実は本文のレビューよりこの冒頭の挨拶文とタイトルの方が考えるのに時間がかかっています。6月になり本格的な梅雨入りです。私はなぜか毎年6月~7中旬まで鼻水が凄いことになります、洪水です。鼻にティッシュを詰めても5分でひたひたになるくらい、デスクワークをしていると勝手に垂れてくるぐらい、仰向けに寝ていると目が痛くなるぐらい、とにかく酷いです。アレルギー検査をしたわけではないので原因がわからないのですが、自律神経をやってしまってからこの症状が出るようになったので、そっち起因で体の免疫バランス崩れてアレルギー反応が出ているのかなぁ、とか勝手に思っていたりします。
さて、今回はスクエニのソシャゲの中でも大ヒットに当たるでしょう「ロマンシング・サガ リユニバース」のレビュー記事です。スクエニは大型IPの派生ソシャゲしかヒットしておりませんが、これも例にはもれません。まぁCS機のIPも同じようなものですから新規開拓、若年層向けのプロモーションが出来ない、あるいは諦めているのでしょうかね。と、そんな話はどうでもいい、ということで本文へどうぞ。
いいところ
グリグリ動くアニメーションのドット絵
ドット絵のゲームは今でも一定の支持があるわけですが、サガシリーズのファン層を拾うという意味ではこの方向性のグラフィックは大正解だったと思います。
イトケンBGM
過去作のBGMをふんだんに使ったシリーズファン感涙のBGM群です。新規描き下ろしも良いですね。
ロマサガ3の正史扱いの世界観
SFCのロマサガ3の300年後という舞台設定です、シリーズの正史であり続編扱いなのですよ。肝心の内容はどうかって?聞かなかったことにしてください。設定を生かしているかって?それも聞かなかったことにしてください。
SSRは割と良く手に入る
狙ったキャラ(スタイル)一本釣りを、となるとどうしても難しくはなりますが、SSRの排出率自体は高め(確か5%だったかな?)でイベント関係も含めてガチャチケットや無償ガチャ石を頻繁に配ってきます。ガチャそのものには困ることが殆どないゲームでしょう。
とは言え最終的には運です(100連やってSSRが1体も出ないとかしょっちゅうだし、一日一回無料のガチャでSSR何度も引いたぞ)。また、限定衣装、限定スタイルがどんどん増えていきますが、それらを余すこと無く欲しい、というのであれば、やはり配布分だけでは全然足りません。
スタミナなんぞ飾りだ
一応スタミナがあるのですが、スタミナ回復剤をとんでもない量ばら撒いてくるので「適度」に遊ぶ分には全く困りません。ただ後述しますが、非常に鬼周回ゲーなのでガチってずっと遊んでいるとそれでも足りなくなる場合があります。
遠征?すぐ帰ってくればいいだろ
リアル時間を使ってキャラを鍛えられる要素です。2時間とか12時間とか、それぞれ5キャラ配置して遠征に出すと、帰ってきた時にステがアップします。一応遠征場所によってキャップがあるのでこれだけやっていれば上限まで届く、というわけではありません。
一応時間がかかるとは言え、スタミナ回復剤と同じくとんでもない量の即帰還チケットを配るので、やはり「適度」に遊ぶ分には遠征は遠征ではありません、寝る前と(サラリーマンなら)出勤前に設定したときぐらい?
