【レビュー】EDF:IRの出来が酷くて涙が止まらない話

ゲーム

正式名称「EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN」、2019年4月11日発売、つまり昨日のことです。「1日でまともなレビューなんて書けるかよ!」そんな風に思う方も沢山いらっしゃると思います。でも悲しいことにこのゲーム、ある程度のゲーマーが数時間も遊べば「あ、これやべぇわ」ということに気付けてしまうのです。一応3/4は終わっているので最序盤のレビューというわけではなく、そこそこ基本的な要素を出し尽くした後の感想となります。また、プレイしていくことで更に気になる点がでてきたら追記しますね。

長い記事なので「総評」だけ読むとかでもいいと思います、ちゃんとまとめているので。

  1. 良いところ
    1. グラフィックが向上
    2. 演出が濃くなった
    3. 味方NPCのキャラ設定が細かくなった
    4. 設定のバックボーンがしっかりしている
    5. キャラメイクが可能になった
    6. コス要素が充実
    7. おパンツ丸見えだぞ
    8. おっぱいプルンプルンだぞ
    9. 武器やアーマーは購入制に
    10. アーマーが全兵科共通に
    11. アイテム持ち込みが可能に
    12. 武器の兵科制限がなくなった
    13. 新兵科の「プロールライダー」が楽しい
    14. オーバードライブは起死回生のチャンスがある
    15. ダッシュは尻鑑賞モードではなくなった
    16. 試し打ち(プラクティス)モードがある
    17. 味方NPCがジェムを回収してくれるように
  2. 悪いところ
    1. システム周り
      1. ロードが長い
      2. キャラメイクの顔がやばい
      3. オンラインの整備が基本的に全部クソ
      4. コスが購入しなければ使えない
      5. フィールドの探索要素
      6. 武器は購入しないと試し打ちできないぞ
    2. 操作性と機動性周り
      1. 全体的にもっさり
      2. エイム挙動が独特
      3. ギアゲージ消費が全体的にケチくさい
      4. ダッシュ時は攻撃できないのにダッシュジャンプ時はできる
      5. 「怯む」と行動を阻害される
    3. NPC周り
      1. 足が遅い
      2. ノンアクを勝手に起こす
      3. あまり攻撃しない
      4. デコイにならない
      5. 「打っちゃダメ!」て対象を打つ
      6. あまり喋らない
      7. そもそもの魅力が薄い
      8. マルチプレイになるとみんな消える
    4. レベルデザインと戦闘システム周り
      1. 最序盤の導入が本当にダメ
      2. 評価システムはこのゲームには合わない
      3. なんでもかんでも金がかかる
      4. タクティカルリロードは相性が悪い、全体的にリロード時間が長い
      5. アイテムを使うと報酬が下がる=味方を支援するほどデメリット、でも死亡を放置し過ぎてると失敗
      6. 吹き飛ばされた時&ダウン時に無敵時間がない
      7. 敵のやられ爆破に巻き込まれるとダメージ&ダウン
      8. 緑ジェムの存在価値が低い
      9. 死骸が邪魔すぎる
      10. 謎の対物&当たり判定の差
      11. 状態異常(毒、炎、麻痺、氷)
      12. 敵が固すぎる
      13. 無限湧きの補充が早い
      14. 敵の殺意が高過ぎる
      15. ミッションに戦略性が無い
    5. その他
      1. 音が軽い
      2. 着弾エフェクトが地味
      3. 敵のやられた時の鳴き声や体液ブシャー!が無い
      4. マップのNPC(青点)とジェム(緑点)が判別しにくい
  3. 兵科雑感
    1. トゥルーパー
    2. ジェットリフター
    3. ヘビーストライカー
    4. プロールライダー
  4. 総評

良いところ

グラフィックが向上

5とはまた質感が違いますが、物量が幾分か抑えられている分グラフィックが綺麗になっています。虫に至っては今まで以上のリアルな質感で、喜ぶ人は喜ぶでしょうし、嫌な人はきっときついことでしょう(ゲス顔)。

演出が濃くなった

ストーリーの進行はお約束の通信が基本ですが、ところどころイベントムービーを挟む形になり、より「B級映画感」が増しました。

味方NPCのキャラ設定が細かくなった

名前が与えられ、それぞれに経歴や過去の実績等が追加されました。従来の本家作では基本部隊名ぐらいしか与えられておらず、あとは声やその性格で判断するぐらいだったのでこれもまた一つの進歩ですね。

設定のバックボーンがしっかりしている

今作は武器稼ぎは無くなりましたが、代わりに「ジェム」を集める必要があります。このジェム稼ぎがなぜ必要なのか、というのが世界設定にきっちりリンクしているわけです。同様に、今作は支援要請やビーグル、アイテムにお金が掛かるようになりましたが、そこにもキチンとした理由があり、お金がとにかく活動する上で必要なんだ!ていうのがゲーム中でわかります。漠然とシステムとして存在しているわけではなく世界観のバックボーンが生きているというのは良いことですね。

