【レビュー】大型DLCを控え格安でばら撒いているDivision2は楽しいぞという話

ゲーム

風邪をひいてどれくらい経ったでしょうか、通常なら1週間程で完治するのですが今回はずっと咳と痰に苦しめられています。1ヶ月ぐらい続いていて、しかも現在進行で喉の痛みがぶり返しているという状況。コロナの検査キットでの検査はしていませんが、レントゲンで肺炎はなかったので違うと信じたいです。弱っているところに感染というパターンもあるのでとにかく気をつけたいですね。

さて、3月3日にDLCを控えているDivison2、そのための施策かコンシューマ版もPC版も捨て値レベルでばら撒いております。私はPC版をわりと早い段階で購入しておりますが、みんなでマルチしたいので身内を誘いPS4版を最近買い直したわけです。先日Distiny2のレビューを書きましたし、スタイルとして近いこのゲームもまとめていきたいと思います。

いいところ

カバーアクション主体のTPS

最近のTPSはただの撃ち合いではなく様々なアクションができるタイプが増えてきています(革命を起こしたのはGears of Warかな?)Divison2も例にもれず様々なアクションがありますが、その中でもやはりカバーとそれに付随するアクション(障害物を乗り越えたり車のボンネットを滑ったりetc)でしょう。別に今となっては目新しいものではありませんが、気持ちの良い動きでプレイヤーを「俺上手いんじゃね!?」て錯覚させるのが上手です。

ちょっとでも囲まれたり強引に攻めたりするとあっという間に溶けるバランスなので、ジリジリ射線の通らないところを見つけながらカバーして戦線を上げつつ、慣れたら状況を見つつ一気に近づいてショットガンで速攻、とかいうこともできて、シューターにありがちなエイム力云々より立ち回りや知識が重要になる、というタイプのシューターなのが良いですね。

MO+TPS+RPG+ハクスラの複合ジャンル

昨今はDistiny2やらボーダーランズやらブレイクポイントやら、シューター+複合ジャンルが増えていますがDivision2もビルドや成長要素、数字を上げていく面白さがあり、共闘プレイの楽しさがあり、ハクスラの楽しさがありと流行りにのっかりつつ程よい完成度で仕上がっています。ボダラン3がね…ちょっとユーザーの望む方向とは違う方に向かっちゃったのでその受け皿の1つとしては良いです。

きれいなグラフィックと世界観

グラフィックは圧倒的!というわけではないのですが、かなりきれいなのに「軽い」というのが素晴らしいです。また、世界設定がまさに現代ですから現実に見慣れたオブジェクトが多いわけで、それらが廃墟となった街に転がっている風景はとても美しい。ストーリー自体は洋ゲーらしく暗いのですが、世界自体は鬱々としているわけではなく綺麗で、青空もあって、動物もたまに居て…という感じで結構癒やされるところもあります。

広いオープンフィールドとランダムなアクティビティ

歩きまわってアイテム収集しているだけでもそこそこ楽しいですし、そこかしこでランダムにイベントが起きているので散策に退屈しません。まぁイベントの種類自体はそこまで多くないので慣れてくるとルーチン処理みたいになってきてはしまいますが。

スキルによる多様な戦い方

TPSとなると基本は銃撃戦と思うかもしれませんが、敵を追いかけるドローンを使うとか、タレット置いて自分は安全地帯へ退避(あるいは囮にして回り込む)とか、アーマーを無視する毒ガスを撃てるとか、敵を追尾する手榴弾を投げられるとか…味方を回復させるスキルもあるので支援するのが好きな人はそういうビルドが組めますし、特殊なop付きのエキゾチックと組み合わせていくと、最終的に殆どスキルだけで立ち回れてしまう通称「スキルマン」になることも可能です。まぁこれは割とエンドコンテンツに足を踏み込んだ世界の話で、ストーリー進行中はどうしても銃撃戦メインにはなりますけどね。

賛否両論

ダークゾーンがね…

このゲームは基本はPvEなのですが、コンクリフトという従来の対戦と同じようなPvP、そしてPvPvEのダークゾーン(以下DZ)があります。んでこのダークゾーンがDivisonシリーズの1つの特徴でもあるのですが、その在り方というか特徴というか…vPというよりPKエリアなんですよねここ。

