最近仕事もずっと忙しいし、体調も回復してきているとはいえ万全ではなくなかなかつらい状態が続いておりますが、生存報告も兼ねた記事投稿です。
注文して1ヶ月、ようやく新しいノートPCが届きました。間に国慶節を挟んでいるので通常ならもっと早いのでしょう。この記事では全体的なレビューというのはやりません、そういうのは大手レビューサイト様に任せればよいのです。ある程度簡単に流しつつ、個人的に気になったのは「サーマルスロットリングは起こるのか」という点でしたのでそこに重点を置いて書いていきます。最初の方は関係ないことをダラダラ書いていますので、結果だけ知りたい方は目次から飛んでくださいね。
これで外でも仕事ができるぞ…(ワーカーホリック)。
買ったマシンのスペックについて
外でどんな作業をどこまでするかによって必要なスペックは変わってきます。私は仕事上マシンをぶん回す作業(作曲、デザイン、動画編集、写真編集等)が多く、容量もそこそこ必要で、それらを外出先でどの程度どこまで行うのか、というところで選択に悩みましたが、その結果考えるのがめんどくさくなり特盛のプラチナモデルを選択しました。
CPU : Core i7 10510U(Comet Lake)
メモリ : 16GB
SSD : 512GB(NVMe)
グラフィック : GeForce MX250
SIM対応モデルもあるのですが、そちらはなぜかスペックがMEM8GB / SSD512で打ち止め、カラーもシルバーのみとなっていて断念しました。買った構成にそのままSIMスロットが付けば本当に最高だったのですが。
スペックだけ見たらもっと上のマシンもあるのです、でもモバイルという観点で見るとやはりサイズと軽さはかなり重要な項目で、軽く、小さく、薄く、スペックもあり、価格も安め、デザインも悪くない、というところで絞っていったらDELLのこのマシンしかなかったのです。ちなみに今使っている母艦(i5 4670)より性能が上です、技術の進歩は恐ろしい。
ちなみにOSはHomeです、「開発やるのにProじゃないのかよ!」てツッコミも聞こえてきそうですが、Hyper-Vが動かなくてもWSL+UbuntuでDocker入れられますからね。スペック的にはWSLじゃなくてVMでもいいですし。
購入金額について
増税前の20%オフセールで発注しています。まぁDELLはしょっちゅうセールをしていますが、20%はほぼ最大の割引幅なので悪くはないでしょう。
本体価格 : 133,038円
LINEショッピング還元 : 13,303円(ポイント)
イオンクレジット還元 : 10,000円
その時やっていたキャンペーンを併用し2万円は返ってきます。イオンクレジットは銀行登録もすれば20%まで上がったようですが、一つの請求に付き最大1万円ということで結局還元額は変わらないみたいだったので10%で通しました。最初はSurfaceとかMacBook Proの特盛を考えていたのですが、同じぐらいのものを求めると25万超えますからね…。
サラッと簡易的に見ていきます
筐体サイズ
極小幅ベゼル採用ということで、14インチでありながら筐体自体は13インチのサイズ感を実現しています。比較に旧MacBook Air 13と重ねてみました。
液晶
液晶はマニュアルだと「MVA」と書いてあり「こんなVAパネルあったっけ?」と調べたりしましたが、どうやらこれは「Multi View Angle」の略らしくパネルの種類ではないようです。で、種類自体はIPS?というのを見ましたが、不確定な情報なので公式に問い合わせるのが確実だと思われます。また、グレア液晶しかないのでノングレアにしたければフィルムとか貼るしかありません。Macもグレアですが、あちらみたいに反射防止の処理とかそんなことされていませんのでガッツリ映り込みますよ。
比率は16:9、解像度は1920×1080のフルHDです。4Kはこのモデルにはありませんが、消費電力や実際の作業効率を考えると4Kの必要性はあまりないように思えます。16:10か3:2だったら尚良しでしたが、まぁそこまでは求めません。
ちなみにアイキャッチの写真はすでに反射防止フィルムを貼ったあとです。素の状態でも撮ったのですが映り込みで色々見えてしまうのが恥ずかしくて…。
キーボード
言わゆる右詰めタイプ。タイピングしづらく感じる人もいるようなのですが、私は大丈夫でした、普段の癖とマッチしているのでしょう。キーピッチは19mmで13インチサイズとしては標準だと思います。ストロークは浅めで、良く言えばMacのMagic Keyboardのような感じ、悪く言えばそれの出来損ないのような感じ。この記事、試しにこのパソコンで書いていますが、流石にデスクトップと比べるとかなり打ちづらいですね。