キャラメイクが可能になった

見た目固定、性別固定の状態から自分で好きなようにキャラメイクをすることができるようになりました。体系や顔のパーツを細かく弄ることは出来ませんが、各項目の選択肢から好みのものを選ぶことで自由に好きなキャラクターに仕上げることができます。

また、ゲーム中いつでもノーリスクでやり直すことが可能です、性別含めて全ての項目がいつでも弄ることができ、しかも服装やアイテムセットを含めた状態をプリセットとして保存することができます。これは是非、今後本家も導入してほしい要素です。

コス要素が充実

ミッションの進行に合わせて結構な数の服装が解禁されていきます。それぞれお金を払って買う必要がありますが、真面目なちゃんとした軍服やアーマーから、Tシャツやキャップ等のおふざけまで結構な数がありますね。性別も自由なので、ムキムキな男に女性用の服を着せるとかも出来ます。

おパンツ丸見えだぞ

兵科をジェットリフターかプロールライダーにしてプリーツスカート履いてみ?勿論性別は男な!スカートの色によっておパンツの色も変わるぞ、良かったな!

おっぱいプルンプルンだぞ

なお、大きさは体系とセットで3段階しか選べない模様。

武器やアーマーは購入制に

基本的にクリアミッションに合わせて武器が解禁され、それを買うことで使える数が増えていきます。アーマーも同様にお金さえあればガンガン上限を増やしていきます。まぁある程度過ぎるとかなりえげつない金額になるから、序盤にモリモリアーマー買うとかは現実的ではないですけどね。少なくともギャンブル要素が無くなったのは良い変化だと思います、あれもあれでハムハムできる楽しさがないわけではないんですけどね。

アーマーが全兵科共通に

今作は兵科がギア装着によって変更できるというシステムになった関係上、主人公は一人ですし兵科毎にアーマーを稼ぐような必要がなくなりました。兵科毎に防御倍率が導入されているので、同じアーマーでもジェットレイダー(旧ウイングダイバー枠)とヘビーストライカー(旧フェンサー枠)では食らうダメージに差が出ますし、差別化はできています。

アイテム持ち込みが可能に

回復、蘇生、ビーグル、地雷等のアイテムを自由に持ち込むことができるようになりました。それぞれのコストと兵科毎のコスト上限は異なりますが、単純にこれは良いシステムだと思います。特に地雷等の特殊枠の武器が装備枠を圧迫しなくなっているのはとても良い、ぜひ本家にも導入を。

武器の兵科制限がなくなった

武器毎に兵科を分けていないので、ヘビーストライカーで光子武器、ジェットリフターでロケットランチャー等が持ち込めます。

新兵科の「プロールライダー」が楽しい

ワイヤーを壁や地面に飛ばしてビュンビュン飛びます、壁にも貼り付けます、さながらスパイダーマン。ジェットリフター(ウイングダイバー)とは違った機動力で動かしていて楽しいですね。

オーバードライブは起死回生のチャンスがある

1ミッションにつき1回(回復アイテムあり)、制限はきついですがその分強力で、あらゆる面が一定時間超強化されます。一部の兵科はこれにより使える能力もあります。押し込まれた時の手段として、あるいは戦場がカオス化してきて一気に殲滅したい手段として、判断力が必要ですがかなり強力な武器で爽快感もありますね。

ダッシュは尻鑑賞モードではなくなった

通常視点でダッシュできます。一応5の視界は「ダッシュ時は周囲への警戒力が落ちる」という理由もあってあのようになっていたのですが、理屈とゲームとしての面白さは別です。

試し打ち(プラクティス)モードがある

武器を自由に試せます。モード移行時にロードがあるのが難点ですが、フィールド上でロボットに話しかければ武器を変えられるので一度移行してしまえばそこまでストレスはありません。

味方NPCがジェムを回収してくれるように

進んで回収するわけではなく、あくまで進行方向にあった場合に自動で回収するだけですが、それでもかなり嬉しい要素です。これもぜひ本家に。

悪いところ

ほんっとに多いので、項目をさらに細かく分けます…。

システム周り

ロードが長い

これは全てのゲームが努力する項目だと思っています。そして今作は外伝とはいえシリーズの最新作、嫌が応にも過去(本家作)と比較されるわけです。ええ、長いですね。本家が割と短めなので特に気になります。SSDに入れればまぁ気にならない程度には短くできますよ。サンドロット均整の「ギガンティックドライブ」じゃなくて汎用の「UE4」を使っている、てところもある程度関係しているだろうなぁ、最適化しようにも、やっぱ汎用と専用では追い込めるところに差がでますし。