DZは特有のドロップ品があり質も高いので、ハクスラ効率を上げるためにここでエネミーを狩るのが目的になるプレイヤーも多いです。つまり「vPは別に好きじゃなくエネミーを狩るためにここに来ている」という層がいるエリアなのですね。ただルール的には追い剥ぎ(ローグとなってプレイヤーを襲う)が可能なので、望まないプレイヤー戦を強いられてしまう、という状況も起こりえます。一応DZより高難度扱いの「占領DZ」というものが設けられ、仕様上対人戦そのものを楽しみたい人はそちらに行く傾向が強いです。が、所謂「弱者狩り」や「集団強盗」が好きな層が通常のDZに留まるわけです。

海外での意見を見てもDZのvP要素はあまり望まない声も多く、DZ内で他プレイヤーと会っても撃ち合いにならないことも結構あります(そもそもそういうプレイヤーはローグ化したくないでしょうし)。あくまで効率よく装備を集めるためにDZに来ているのでしょう。

このような不確定の対人戦要素はソウルシリーズの闇霊等がありますが、あれは侵入側が基本不利であるからこそ(あまり極端に)嫌がられない、という部分があると思います。DZのローグは多少システム的に不利になる部分はありますが、そのエリアで遊ぶ目的からするとエネミー狩りをしているエージェント側の方が常に周りを警戒しなければいけない、下手したら徒党を組んだローグに襲撃されるという精神的不利状況になっているわけです。ひどいとずっと一緒に協力してくれていたのに、アイテム回収終わった途端ローグ化してこっちに爆発物投げ込んできて全部奪っていく、なんてプレイヤーもいますからね。

一応「ゲームの世界観的にそういった緊張感があってもいい」というのが開発の見解で、むしろDZでもっと遊んで!というふうにテコ入れしているのですが、いまいちDZ人口は増えない、というのが現状です。エージェント側がローグを狩るメリットをもっと大きくすればいいんじゃないかな、とも思うのですが。そうすればローグも狩られる恐怖と戦うわけですし、ローグを狩るため目的でエリアに来るエージェントも増えるでしょう。vE目的のプレイヤーを守りたい、という奇特なエージェントは確実にいますから。

vEのためにDZに入る人は野良でもいいので基本グループを組みましょう。4人で行動していればそこまで襲われません。まぁ相手も4人組のローグの場合撃ち合いになることもありますが、通常DZに籠もるローグは「対人戦が好き」なわけではなく「状況有利な相手を屠るのが好き」なので、条件が不利、あるいはイーブンな相手は殆ど襲ってきません。そういった「碌でもない相手に撃ち勝つ&自衛する」ところも含めてこの世界観設定、ゲームとして1つの特徴となっているといえばそうなのかもしれません。

店売り強くない?クラフト強くない?

ハクスラも1つの売りなのですが、掘るより買ったり作ったりした方が強いんじゃね?というところがあります。まぁ完全にランダムドロップ一強になるとひたすらプレイしたプレイヤー、運が良いプレイヤーと、ライトプレイヤーの格差がどんどん広がってしまうので、そういったところに対するバランス調整の意味合いがあるのかもしれませんが、強い装備が掘らずに手に入るというのはちょっと残念なところでもあったりします。

やることがルーチン化する

これはもうジャンルの宿命と言うか…むしろそれ求めて遊んでいるんだろ、と言われたら反論はできません。が、ストーリー進行中から基本敵拠点の制圧→開放、パークを開放するSHDキャッシュ集めに駆けずり回り、クリア後はギアスコアを上げながらミッション周回という形になりますからね。そう考えるとたしかにDZの存在は緊張感があって良いのかもしれません。ゲームに置いてルーチン、パターン化しないものはプレイヤー同士の絡みが発生するものですから。

単調な演出のストーリー

要所要所で解禁される要素やエリア、ミッションがありますが、基本はレベルさえ足りていれば好きに攻略できるオープンワールドタイプです。自由であるが故に1つ1つのミッションは内容が基本完結型ですし、メインストーリーもお使いをこなして進んでいくだけ、ムービーも少ないのでどうしても単調にはなりがちです。とはいっても、このゲームのシステムと需要から考えれば過多な演出やムービーは望まれていないと思いますけどね。同タイプのゲームとして同社のゴーストリコン:ブレイクポイントがありますが、あちらは割とストーリー重視の演出多めタイプでした。