「スタイル」という考え方
キャラがあくまでシリーズからの参戦なので総数で言えばオリジナル系ソシャゲと比べれば枯渇しがちです。これを「スタイル」という形で解決しています。同じキャラでも複数のスタイルを持っていて使える技や術、ひいてはステータス等が違うわけですね、だから実際には別のキャラ的な考え方で運用ができるわけです(ただし同じPTには組み込めない)。
その上で、スタイルが違っても同じキャラなら溜めた経験値が共通で使えるとか、技や術の継承が可能とか、完全な別キャラ扱いとは違うメリットがあるわけです。低レアでも有用な技、術を持っていて、それを高レアスタイルに継承して使う、てのがこのゲームの基本的な育成の1つでもありますしね。
イベントは初心者、廃人どちらにも配慮
イベントは難易度の幅が広く、始めたての初心者でも低難易度クエはクリアできます。そして高難易度はガチっていないと難しく、最高難易度は理想PTを組まなければ正直無理でしょう。
また、上手いところは「難易度が高いほうが報酬が良いわけではない」ということ。一部例外はあるのですが、基本低難易度を周回したほうがスタミナあたりの報酬効率が良いのです。なのでイベントアイテム集めに関しては初心者もガチ勢も基本やることが一緒になります。
1つのイベント期間が長め
これも例外はあるのですが基本長いです、1ヶ月とか開催していたりします。他ゲーのイベントマラソンの辛いところは「猶予が1週間~10日と短いのに、その期間にマラソンをさせられる」というところにあり、一日の拘束時間が長くなってしまうわけです。一ヶ月とかあれば、緩く適度に周回していれば全てとは言わずとも、重要な報酬ぐらいはコンプできますからね。
賛否両論
おそらくソシャゲ史上最高レベルの盆栽ゲーの1つ
「育成に時間がかかるゲーム」を盆栽と揶揄って表現されることが増えてきたのですが、このゲームは強烈な盆栽ゲーです。キャラの育成要素としてはレベル、ステータス、限界突破、スキルレベル、スキル継承、スキル覚醒、装備があるわけですが、この中で「限界突破」「ステータス」「スキルレベル」が廃クラスに時間がかかってしまいます。
レベルは最大で50、限界突破をしないと30で打ち止め、凸するには「ピース」が必要で、入手手段が限定的な誰にでも使える「空白のピース」と恒常的に手に入る「キャラ専用のピース」があります。ちなみに持っていないスタイルでもピースを250枚集めるとそのスタイルを手に入れることができます。
で、凸するためのピースの要求量がかなりえげつないのです。凸は1レベル毎にピースを消費するわけですが、最初こそ5枚とか10枚と少数で済みますが、レベル42以上とかになると40枚とか60枚と大量に必要になります、レベル50までに必要な枚数は累計600枚です。このピースの入手方法が少なく、恒常的にはキャラを道場に通わせるしかありません、道場のゲージを理想的な管理で進めて一日4~5枚ぐらいが上限でしょうか。後はイベント系で交換できる時はできるだけ最大数交換するぐらいですね。RやSRは空白のピースが結構簡単に増やせるのでそこまで大変ではありませんが、SSRの限界突破は本当に長い時間が必要です。
で、レベルマックスだからといって強くなるわけではありません、ステータスも上げなければ。原作と同じく戦闘によって確率でアップしていきます(強い相手程確率が上がる)。遠征をすることで一気にアップさせることもできるのですが、遠征は上限があるのであくまで入手直後の手段でしかなく、最終的にはひたすら戦闘に出して周回しまくらないと上がりません。後半の確率はかなり渋く、強敵相手に何百という周回をしても限界値に届かないとか普通です。
更に裏ステータスというものがあり、ステ値の上限値とは別枠でアップする項目があります、これは裏道場というものに通う必要があり、裏道場は一日あたりの回数制限があるため、早く強くしたいなら毎日通う必要が出てきます。
そして並行したいスキルレベル、これも戦闘にて確率で上がっていきます。最大レベルが99なのでまずそこが遠い。加えてBP消費の低いスキルは連発できますが、高いスキルは使える回数も相対的に減るので更に時間がかかります。
ここに上げていない武器や技や術の覚醒関係も、これらと比べると全然緩いですが他のソシャゲと同程度の手間はかかるわけです。SSRは手に入りやすい…が、とにかく育成が大変、1スタイル育てきるのにも長い時間が必要で、手に入れてレベルを上げてすぐ前線パーティーに…とか出来ないゲームなのです。
とにかくコツコツとお気に入りのキャラ(スタイル)を育てる、ここにカタルシスを感じないと続けられません。