キャラメイクの顔がやばい

男性はまぁ色んなタイプの「かっこいい」があるのでまだ選択肢はありますが、それでもまともなのは選べるうちの半分ぐらいでしょうか、正直残りはネタ枠です(40〜50代の熟練の渋いイケメンとか作りたかったな…)。女性は3つぐらいでしょう、ゴリラが好きなら別ですけど。

数が多けりゃ良いってもんじゃないんですけどね、色んなタイプの顔があっても良いとは思うけど、ネタ以外の理由で好き好んでブサイクを作ることなんてないです。昨今は(特に海外では)美男美女だけにすると「差別だ!」て批難が一部の層から出てくるみたいなのでそれに対する対応かな、という気もしますが(たかが創作物にグダグダ文句言うなよ、というのが私の考え)。

オンラインの整備が基本的に全部クソ

まず部屋一覧で見ると鍵部屋が出てくる。そもそも野良で遊ぶ人は鍵部屋に入れず、鍵掛ける側は固定のメンバーで遊ぶので一覧で表示させる理由がありません。入りたい部屋を探すのに手間がかかるだけになります。

条件検索も弱いです。攻略難易度とチャットの有無ぐらいしか選択できないので。進行ミッションとか部屋名のフリーワード検索があれば良かったのにね。

ルームナンバー検索は現状では全く機能していません、明らかな見落としなので修正されると思いますが。具体的には、ルームナンバーは5桁あるのに検索では4桁しか入力できません、当然該当の部屋が見つからないです。フレと遊ぶ人は部屋を作ったら「メンバーリスト→招待する」で直接部屋に呼びましょう。

敵やジェムの同期ズレがムッチャやばいです。位置関係がちょっとズレるとかならまだ良いのですが、倒したはずの敵が他の人のところだとまだ生きている、とかあります。

コスが購入しなければ使えない

この記事を読んでいけばわかりますが、おそらくお金に余裕が出るのは結構後半になってからです、でもコスは序盤からガンガン解禁されていきます。このゲームは基本の戦闘システム周りでとにかくお金を使わせる仕様なのにコスまで制限を掛けるのか…と言う感じです。ただどちらかと言うと枯渇するとかって問題より「金、金、金!EDFとしてはずかしくないのか!」という、プレイヤーが精神的に感じるストレスの要素の方が大きいですね。

フィールドの探索要素

各ミッションに隠し要素として、ドローン探し、宝箱?探しがあります。ドローンは見つけるとそれで武器設計図やステッカー(デコ要素)が入手できますし、宝箱?はジェムが沢山入っています。

これいる?

そもそもフィールドを走り回ってアイテムを集めること自体が賛否両論だったこのシリーズ、今作もジェム集めがあります。その上で探索?ゲームのデザインやコンセプト的に相性最悪の要素です。しかも、後述しますが今作は全体的に機動力がありません。

武器は購入しないと試し打ちできないぞ

解放するのに金やジェムを消費するからこそ、その前に使用感や火力を確かめたいわけで。プラクティスモードは便利っちゃ便利だけど、それこそ買った後に試すだけなら適当なミッションに行って打つこともできるわけでして。

操作性と機動性周り

※兵科毎の使用感は専用項目で書きます

全体的にもっさり

5からの移行組は特にこれを感じることでしょう。単純にジェットリフターにブースト系ダッシュが無いとか、ヘビーストライカーに受身が無いとか、そういう要素的な部分もあるにはありますが、全体的にもさっとしているんですよね、重たい。

エイム挙動が独特

例えばスティックを倒した時の数値の動きが、普通なら1、2、3、4、5…と増えていき、数値に応じて照準の移動速度が上がるとしましょう。それがこのゲームは1、1、3、3、5…みたいな感じです。初動に妙な遊びがあって、ある一定値を越えるとギュン!と動く。そして加速度が低下しないのでスティックをニュートラルに戻した時に変な止まり方をするのです。本家含め、他の数多のシューター系と比べてもかなり独特の動きをします(全く褒めていません)。

ギアゲージ消費が全体的にケチくさい

各種兵科にはそれぞれ特殊行動があり、トゥルーパーならダッシュ、ヘビーストライカーならブーストダッシュやバリア展開等があり、それをギアゲージを消費して使う形になります。が、その消費が重いというかケチくさいというか…。例えばトゥルーパーはダッシュを5回超えて使うとオーバーヒートして回復するまで使えません。シディロスという火球を飛ばして来る相手と対面でやり合う時に、火球を安定して避けるには連続で2〜3回使います。でも、シディロスが次の火球を飛ばしてくるまでに使った分のゲージが回復しきらない、という感じでしょうか。どの兵科もちょっと頼りないゲージ量です。

