはどんぐりタレット

超火力で劇的に楽になるので絶対作りましょう。こちらが育っていなくても容赦なく蝶、テントウムシといった手強い相手も出てくるので生身で応戦しないほうがいいです。

クローバーは常に持ち歩く

探索中気になるところを見つけたらマーキングをするのが良いですが、その旗を作る素材の一つにクローバーがあります。基本水辺にしか自生しておらず、現地調達がしづらいエリアもあるので常にカバンに入れておくと良いと思います。それ以外の素材は現地ですぐ取れるものしか無いので大丈夫。

タンポポも常に持ち歩く

高所からの落下を防ぐためにも。運良く恒久的に使えるアクセサリが手に入っていたらしめたもの。

夜は寝る

とにかく暗いし危険なので強くなるまでは大人しく寝ましょう。

逃げる、とにかく逃げる

安全な範囲だけで活動していても素材が揃いません。ある程度遠征は必要なのですが、そのタイミングでは勝てない虫も出てきます。自分が強くなってから活動範囲を広げよう、てスタイルだと辛いレベルデザインなのです。バギーが手に入ったら探索しまくって、やばい虫からはとにかく逃げましょう。

ミルクモーラーはスタミナ優先

どのパラメータを育てるか悩むポイントですが、最初はスタミナ上限を上げておいたほうが良いと思います。初期値だとガードしててもすぐ切れるし、連続攻撃もちょっとしかできない。