高難易度はほぼ運&お祈りゲー
原作に倣い戦闘を高難易度にした試みは評価したい、が、最高難易度クラスはほぼ運ゲー化しています。それこそSSRの相性の良い限界まで育てきったキャラを使い、可能な限り理想的な攻略パターンを構築しても、敵のツン行動を引いたらクリアできない、とかそういう話になってくるので…てか原作もそうですが、ツン行動とデレ行動の差が激しすぎる、雑魚ですら「通常攻撃は50~70ぐらいしか食らわないのに、技だと500食らう」とかありますからね。
運とお祈り要素は原作も似たようなものなのですが、このゲームの場合育成に自由度が無いのでそこが足枷になってしまいます。好きな武器種をもたせる、好きなスキルをキャラに覚えさせることができないため、敵に対してPT全体でガチガチに対策する、というのが土台無理な話なのです、どうしても対策に穴が空いてしまう。原作とシステムが違うのに、同じ方向性の難易度の考え方をしているのがちょっとなーというところ。
ありがたいのは、そういったコンテンツは「クリア自体が目的」になっていて、報酬は別にうまくない、というところでしょうか。だからあくまで報酬が欲しくてコンテンツをこなしている分には挑む必要はないわけですし、放置してもゲームは十分楽しめます。
悪いところ
最初のログイン長いよ!
一日の最初の起動時にログインボーナス諸々貰えるわけですが、よくも悪くもこのゲーム、イベントやキャンペーンを沢山やるので「いつまで経ってもホーム画面に行けねぇ!どれだけタップ連打させられるんだよ!」となります。
こんなのはね…
○○キャンペーンの報酬です!
アイテムAx3 アイテムBx1
XXイベント開催記念!
アイテムCx5
復刻△△ガチャ開催中!
アイテムDx3
ログインスタンプ報酬です!
アイテムBx3
イベント詳細は「お知らせ」よりご確認ください
みたいな表記にすりゃ1画面1タップに収まるわけですよ。
オート周回がない
戦闘自体はオートにすることで放置が可能ですが、一回一回終わる毎に「再挑戦」をタップする必要があります。昨今の周回系ソシャゲは持ち合わせのスタミナを上限に予め周回数を設定でき、あとはずっと放置でおっけー☆みたいなものがスタンダードになりつつあるので、わざわざ30秒~1分置きに一回画面をタップする、なんてのは無駄な労力でしか無いわけです。
v6プラスと相性が悪い
グラブルのようにしょっちゅう通信が切れたりエラー吐いてトップに戻ったり、ということはありませんが、一部において画面遷移に時間がかかります。ただこういった障害は使っている環境やモデムに起因することも多く、実際どのソシャゲも運営会社は「システム的にはv6プラスは対応済みですよ」とは言っているのでなんとも難しいです。ただ、結局問題のないソシャゲが多い中で一部のタイトルだけ通信障害が起こる、となると、当事者としては運営を攻めたくなってしまいます。
ストーリーが意味不明
意味不明ってなんだよ?て思うじゃないですか、出来が悪いとかそういう次元の話じゃなくて本当に意味不明なのです。一応メインクエストは戦闘1回挟む毎にイベントが用意されているのですが、いきなり話が飛ぶんですよ。「え?さっきのイベントは結局どういうことだったの?」てシーンが多すぎて…説明すらない場合もあるので、プレイしている側が「ああ、多分あそこはこういう流れだったんだな」て脳内補完しないと追いつかないわけです。
ただ、脳内補完する必要があるほどベースの出来が良いかというと、申し訳有りませんがそもそも最悪レベルの完成度なので追う価値が無いですね。恵まれた設定から生まれた類まれなる糞…。一応、一応擁護するのであれば、2章からはちょっとずつまともになってきています。
限定キャラ(スタイル)多すぎ、しかも強い
キャラ総数が少ないソシャゲは得てして「期間限定衣装」とかの扱いで複数出してくることが多いです。このゲームも例にもれず、そういった「限定スタイル」が数多く存在します。が、ポコポコと出し過ぎな上、基本強めに設定されているので長いこと人権キャラとして君臨しがちなのです。
後から始めた人からすると「あのキャラ(スタイル)欲しい!けどそもそも入手手段が無いじゃないか…」ということになるわけですね。それが全体の総数に対して僅かならともかく、結構な数が存在しているのでやるせない。復刻を待つしかないですね。
基本無料で提供している以上、どこかで集金をしなければいけないというのはわかりますがね…。最近このやり方するソシャゲが多すぎてちょっと辟易。
インフレ早くないですかね?