そしてオーバーヒート、本家で言うと緊急チャージかな?この速度が通常チャージの速度より遅いのです。なんで?緊急の方が早いからこそあえて挟むことで立て直しを迅速に行ったり、て言う状況判断ができたのに。オーバーヒート(熱くなったから冷やす)と言う考え上通常より早くすると違和感があったからかもしれませんが、レベルデザイン上は緊急だからこそ早くあって欲しかった、と言うところですね。

ダッシュ時は攻撃できないのにダッシュジャンプ時はできる

このゲームのプレイヤーの機動力だと、どの兵科においてもダッシュ中も攻撃操作を受け付けて良いと思いますね。

「怯む」と行動を阻害される

今まで行動阻害は「吹き飛ばし系」しかなかったのですが、今作は「怯み攻撃」が追加され、結構な敵がこのタイプを持っています。1秒弱ではあるのですが操作を受け付けません。大したことないように思えますが、今作は敵が全体的に固くて殺意も高く、プレイヤー側の機動力は低いので、その僅かな怯みで落とせる敵が落とせない、逃げられそうだったのに逃げられない、また怯み系の攻撃を大した間も無く連発してくる、みたいな状況はかなりのストレス要素です。

NPC周り

足が遅い

走って追いかけてこいよクソが!

指揮下の部隊が付いてくるのはシリーズ共通ですが無茶苦茶遅いです。基本プレイヤーより遅いのはいつものことなのでしょうがないとして、構えながらジリジリ歩くことしかしないのでとにかく遅い。

ノンアクを勝手に起こす

ノンアクの敵がいる場合、従来はプレイヤーが初動を起こさない限りは何もしませんでした。なのに!こいつらときたら射程内に入ったら速攻で打ちやがる。

あまり攻撃しない

眺めていて思ったのですが、攻撃頻度が低すぎます。火力も控えめなので「介護しながら放っておいたら周りを殲滅してくれた」みたいなことはありません。まぁそもそも介護(味方回復)システム自体今作は無いのですが。

デコイにならない

多分プログラム的な処理だと思いますが、あまり敵のタゲを引きつけてくれません。敵が「攻撃してきた相手を最優先でタゲる」と言うルーチンだからだと思います。オンラインマルチで肉入りと遊ぶと、十分引きつけ役とかできるもの。

「打っちゃダメ!」て対象を打つ

今作は「無敵で打つと全方位カウンターをしてくる」オブジェクトがあります。こいつ自体ゲームのコンセプトとそぐわないだろ…と言う感想は置いておいて、「打っても無駄だ!」みたいな事を言っているNPCが自らそれを打つ、そしてカウンター発動、プレイヤーは完全に巻き込まれ損。おそらく狙っているのではなく、オブジェクトに張り付いている敵を打って誤爆しているだけなのでしょうが、このオブジェクトが登場するミッションはプレイヤーに対しても明らかにこの「誤爆」を狙うような配置や敵編成をしているからタチが悪い。

あまり喋らない

一応喋ります、「EDF!」にも反応します。でも基本薄味。本家の驚異的な会話含むバリエーションを期待するのは酷ですが、ちょっとおとなし過ぎますね。

そもそもの魅力が薄い

ストーリーに絡むネームド、キャラも立っているし個性的なのですが、どうにも魅力が薄いです。多分真面目すぎるんですよね、会話が。ジョークも言うし、変な掛け合いもあるのですが、本家に比べるとどこかカッコつけていると言うか、突き抜けている感がありません。モブに関しても、例えばカエルを見て「人間にそっくりだ…」とか「俺は人を打ったことがないんだ…!」て言う馬鹿げた面白さが皆無。

マルチプレイになるとみんな消える

いやいやいやちょっと待てや、キツイだろそれ。例えば敵の物量が沢山だけど、味方NPCが沢山のミッションがあったとする。そこにフレと2人で突撃する。ソロだと楽だったのにすげーキツかったぞ…。今作は全体的に味方は頼りないしデコイとしてもいまいちですが、それでも(その数が多ければ多いほど)居ると居ないとじゃだいぶ違います。しかも消えているのにストーリー上の会話やセリフはそのままなので、誰もいないのに会話やセリフだけ聞こえるという不思議空間になります。

レベルデザインと戦闘システム周り

最序盤の導入が本当にダメ

初期兵科がトゥルーパー、選択肢としてジェットリフターがあります。そして武器はアサルトライフルとロケットランチャーです。ゲームを始めた皆さんは、まず最初にトゥルーパーと初期武器を捨ててください。そしてショットガンと、最序盤のミッションで手に入るグレネードランチャーを買いましょう。

どういうことかって言うと、トゥルーパーが序盤全く生きないつまらない上に難易度に対応するのが難しい兵科だからです。そして初期アサルトと初期ロケランがゴミ、この2つが有能になるのは結構先です(ハードで始めれば「フューリアス2と言う有能アサルトがすぐ手に入りますが)。ジェットリフターもウイングダイバーに比べれば不満が溜まる兵科ですがまだ全然マシです。とにかく武器と兵科を変えて、ヘビーストライカーとプロールライダー解禁まで耐えてください。

評価システムはこのゲームには合わない

クリア時に各項目の達成度が表示され、それに応じて総合評価が変わります。「C」とか「AA」とかそう言うのですね。

これいる?