色域
色域はsRGB100%ということです(マニュアル転載)、実際のチェックはレビューサイト様に丸投げしとうございます。
重量
今回これが非常に魅力的なところでもあって、これだけ盛って1.1kgなんです。もっと軽いモバイルノートは他メーカーでもあるのですが基本価格が跳ね上がる印象。ちなみに同時発売の13インチのモデル(7391)は955gという軽さのようですが、多少なり画面は大きくしたかったのと、購入前にレビュー掲載があり、サーマルスロットリングで性能が発揮されないという記述があり14インチモデルを選びました。
本当は実測値を載せたかったのですが、1kg以上測れるスケールが無くてですね…こちらもレビューサイト様にお願いしとうございます。
PD対応のThunderbolt 3端子
これも魅力の一つです、充電端子がUSB-CでThunderbolt 3(PD対応)なんですよね。今はまだ価格が高く、相性もあるのですぐには難しいですがドッキングステーションと併用すればかなりの拡張性が見込めます。そうでなくてもPD対応のハブでかなり周辺機器の接続が楽ですしね。モバイルバッテリーで充電可能なのも素晴らしいのですが、GPUを積んでいることで65W以上の出力が必要です。このクラスの製品はまだ市場には少なく、そこそこ高額になるのでまだそこまで実用的ではないですが、アダプターに関しては窒化ガリウムの超小型アダプターが出てきていますから、持ち運びの際の助けとなるでしょう。充電端子がUSB-Cだと社外品も調達しやすいのが魅力ですね。
各種ベンチマーク結果
ここから本番です、レビューサイト様のように色々なソフトを使っているわけではありませんが、それぞれ見ていきましょう。
CINE Bench R20
温度の方はベンチが終わった直後のスクショになっています。10510Uはまだベースとなるデータが少ないのですが、同じくDELLのXPS 7390で「1717」のスコアを記録している記事を見つけています。また、i5の10210Uのデータや幾つかのベンチマーク結果を調べて比較したところだいぶ低い結果が出ているようです。性能が発揮できている10210Uよりと同等か、下手すると負ける、という辺りにいます。CPU温度を見るとMAXが100%到達しているのでサーマルスロットリングが起きている可能性が高いですね。
ちなみにマルチとシングル両方出ていますが、マルチのあとに一回冷ましてからシングルを動かしています。
CINE Bench R15
現在はR20が主流ですが、比較にはまだまだR15を使われることが多いと思いますので両方やりました。やはり低めの結果ですね。
PASSMARK
こちらは意外にも高いスコアが出ています。PASSMARK公式のこのCPUの平均スコアは記事執筆時点で「9515」です。
ドラゴンクエスト10ベンチマーク(フルHD、最高品質)
こちらはグラフィック性能です。CPUと同じくその他のベンチマーク結果より低めだと思います。MX250に関してはフルHDで最高品質設定で12000弱のスコアが世に出回っていますから、1万を切るとなると結構控えめな結果だと思われます。GPU温度を見ると特別高くなってはおらず、CPUが100%ですからやはりCPUの冷却が間に合っていないように思えます。
FF14漆黒のベンチマーク(フルHD、ノートPC高品質)
こちらもDQ10と似たような結果です。スコアは本来5300台までは出るGPUなのでやはりCPUがボトルネックになっているのだと思います。
SSDベンチ
問題ないでしょう、スクショを取り忘れましたがこのベンチ直後に温度を確認したら48℃でした。
稼働時間チェック
これは時間がかかる作業なのでパスさせてください。一応持ち出して文書作成とウェブ回覧程度のことをしましたが、5時間ほど使って10%減るかどうかというところでした。その際、画面の輝度は10段階中1(つまり10%)、バッテリー動作の設定は動作時間優先モード(低パフォーマンス)で運用しています。
ちょっと気になること
CPUだけあっという間に温度が上限に達するのに対して、GPUやMVNeのSSDにだいぶ余裕があるのが気になりますね…。それこそゲームのベンチはGPUの方が負荷が高くなるはずなのにアイドル状態+20℃ぐらいに収まっていますから。もしハードの冷却性能が追いついていないということでなければ、GPUもSSDももっと熱を持ってもおかしくないです。だとするとこの個体がなんらかの不良を抱えているか、ソフト的な問題でクロックダウンが起きているか、という可能性もあるかもしれません。後者だとしたら(DELLが頑張れば)今後のアップデートで解決されるかもしれないですね(過去、i9のMacBook Proはソフトウェア・アップデートでサーマルスロットリング問題を解決した経緯がありますし、HPのノートもBIOSアップデートでサーマルスロットリングがマシになったという事例があります)。