コンテンツを更新していくタイプのゲームはどうしてもインフレは避けて通れません、が、配信開始から考えるとちょっと早くないですかね(てか限定スタイルガンガン増やしすぎなんじゃい)。まぁキャラ自体が強くなっているとか言うよりは成長上限の関係で伸びている感じなので、他ゲーと比べたらまだ緩やかな範囲なのかもしれません。
ただ、前述している通りキャラの育成にむちゃくちゃ時間がかかるゲームです。頑張って育成したor育成している最中に、それの上位互換になる新しいスタイルを引いてしまったとか、イベント復刻があって限定スタイルを手に入れてしまった、とかなったらくそ辛いです。最終形態は新しいキャラのほうが勿論上なのに、育成が終わったor育成中のキャラに届くには、また長い時間が必要ですからね…。
原作的な自由度はない
探索とかフリーシナリオはそもそも求めないとしても、戦闘面もソシャゲに毒されています。閃きシステムはあるものの、キャラ毎に閃く技、術は決まっていますし、得意武器も決まっている(そもそも他の武器種が装備できない)ので、原作のような「好みの方向に育て上げる」ということはできません、もうスタイル毎に完全に方向性が固まっているので。
ギルド
時代の流れに逆らえなかったakatsuki…。配信当初はフレンドとかギルドとか、他者と関わったりする要素はなかったのです、だからこそみんなマイペースで遊べた。しかし実装してしまったこのギルド。
とりあえずは加入メリットとかもなく、ただ同じギルメンとチャットしたりするぐらいです。総戦力のランキングもあるものの、ギルド未所属のプレイヤーは見ることができずランキングも自己満でしかない(報酬的なものがない)ので、ギスギスする要素はありません、今のところは。
ただ、一人でシコシコ遊んでニヤニヤするゲームだと思いきや、結局そっちに行くのか…というがっかり感。そしていずれ何かしらギルドに絡むコンテンツは実装してくるのだろう…と。今でこそ「そういったコンテンツは実装しません」とは言っているけどね、ソシャゲの運営はすぐ姿勢が二転三転するので信用してはいけないのだ。
総評
何より原作愛とキャラ愛、それがあればこの育成地獄もきっと楽しい、効率第一主義だと日常生活死んじゃうしストレスマッハ、難易度は幅広く用意されていてどんなスタンスでも楽しめる
最初から高難易度コンテンツをクリアするとか、強いキャラを使って効率の良い攻略パターンを構築しようとか、そういう目的を持つと途方も無い育成計画で吐血します。好きなキャラ、スタイルを自分のペースで育てて、強くなったのを見てニンマリする、試しにちょっと上の難易度に挑んでみよう…を繰り返すような遊び方ができる人は続くでしょう。幸いにもストーリーと戦闘システム以外は原作愛に溢れています。
「ちょっと待て、こうは考えられないだろうか…『キャラ育成自体がエンドコンテンツ』なんだと」
「それってつまり…」
「そう…実は俺たちは、ロマサガRSを始めた瞬間からエンドコンテンツに足を踏み入れていたんだよ!!」
「な、なんだってー!?」