だめなところ

たまに起こる理不尽湧きからの死亡

ミッションやフィールドアクティビティでエネミーの援軍が現れるものがあるのですが、たまに自分がカバーしている周辺からいきなり湧き出てきて一気にフルボッコでやられることがあります。これはミッション系なら記憶してパターン化できるのですが、流石にフィールドのランダムアクティビティだと全部覚える、というのはなかなか難しいですし、ゲームバランス上本当に逃げる間もなく落ちますからね…。

一応、湧く少し前からレーダーにエネミーの反応が出るので、見てからすぐ動けば間に合わないこともないです。

キャラがバタ臭い

どんなに頑張っても可愛い、綺麗な女性は作れないです。うーん、洋ゲーはいつまで経っても…。このゲームに限らず色んなゲームのPC版を見ると、大抵美形MODがありそのダウンロード数はとてつもなく多いです。なので別に日本人の美的感覚が特殊、というわけではなく単に作り手の問題。まぁあっちはポリコレとか日本以上にうるさいですから、そのあたりへの配慮なんでしょう。

ちなみに男性の場合、端正な顔立ちの爽やかイケメンは無理ですが、ゴツゴツ厳ついダンディイケメンは簡単に作れます。

ドレスアップ要素が中途半端

衣料品、という形でキャラを着飾れるわけですが、ファッションアイテムの種類とデザインが偏っていて、その上にアーマーやパッド等の装備がかぶさってくるわけなので、「うちのキャラの見た目良いだろ!?」て楽しみ方は殆どできません。

UIの見辛さやアクセスの悪さ

PCモニターで遊ぶ分には良いですが、CS機でテレビで遊ぶとそのダメさが際立ちます。文字サイズもそうなのですが、半透明背景に白文字、というのが割と視認性悪いですよね。また、援軍要請が「スタートメニュー→ソーシャル→△ボタン」だったり、MOD付け替え操作だったり、アクセス頻度の多い要素が直ぐに触れない、というあたりがちょっとストレスです。

一応UIはカスタマイズが可能なので、自分が見易いようにいじったほうが良いですね。

ロードが長い

最近の大型タイトルのレビューするとき毎回この項目ある気がします、言ってしまえばそれだけ今の時代のゲームではネックになっているものなんだと。まぁこのゲームの場合、PC版と比較した際のPS4版の話です。無印+外付けSSDでやっていますが、PCのHDDインストールより遅いかな…。

ビルド幅が狭い

これに関しては各要素やスキルの数、パラメータの設定、装備のop等トータルのバランスによるものなのでどこを直せば、という簡単な話ではなくなってくるのですが、所謂ハクスラを売りにしているそのほかのゲームと比べるとかなりビルド幅は狭く感じます。

導線(チュートリアル)が分かりづらい

これは私自身ではなく、購入を促した身内の言葉を聞いていて思ったことなのですが、ボイチャを使って色々と説明しないと理解していない要素やアクセスの仕方がわからない要素が多々ありました。別にゲーム初心者というわけではないのですが、洋ゲーに慣れている人は特に説明せずとも問題なく、逆に洋ゲー慣れしていない人は説明が必要だった感じです。多分チュートリアルの考え方というか、導線の置き方が日本のそれと洋ゲーではちょっと違うのでしょう、先に挙げたUI周りの造りもそうかな。私は慣れているのか麻痺しているのでしょう。

総評

このゲームはUBISoft制作(開発会社はマッシブ)なのですが、UBIは相変わらず「どっかで見たゲームのどっかで見た要素を綺麗にまとめる」のが上手いと思います。アサクリオデッセイとかもそうだし…安定して60~80点を出せる秀才君な感じ。Divison2も一つ一つに目新しさは欠片も見当たりませんが、うまく相互作用して(そして一部は悪く相互作用して)程よくまとまっている印象です。

個人的にはマルチが気軽なのは嬉しいですが、難易度ヒロイックやレイドとかになると結局ボイチャできっちり攻略固めないと辛い=身内かコミュニケーション取れるパーティを組め、という話になるので野良勢にエンドコンテンツは辛いです、だからわざわざPS4版で身内を誘ったわけで。…それでもソロヒロイック攻略とかやっている人は居ますけどね。