雨の日になると車の交通量が増えるのがずっと不思議でした。というのも、普通に企業に属しているなら天候によって出勤手段を変えてもいいところなんてそんなにないと思うのです。せいぜい自転車の人が公共交通機関を使ったりするぐらいでしょうか。車ともなると会社の駐車場のスペースの関係もありますし「今日雨だから車で通勤しよー!」なんて大抵許可降りないですよね。
で、そんな話を少し前に父親にしたところ、即答で「そりゃ送り迎えが増えるからだよ」と返されました。…ちょっと考えれば当たり前のことですね。まさしく妻も子供もいない、独り身の視点であったと反省したところです。
さて、ディスガイアRPGのPC版がDMMにて8月25日に配信されました、私の誕生日です。このゲームは一度スマホで配信されるも速攻で緊急メンテ→サービス開始できるレベルじゃなかったので作り直します、ということをやらかし非常に難産だったのですが、割と今の状態ではちゃんと遊べるゲームとなっています。
概要
元々はCSで展開(後にSteamも配信)され、所謂「ひたすらやり込むタイプのSRPG」として割と知名度もあるかと思います。とにかくキャラを育てて鍛えまくる、というのに特化していて数値もどんどんインフレしていくのでそういうのが好きな人はハマるでしょう、高難易度のボス等もおり、倒すには相応に時間はかかりますが、それよりもお気に入りキャラをちょっとずつ強くしてニンマリする、みたいな、ある種現在ある盆栽系ソシャゲの先駆けみたいな印象を受けます。
どの作品もキャラが立っており、基本コメディタッチのストーリーですが、その中に感動や熱血要素をぶっ込んできていて、漫才を見ていたらいつの間にか先が気になってくる、みたいな感じでそこそこ評価も得ています。
元々はSRPGですがソシャゲ化にあたって普通のRPGになっています。また、キャラもオリジナルはそこそこいるものの、ストーリーも含めて基本はシリーズキャラクターがオールスターで出現し、そちらにスポットが当たることが多いです。
良いところ
SRPGでないことを除けば殆ど源流と同じ感覚
まぁ元々ひたすらキャラを強化していくゲームですし…。数多のソシャゲが基本そのスタイルである以上、このゲームはソシャゲになっても遊んでいるときの感覚がほぼ変わらないのも当然のことかと思います。
ディスガイアに必要な要素はある程度揃っている
元々あった暗黒議会やらアイテム界やらという要素は入っています、それでも全てではないですけどね。キャラ界とかは後々実装予定とかあるのでしょうか?ソシャゲである以上難しそうですが。なにげに定評のある音楽もきっちり使ってくれていて嬉しい限り。
またキャラゲーでもあるので、オールスター的にシリーズキャラが出張って来てくれているのは非常に嬉しいですよね。
根本的なゲーム性「は」ソシャゲと相性が良い
ソシャゲって結局育成に殆どの時間を吸われるので、元々そういうゲーム性だったディスガイアは相性が良いです。また、更新によってより高難易度なボスが追加される辺りも生かされていますね、鍛えたところでそのキャラで挑む相手がいなくなるとモチベが下がりますから。
他人と競い合う要素やギルドみたいなものはない
完全に一人で遊ぶものです、他人が関わるのはクエスト時の助っ人とお互いイワシを贈り合うぐらい。なので自分のペースで遊べます。
無償ガチャ石は結構溜まりやすい
ステージクリアやログインボーナス等は勿論ですが、キャンペーンとかイベントに合わせて配布してくる量がそこそこ多いので、結構早いペースで溜まる印象です。
スタミナ回復手段が多い
スタミナ回復薬が割とお手頃価格(無償ガチャ石)で買えますし、イベント中はイベントポイントで毎日交換も可能です。また、デイリーミッションクリアとフレンドからの贈り物(イワシ)でも回復できますから、結構沢山遊べます。流石にグラブルほどばら撒いてはいないですが、あっちはその分周回数も消費量もえげつないので。
被ダメージ、戦闘不能、全滅によってご褒美がある
魔界病院でそれぞれ一定数に達すると報酬が貰えます、お金、ガチャ石もそうですが、特に序盤はショップで買えるものよりここで貰える装備がなかなか優秀ですよ。やられることにメリットがある、というのは小さなことですがプレイヤーとしては嬉しいことではないでしょうか(ただ戦闘不能や全滅回数が記録されるのは個人的に嫌いです)。
ゲートの鍵も割と有情