個人的にEDFはスマートにかっこ良くミスを減らしてクリアを目指すゲームではなく、泥臭くても生き残って進んでいくタイプのゲームだと思っています。ミッションによっては篭って稼ぐこともあります。評価システムは相性が悪いです。

しかも項目に「クリア時間」と「ジェム回収率」があります、これバカじゃねぇの。回収に重点を置いたら当然クリア時間は伸びるのですよ。「短い時間で回収してこそ高い評価を得られるのだ!」だと?このもっさり機動力で?HAHAHA!笑っちゃうね。更に加えて言うなら、戦闘エリア範囲外のジェムは回収が難しいし、爆発物を持っていない装備でビルの上とかに落ちたやつはトゥルーパーやヘビーストライカーでは回収不可能です。もう一回言うけど「バカじゃねぇの?」

おそらくですが、クリア評価にジェム回収率を入れたのはゲームシステム的な理由より、世界観設定によるところが大きいです。

なんでもかんでも金がかかる

序盤のトゥルーパーが戦闘面で弱いのに更に生きない理由がコレ。回復アイテムはともかくビーグルは序盤は呼んだら赤字確定です。M10を超えたあたりで黒字にはなりますが、何をするにもお金がかかるゲームなので報酬減額は武器解禁やアーマーアップ等のゲーム進行の足枷にはなります。

そもそもアイテムも使えるようにする段階でお金とジェムを払うのに、その上で使用に応じて金とんのかよ、て感じですね。持ち込めるアイテムには制限もあるので、無料にしたところで回復アイテムガンギマリで押し込む、なんてことはできません。最終的にはお金自体は気にならなくはなるのでしょう。でも問題はそこじゃなくて「プレイヤーに精神的な要らないストレスを与える要因」になっていることです。ゲームシステムとしてのバランスより、世界設定的な都合を優先した結果でしょうね。

タクティカルリロードは相性が悪い、全体的にリロード時間が長い

リロード中にタイミングよくボタンを押すと早くリロードが完了するアレです。はっきり言うとこの手のゲームのように武器をしょっちゅう持ち替える、武器毎にリロード時間が変わるタイプは相性最悪です。基本タクティカルリロードってリズムというか感覚で覚えるものなのです。リロード速度がどの武器も一定か、そもそも持ち替えが無いタイプで生きてくるんですよね。武器毎に体に覚えこませるのは大変ですし、かといって毎回リロードゲージを見て目押しで対応するようなシステムじゃ無いのです。その上、タクティカルリロードができる武器は「安定して成功するなら強いぞ!」て感じではなく、そもそも成功させることが前提のスペックになっている気がします。

あと、これとは無関係で全体的に武器のリロードが重めの調整ですね。持ち込みアイテムでリロード時間を短縮する効果があるものが存在しますが、こう言うアイテムってゼロをプラスにするべきもので、マイナスをゼロにするためのものじゃないと思うのですが。ちょっとプレイヤー側に制限かけすぎじゃないですか今回。

アイテムを使うと報酬が下がる=味方を支援するほどデメリット、でも死亡を放置し過ぎてると失敗

実際のところ、蘇生アイテムはコストが安いので序盤でも赤字になるってことはないです。どちらかと言うと「味方を支援すればするほどマイナスになる要素がある」という事自体がCOOPゲームに置いて致命的と言えるでしょう。特にEDFは物量で押し込まれるゲームなので死ぬときはあっさり死にます。ゲームの根本的なデザインとして、例えばモンハンのように一死が重たいタイプではないのです。ゲームの難易度における基本デザインはそのままなのに、アイテムのコストと4死によるミッション失敗という「一死が重い要素」を入れてくるのは明らかに考えが浅いですね。

吹き飛ばされた時&ダウン時に無敵時間がない

爆破系で攻撃された時に吹き飛ぶのはお約束ですが、本家にはあった「無敵時間」が存在しないのです。つまりどういうことかっていうと「連続で爆破攻撃を受けると何もできずに一気に削られる」ということですね。しかもその攻撃をして来る敵が割と最序盤から出現し、結構大量投入される、キッツイわこれ。序盤は頑張っても700〜1400ぐらいの範囲までしかアップできないと思いますが、当たりどころが悪いと一回の攻撃で満タンから全部削り取られます。