総評
カタログスペック通りの性能が出ていないのは残念ですが、それでも(スコア上は)母艦より処理能力が高いですし、少なくとも出先で私がやりたいことは一通りできるではないかと思われます。また、平置きでベンチを動かしたので、もう少し冷却に気を使えば性能が発揮されるかもしれません。
普段外でベンチマークほど負荷がかかる作業をするかと言われれば…ありません。動画編集が一番重い作業になりますが、あくまで簡易編集程度ですしエンコードは行いませんから。数日仕事でも持ち運びましたがそもそもファンすら大して回らないことが多いですね。
ちなみにこれとほぼ同等のスペックで、かつ性能が発揮できるマシンが欲しければマウスコンピューターの「DAIV-NG4300S1-M2S5-KK 価格.com限定モデル」があります。CPUが二世代落ちますがこのマシンは他レビューサイトにてCPUベンチスコアがこのマシンより高いことを確認しておりますし、重量も1.13kgと軽く、価格も安いです。正直ほぼ上位互換ですが、私は見た目のデザインが嫌でこちらにしました。
DAIV-NG4300S1-M2S5-KK 価格.com限定モデルあとは浮かせたりクーラースタンドを使った際の温度変化や、CPUのアンダークロック、あるいはプロセッサの動作状態を100%から下げて設定してどういった変化が出るかまでは見ておきたいところです。
※追記(冷やしてベンチ)
底上げだけではかわりませんでしたが、プラス扇風機(MAX)でスコアが上がりましたのでその結果を。やったのは2つだけです。
CINE Bench R20
ドラゴンクエスト10
行ったのはこの2つですがわかりやすい結果となりました。これでも温度自体は100度到達してしまっているので、やっぱ冷却性能が足りていないだけですね。ファンが1つというのも物足りないですが、このタイプの後方排気はディスプレイに遮られて熱が滞留しやすいので、設計上あまり良いとは思えません。…こうなると、CPUのクロックを意図的に抑えて温度が上がりにくいようにした方が、調整次第ではありますがベンチもより良い結果が出るかもしれませんね。
※追記 最終的にわかったこと
これで追加編集は最後です。色々と試しましたがこの機種を扱うにあたっての結論を書かせていただきます。
強制冷却をしない場合は基本2.2~2.3Ghzでの運用になる
どうあがいても熱問題をクリアできないようで、ターボブースト(以下TB)を切って運用すると上限が2.2Ghz、有効でも結局サーマルスロットリングで下がってしまって2.3Ghzあたりで落ち着くので、これがこの機種の基本スペックになります。この状態だとCPU温度も70度前後で安定するようなので機器寿命を考えても最初からTBしない使い方をした方が良さそうですね。高負荷な作業をするときは何かしら冷却できる環境を用意して運用しないと意味がないと思います。
ちなみにゲーム系のベンチマークはTB無効のほうが高い数値を出しました(しかもそこそこ差がある)。
現状アンダークロック、アンダーボルトはできなさそう?
intel XTUは対応しておらずインストールができません。Thrrotlestopは上限設定をイジっても反映されていないのか、普通に4Ghz超えまで上がってしまい、熱に負けてサーマルスロットリングが発生します。うまく調整して3Ghz&温度80度前後を上限に持ってこれれば良かったのですけど。まぁこれは他のオーナー様が試してくれるのも待ってみましょう、なにか方法があるかもしれません。
ベンチ結果的にはどのPCも似たようなものだった
前述した通りPassmarkでは平均値より高い値が出ており、Geekbench 5も試し他のPCと結果を比べてみましたが、みんな似たようなものでした。Geekbenchの方は公式サイトで他オーナーのベンチマシンも見ることができるのですが、Inspiron 7490はほぼ3000~4000の間に収まっており、私のPCでは3775を記録しています。その他の10510u搭載PCの結果を見ても大体がこのあたりに固まっていて、一部のマシンが4000超えのスコアを記録している、というような状況です。そもそもTB有効な状態で性能を発揮できるPCの方が極一部ということなのでしょう。