昨今のソシャゲはデイリークエストみたいなやつが当たり前のようにあって、1日に行ける回数が限定されているかわりにお金や経験値ががっぽり貰える、というふうになっています。例にもれずこのゲームにも「ゲート」というものがあり、各素材、各難易度に応じて1日3回までとはなっているのですが、鍵を使うことで回数を上乗せできます。
で、他ゲーだとこの回数アップが完全に課金限定だったり、かなりきついアイテムを要求されたり、そもそも上限増やせない、というものが多いのですが、このゲームだとゲートの鍵が割と手に入りやすいです。
メインストーリーは十分なクオリティ
元々低予算紙芝居ゲーでもあったのでソシャゲでも違和感がないというか、キャラもオリジナルはいますが基本シリーズキャラオールスターな感じで出てくるのでそっちの方が印象強いですし、特にソシャゲ展開だから手を抜いているとかそういうことはなく違和感なく楽しめます。
源流のストーリーが追える
現在だと初代となぜか5のストーリーが追えるようになっています、勿論戦闘を挟むのである程度キャラを育てながらでないと最後まで到達できませんが。前述の通りオールスターなゲームなので出典元のストーリーがわかる、というのは非常に大きなアドバンテージです。ただ、初代はわかるのですがなぜいきなり5に飛んでいるのでしょうか…。
イベント報酬がかなり美味しい
どのソシャゲもイベントでの報酬ってのは旨味が多いものですが、このゲームは特にその傾向が強いように思えますね。しかも割と低ポイント交換でも良いものがあったりしますから、始めて間もないプレイヤーも可能な限りイベント回すがよろし。
賛否両論
SRPGではなくRPGになった
これは本当に個人的な感想ではあるのですが、FEとかXCOMとかのバランスならSRPG歓迎なのですけど育成やハムハム系重視はもっと脳死しやすい方が好きなのです。ということで、ディスガイアに関してはSRPGよりむしろ普通のRPGの方が良いかなって。
火力一辺倒な戦闘バランス
基本的にレベルが上ってくると「一撃で倒すか一撃でやられるか」みたいな状態になってきます(高難易度ボスは別)。クエストの推奨レベルを大きく上回っていても、敵に行動させたら全体技放ってきて一発でPTが全滅する、なんてのも普通にあります。
そうなると結局「行動させない」というのが基本最適解なので、とにかくスピードが重要でスピード持ちやスピードバフ持ちキャラが優遇されがちです。ただスピードさえクリアすれば、その下は一撃で倒すために強力全体攻撃持ち入れるとか、デバフやバフ持ち入れるとか、敵の技を封印するために「ど忘れ」効果持ちを入れるとか選択肢が出てくるのでまだマシかな、という印象。
そもそも源流からして戦闘バランスは大味なゲームですからね…基本育てまくってゴリ押しするものですし。
スタミナ上限はプレイヤーランクでは上がらない
基本値が100でそれ以上貰えると上限は突破してストックできます。ランクでは上がらないので暗黒議会の議題に上がったらそこで可決されることで増やせるのですが、それでもだいぶ少なめです。
ただまぁ回復手段が多いですし、他のソシャゲを見ても最近は継続的なログイン等のボーナスとして回復薬を沢山配り、上限そのものは上がりにくくしているものが多いので別にこのゲームが駄目ってわけでもないと思っています。
沢山キャラを持てるより、お気に入りが被ったほうが嬉しい
キャラ一人に割くリソースがとんでもないゲームな上、高難易度に行くにはきっちり育て上げる必要がありますから、実はガチャでも新しいキャラより手持ちの育てているキャラと被ってくれたほうが嬉しかったりするのです、同キャラ重ねで限界突破ができますからね。
ただ、単純に確率計算で考えると新キャラとかピックアップで「手持ちではない何か」を引き当てるより、手持ちのうち更に育成している特定のキャラを一本狙いする方がきついですよね…。
序盤の装備はまじで役に立たない
ストーリー進行に合わせて議会でお得意様ランクを上げられるようになり、お得意様ランクによってショップに並ぶ装備の質が良くなります。…なのですが、序盤は本当に装備が役に立ちません。というかストーリー進行に求められる推奨レベルとクリアによって解放されるお得意様ランクと、そのランクで解放される装備の性能がこれっぽっちも噛み合っていないのです。だってレベル上げてステータスが数万とか変動するところに、Lv100まで育てても攻撃力が数百しか上がらない装備とか要らないでしょ?