敵のやられ爆破に巻き込まれるとダメージ&ダウン

そう言う敵が一部居ますよー、ならまだ多少許せる(ゲームのコンセプト上相性は悪いと思うけど)。ただ大型の爆破全部と、その要素を持った小型を大量投入するってのはちょっと違うかなぁ…。入り乱れた状況になると意味がわからない、回避しようのないダウンが頻発します。

緑ジェムの存在価値が低い

従来でいう回復アイテムで、戦闘中敵ドロップで回復が可能です。が、自前で回復できるようになったからか、とにかく少ない。その上割合回復じゃ無いので、アーマーが上がってくるとあまり効果が無い、という存在価値の低いものとなってしまいました。

死骸が邪魔すぎる

死骸が残るのはシリーズ共通なのですが、今作は長い上に死骸が重いのです、本家の2に近い仕様。適当な武器でブッパすれば彼方へ飛んで行ってくれるのがどれだけ有難いことか。しかもドロップアイテムであるジェムが小さいので死骸に隠れてしまい、消えるまで取れないと言うこともしょっちゅう。「クリア後に30秒回収時間あるだろ!」だって?その時間だけで取りきれないから途中途中で拾ってんだよ!

おそらく「敵が死骸を乗り越えて襲いかかってくる」て言う要素を強調したかったのでしょうね。

謎の対物&当たり判定の差

当たり判定自体は結構シビアで、きっちり当てないと狙ってもすり抜けていきます。それとは別に物的な判定はかなり大味で、それこそプロールライダーで飛び回っている時なんかはわかるんじゃないのでしょうか。アリの近くを通り抜けようとしたらなんか壁に当たったみたいに静止して、見かけ上アリの向こう側にワイヤー引っ掛けているのに飛んでいかないとかあると思います。他にも、四つ足の下がガラ空きでへへーんすり抜けるぜ!て行こうとしたら、足と距離があるのに踏みつけ判定食らったり。

状態異常(毒、炎、麻痺、氷)

これいる?

あ、パルス攻撃食らうと光子武器とギアゲージがまとめてオーバーヒートするので、ヘビーストライカーでオートチャージ機能の光子武器2丁持ち込んでこれ食らった時は詰みました。実弾兵器で対応できるとはいえこれはこれで強すぎないですかね…そもそもギアゲージがオーバーヒートするだけでもかなり不利になってしまうのに。

一応こっちが使う立場になれば、感電や凍結は便利です。

敵が固すぎる

最初のチュートリアルでアリを打って「マジか」とは誰もが思うでしょう。これはアサルトがゴミというのも起因していますが。数が減った分耐久力が上がるのは仕方がない(とはいえIAでやった失敗ですが)、でもちょっと固すぎじゃないですかねー…。

無限湧きの補充が早い

巣や敵の船があるミッションは無限湧きするものがあります、処理が追いつかないことが多いです。と言うか湧き仕様が本家と違っていて、本家は決まった時間感覚で一定数下回っていたら補充する、と言う感じなのですが、今作は吐き出した小型を処理しないとそもそもハッチが開きません。前者だと、湧いた分をスピード処理さえすれば次の補充までに体制を整えて壊そう、とかできるのですが、後者だと湧き分を処理しきってしまうとすぐ追加が来るので、フィールド初期の小型なのか湧き分の小型なのか、どこまで処理したかを見極める必要があります。あと、ここに大型とかNPCの在庫状況次第で、毎回湧きの対応で手一杯&でもすぐ補充されると言う追いつかない状況が発生したります。

都合上悪いところに書きましたが、これは仕様による対策の違いなので悪い、と言うわけでは無いですね。

敵の殺意が高過ぎる

物量の話ではなく、1匹毎の行動ルーチンやモーションとその間隔の話です。物量的には本家の7割ほどといった感じなのですが、例えば本家が10匹中10匹が同時に殺しに来るかというとそういうことは無く、ちょっとフラフラ蛇行して追いかけて来る速度が遅かったり、近くで静止して何もしていない時間があったり、攻撃した後はちょっと離れて動き回ったりして囲まれても細かい隙間ができる、そういう不確定な要素が物量にも押し込まれない、あるいはリカバリーに重要な部分だったりするのです。

今作は10匹いれば10匹は(ある程度足の遅さや動きの差異はあれど)結構きっちり殺しにかかってきます。そしてこっちが倒れた時も周りをなかなか離れない、隙間がないのです、そして無慈悲な起き攻め。

攻撃モーションも、例えば本家の噛みつきアリは「距離をちょっと取って溜める→突進しながら噛み付いて来る→(避けたら)通り過ぎてカチ上げモーション→少しの時間静止」と一つのモーションが長く、次の行動への間がそこそこあるのですが、今作のアリは「目の前で小さく溜める→カチ上げ」という短いモーションで襲ってきて、かつ次の行動への間が速いです。アリに限った話では無く、敵全般がこういう調整になっている感じですね。