ただ、低レア装備は安いのでイノセント集めが低コストで済むのと、序盤でも靴はスピードが上がるので有用です。全く価値がない、というわけではありませんね。
「持ち上げ」はあまり機能しない
SRPGではないのでそこまで重要な要素では無くなっています、座標を指定して投げる、なんてことがそもそもゲーム上存在しないのでメリットも少なくなりますし。とは言え、持ち上げられたキャラは攻撃されないとか、ボーナスEXPが同時に手に入るとか、必要なツボは抑えているのでまぁこんなものかなと。
悪いところ
UIはちょっとよろしくない
情報量が多いゲームだから仕方ないかもしれませんが、細かい所の不親切さが目立ちます。イベントポイントの交換所とか「バトル→イベント→行きたいイベント→イベントトップから交換所」と深い階層まで操作させられますし。この辺り良くできたソシャゲはショップにイベント交換用の場所が作ってあったり、トップに期間中だけアイコンを置いて直接移動できるようにしていますよね。
他にもレイドイベント中はストーリークエストとかをこなしていると確率で発生するのですが、レイドバトルが終わった後自分が最後に受けていたクエストの場所に一発で戻れません。またメニューの「バトル」から進むことになります。
とにかく見たい情報、行きたい場所が深い階層にありすぎで、かつ深い階層にショートカットができないというのがよろしくないですね。デザインは全体的に凝っていて凄く良いのですが…。
戦闘開始前のAuto設定がない
戦闘をAutoで進めていた場合次の戦闘へ引き継がれます。じゃあ最初から解除したい(コマンドを選びたい場合)はどうするの?てなりますよね。最初のキャラが行動開始する前に画面上のAutoをタップして解除するしかありません、つまりスピード勝負。いや、馬鹿じゃないこれ?
味方AIが腐っている(敵AIは賢いぞ)
行動に法則性が無く本当に謎なのです。例えば「SPが溜まり次第最大の技を必ず撃つ」とか、「技カテゴリ1に設定したものを使用する」とか、そういったわかりやすいパターンでは無いのです。
SP溜まっているのに通常攻撃したり、敵の数が多いのに全体攻撃じゃなくて単体攻撃したり、通常攻撃で倒れるくらい瀕死なのにSP重いスキル使ったり、基本バカです。Autoにすると全滅だけど自分でコマンド入れるとノーダメクリアできる、とかしょっちゅうあります。
対して敵はなかなかに賢い。こちらのPTの一番柔いところを的確に殴ってきます。検索して調べても敵AIのアルゴリズムがどうなっているかわからなかったのですが、どういった基準でタゲ設定されているんですかね?明らかに狙われたくないところを集中狙いされるなんてことが凄く多いです。
負けてもスタミナが返還されない
昨今のソシャゲは負けた場合はスタミナが返還されるものも多いです、割合は100%だったり90%だったり50%だったりゲームによりますけどね。前述の通りプレイヤーランクによってスタミナ上限が増えるタイプではないので、回復薬が沢山手に入ると言ってもこの仕様は些か時代遅れ感があります。
時代遅れ感があるレイド
一緒にリアルタイムに戦うタイプではなく、戦闘終了後に結果が共有されるタイプです。一昔前はこの手のものが多かった印象ですが、技術の進歩か今ではリアルタイム同期のレイドが主流ですよね。
性別表記がない
クエストのミッションで「男性キャラx人編成」とか「女性キャラx人編成」というものがあるのですが、キャラの性別はステータス上わかりません、つまり見た目で判断してください、てことです。まぁ大体見た目でわかるのですが、一部の魔物系が全然わかりません。
助っ人のソート基準が一部毎回リセットされる
プレイヤーランク降順とかレベル降順とか、あと細かく武器種とかでも絞り込みができるので便利なのですが、一部の機能(フレンド優先やイベント特効優先等のチェックボックス)が毎回リセットされます、なんで?