加えて前述したように、プレイヤー側は全体的にもっさりしており、かつ本家の5とかと比べると緊急回避等の手段が乏しくギアゲージコストが重かったりします。その上物質的な当たり判定がでかく、死骸は死骸で長く残り、かつ重くなかなか動いてくれないので、囲まれた際のリカバリーが非常に難しい。「囲まれたら終わりなのは本家もじゃん?」いやいや、それはHARDEST以降の話であって、HARDまではそんなことはありません。加えてINFERNOでもうまく立ち回れば囲まれてもリカバリーできなくもありません。今作の囲まれた時のリカバリーは難易度問わず、「動けない」と言う理由につき本家のINFERNOより難しいです。

あ、あと火力も全体的に高めです。ノーマルでも最初期に1000ぐらいは確保しないとあっという間に溶けるぐらいには。

ミッションに戦略性が無い

「まだ高難易度やっていないんだろ!?」、やっていません、でもわかるでしょ?仕様とミッションの傾向を考えれば。

まず、NPCがまともにコントロールできない。介護回復が無いことは前述した通りで、加えて指揮下に入れられるのはミッションで定められた自分の部隊だけで、他の部隊は完全に独立、隊長を峰打ちしても無理。つまり、指揮下に入れて位置を動かすこともできなければ、「あそこの部隊はあえて放置してデコイにしよう」とかって戦略も組みようが無い。

次に「ノンアクを釣るタイプ」のミッションがほぼ無い。まぁあったところで今作のNPCの仕様だとまともに機能しないわけですが。

基本多くのミッションが「押し寄せてくる敵を凌ぎきる」という方向で調整されていて攻略バリエーションに乏しいです。

その他

音が軽い

アサルトライフルが豆鉄砲。いや、他の武器も全体的にしょぼいけど。

着弾エフェクトが地味

見た目上の爽快感に欠ける他、微妙な射程で打っている時に当たっているか判別しにくい、と言うプレイ上のストレスもあります。

敵のやられた時の鳴き声や体液ブシャー!が無い

個人の感想?いやいや、確かにそれもありますが、敵を「倒せたかどうか」を判断する上でこの要素は意外と重要だったのですよ。

マップのNPC(青点)とジェム(緑点)が判別しにくい

もしかしたら私が色盲だったり、使っているモニタが出来損ないの可能性がありますが一応。

兵科雑感

※一通りクリアするとプロトライダーが解禁されますが、正直オマケみたいなものです。

トゥルーパー

金食い虫、機動力最低、これを最初に触る兵科として用意するのは酷。誰しも旧来のレンジャー枠と勘違いしますが、どちらかと言うとエアレイダーです。なにせ特徴が「持ち込めるアイテムが多い」て事ですからね。ビーグルや設置系特殊武器等を潤沢に持ち込み、ガンガン使える資金があってこそようやく生きるのではないでしょうか。正直この兵科は特殊持ち込み枠みたいなものを1〜2個用意して、そのスロットに入れたアイテムは無料で使える、とかしても良かったと思います。

機動力こそ無いですが、ギアゲージ消費のダッシュは無敵時間があり、かつ敵を吹き飛ばせるので復帰時のリカバリー手段としてはアリ。だけど5回は少なく、リチャージ、オーバーヒート復帰も他兵科より早いものの、今作の敵のアグレッシブさにはちょっと心細いです。

武器自体が兵科制限を受けなくなった今作では一番割りを食っている印象があります。それでもまぁかなりビーグルが強いので、とにかく乗り物に乗って戦う感じですね、生身はキツすぎる。

ジェットリフター

ウイングダイバー枠、だけど操作感も機動力もちょっと違う。本家の快適さとは裏腹に非常に癖のある飛行慣性。と言うかそもそもこれは慣性と言うのだろうか、例えば距離を取りつつ敵を視認しようとすると、なぜか慣性が移動方向ではなく視点方向にかかってしまって、所謂「引き撃ち」的なことが非常にやりづらくなっています。

ブーストダッシュも無いので、感覚としては「使いづらくした4系統のウイングダイバー」的な感じでしょう。ただ、武器が兵科共通になったことによって武器にENを奪われません。飛行によるギアゲージの消費そのものは本家より重いですが、飛びながらガンガングレネード落としたり、ロックオンミサイルで引き撃ちしたりと立ち回りが楽になっている面も。あとオーバードライブの恩恵が一番大きいと思いますね。

ヘビーストライカー

武器二丁持ち、バリアも兼ね備えていて高耐久高火力、加えて直線的でギアゲージを消費するもののブーストダッシュが出来るのでトゥルーパーよりは速い。初動ブースト→ジャンプでブースト停止を繰り返すと慣性が働き、少ない消費で長く移動できます。