また、ステータスに性別がないので当然ソートの機能としても性別に関する条件はありません。ミッションで性別縛り用意されているのにおかしいよなぁこれ。
アイテム界はスマホ殺し、そして放置不可
階層の深さはアイテム毎に異なりますが、100階層とかになると1時間とかかかります、PTの強さや全体攻撃持ちの有無でだいぶ変動はしますが。画面つきっぱなし、ゲーム動きっぱなしなのでスマホと電池への負担が半端ないです、かなり熱を持ちますし。PC持っている人はアイテム界はPC版で潜るのを推奨します。
そしてイノセントが住んでいるアイテムはイノセントが出現した瞬間Autoが止まってしまうのです、なので完全放置で置いておく、なんてこともできません。初期の頃は戦闘そのものの周回もできなかったのですよ、なので1戦闘終わるごとに画面をタップする必要がありました、それに比べればだいぶマシですが…。
イノセントは賄賂アイテム自動消費の設定を設けつつ自動服従か、無視して倒せるかを選択できるようにしてほしいですよね、正直相性悪いです。というかこういったところこそ他ソシャゲに習って放置要素にするべきでは?12時間放置で素材ゲットとか、そういう自動探索系のコンテンツあるじゃないですか。
武器熟練度(WM)上げが超苦行
レベルとかはガンガン上がっていくのですが、このWMが本当に上がりづらい、びっくりするぐらい上がらない。毎日遊んで鍛え続けて、1キャラ1つのWMを現状のMAX(Lv30)にするのに1ヶ月はかかると思います。流石にもうちょっと緩和してほしいところ。
WMによって覚えるスキルが強力なため避けて通ることはできません。
武器熟練度に振ったマナはリセットできない
キャラは最大レベルまで上がると「転生」が可能になり、レベル上限含めた各種基礎パラメータがアップし、マナを貰えます。マナは能力の底上げ(チート)と武器熟練度の上限アップに利用するのですが、後者の武器熟練度に割り振った場合リセット(振り直し)ができません。
武器によって覚えるスキルが非常に重要なゲームで、キャラの特性と相まって適切な武器の熟練度を上げていく必要があります、マナは無限に貰えるわけではなく、転生ができなくなったらその時点で終了なので本当にやり直しがきかないのです。ガチャ産高レアを引いて、そいつの得意武器が剣だから剣の上限アップに振ろう!とかやってしまった後、調べたら杖で覚えるスキルが強力で魔ビリティーともシナジーがあって…とかやらかさないようにしてくださいね。
あ、チートの方はリセットできますし、火力ゲームなのでとにかくそっちに振りまくればいいです、悩む必要なし。
虹プリニー(限界突破素材)がむちゃくちゃ渋い
前述の通りキャラを強くするために限界突破が必要になるわけですが、これには同キャラか虹プリニーが必要になります。高レアリティキャラはガチャでもなかなか被りませんし、この虹プリニーも本当に全然手に入りません、というかほぼ課金前提の入手難易度です。
勿論ソシャゲなので課金がないとやっていけないのはわかるのですが、このゲームは限界突破でステが上がるとかそういう要素以上に「魔ビリティー」が解放されるので、これがかなり足枷になります、魔ビリティーの効果がね、強力すぎるのですよ…一部のキャラは魔ビリティー開放が前提の運用のものとかもありますし。
育成リソースがあまりにきついと複数キャラを育てる余裕がプレイヤー側になくなり、結果的にガチャを引くモチベーションも下がってしまい、ガチャ課金が遠のくと思うのですが…実態はどうなのでしょうね、運営会社にしかわからないことです。せめてキャラの左遷で虹プリニーの欠片が手に入るようになればいいとは思うのですが。
「好きなキャラを好きなように」という育成は無理
源流が好きな人ほどこれは辛いと思います。あっちはステのALLMAXも可能ですし、育成リソースや時間がきつい、ということはそこまでありません。こっちはソシャゲである以上、キャラを鍛えるのに一定より上はほぼ課金か、長い時間をかけて貴重な素材を少しずつ手に入れることになります、その上低レアリティキャラはステでどうしても負けてしまうので、限られたリソースは高レアリティキャラに投資することになるわけです。ここに関しては「ディスガイア」的な面白さは一切なく、残念ながら「普通のソシャゲ」なのです。
総評
元々のゲーム性はソシャゲに近いので全く違和感なし。ただ部分部分でソシャゲとしての最適化を怠っている感がある。ひたすら数字がインフレするのが好きだったり、原作愛がある人は楽しめる。特徴的なキャラと世界観は新規でもハマるかも。
元々ディスガイア自体が盆栽なゲームですからね。ただソシャゲはそれに加えて「時短で済ませられる」「放置で積み重ねられるコンテンツがある」というのが昨今のトレンドなわけで(逆行しているグラブルみたいなゲームもありますが)、張り付く時間を多く取られてしまう、例えばアイテム界とかはソシャゲ風にアレンジして持ってくるべきかなと思いました。
あと細かいところでストレス溜まる仕様が多すぎです、もうちょっと気を使えばなんとかなるでしょって思うところが本当に沢山。全体的に造りが一昔前のソシャゲみたいです。
ロマサガもそうだったのですが、元々の育成自由度が高いほどソシャゲ化したときのミスマッチ感が強くなります。ソシャゲはキャラ特性や格差をある程度出さないと課金に誘導できなくなってしまいますからね、なんでも自由に育成ができるなんてのは逆に相性最悪なのです。もとより期待してはいけないところではありますが、やはり残念ではあります。