バリアは強力ですが、消費も重くダメージ100%カットではありません、強力な攻撃に対してはのけぞります、使うタイミングと相手を選びますね。とにかく避けにくい遠距離攻撃(シディロスの火球、サソリの毒等)は見て反応ができるのもあり強いです。

オーバードライブ持続時間がかなり短いですが元々使いどころを選ぶ要素なので、デフォで安定して強いこの兵科は非常に扱いやすいですね、と言うか敵が固いせいで常にヘビストの火力が欲しいのです。ただ、囲まれてしまった時のリカバリーは一番難しい、フェンサーのスラスターやブースター的なものは無いからね、ブーストダッシュは初動微妙に遅く、バリアも後ろからの攻撃は効果ないし、出しっぱだとすぐオーバーヒートしますから。

プロールライダー

新しい兵科。まず操作が楽しい、爽快です。機動力が十分にあり、かつワイヤーアクションの消費が(他兵科と比較すれば)まだ軽め、オーバーヒートの復帰もそこそこなので敵に囲まれずに動きやすいです、ただ囲まれてしまうとワイヤーが飛ばせない、飛ばしても敵の判定に阻まれてしまうのでリカバリーはそこそこ難しい。あと、ワイヤーアクションの直後にすぐに攻撃に移れないので「一気に近づいて近接高火力で速攻!」みたいなことはできなくは無いけど結構難しいですね。あと前に対する機動力に対して左右後ろが弱い。一応後ろはクイックターンがあり、左右も一応動けないことは無いのですが、もうちょっと気軽に全方位ワイヤー飛ばせて動かせたらなぁと思うところ。

オーバードライブ時、この兵科は唯一「操った敵に乗る」と言う特殊行動が取れます。ちなみに火力は降りてそのまま戦っていた方が高い気がします、使いこなしたら乗っている方がいいのでしょうか。ただ、オーバードライブは無敵になるわけではなく被弾は普通にするので、乗ることでダメージを受けなくできるのは大きいです。

総評

「素材は良いのに仕込みや調理で台無しにして、更にロクに味見もせずに客に提供した」料理って感じですね。しかも無駄に挑戦的で「納豆は最悪醤油さえあれば十分美味いんだよ!なんでチョコレートなんて入れてんだよ!」ていう。

各要素同士で相性が悪いものを同時実装していたり、ゲームデザインやプレイフィールと合わない要素を実装していたり、思い付いたものを精査せずに突っ込んだ感じがそこかしこに見受けられます。加えてそれぞれのバランス感覚が雑すぎて、テストプレイ最低限のことしかやっていないんじゃないでしょうか。

外伝とは言えシリーズ作、でも中身はコンセプトを守るどころか真逆です。本家は物量や難しさを追求する分、プレイヤーが操作することや攻略することに関してできるだけ制限をかけない、その過程に面白さを見出しやすいように設計されていて、ストレス要素もその中で収まるように(出来るだけ)調整されているように対して、今作は「制限こそ難しさなり!」的な、プレイヤー側に負荷を大きくかけて、敵はそこの不便さを的確に狙って来るような調整の仕方です。また、世界設定にシステムや要素を合わせていくのは別に良いのですが、そこの矛盾の解消や説明不足より、それが相性が良い要素なのか、組み合わせて楽しくなる要素なのか、と言うことの方が「ゲーム」としてはずっと重要だと思うのですがいかがでしょうか?

救いがあるとすれば、クソゲーでは無いことです。遊んでいて面白くは…あります。あまりにも細かいストレスが大量に積み重なってしまい、歯の隙間にピーナッツのかけらがずっと詰まったまま取れないような不快感を覚えているだけで。そのストレス要因は6割は基幹に属するところでは無く枝葉なので、アップデート修正のやる気が開発側にあれば「凡以下のストレス量産TPS」から「そこそこ面白いTPS」まで回復するでしょう。ただ、プレイフィール的には本家と同等になることは無いと思います、それはエンジンも開発も違う会社に望むのは酷なことです。あくまで、よく似ているけど別の面白さのあるTPS、と言うところが落とし所でしょうね。正直シリーズ作だから本家のコンセプトを継承しろ!と思っているわけでも無いのです。ただ単品のTPSゲームとして考えてもあまりにもお粗末過ぎて。

余談ですが、武器やアーマーをコスト消費制にするのであれば、性能強化とかあっても良かったですね。移動速度上昇、とか、ギアゲージ上限アップ、とか。その上でスキルツリーみたいにすれば「移動速度をメインで強化したら防御力は上げられない」とか「ギアゲージをアップさせたら攻撃力は上げられない」とか差別化もできますしね。