先月37歳を迎えたわけですが、当日は喉の痛みと39度後半の高熱に耐えて寝ておりました。今まで生きてきて一番最低の誕生日だったと言えるでしょう。熱が引いて仕事に復帰してからこの記事を書き始めているタイミングで2週間以上経過していますが、まだ喉のイガイガ感と若干の咳に悩まされています。これってコロナだったのかなぁ…。ちなみに嗅覚や味覚異常は感じておりません、ご飯美味しいです。
さて、鳴り物入りのAAA大作として期待されていたこのStarField、当ブログでは、ボリュームが多く遊ぶのが大変なAAA系はあまりレビューしないのですが、ずっとベゼスダゲーを追ってきている身としてはやはり書いておくべきだろうということで、とりあえず一通りの要素自体は確認できたかなという進行度での評価を出したいと思います。ちなみに基本バニラ状態に対してのレビューですので、最後の余談でちょっとmod(パラメータ調整)を入れた感想も書いておきます。
ちなみにメインストーリー自体のネタバレはしませんが、ゲームのシステムの一部がストーリーの展開と紐づいてしまっているためそのあたりどうしても触れざるを得ません。知りたくない人はブラウザバックです。
最初に1つ大事なことを伝えておきます。総評まで読んでいただければ理由もわかってくると思います。
10時間耐えろ、遊び方がわかってくる
良いところ
整った顔立ちのキャラメイクがしやすい
洋ゲーかつベゼスダであることを考えれば大した進歩だと思います、FO4からいくらかマシになってはいましたけどね。
バックボーンの作り込み
遊んでいて「◯◯ってどうなってるの?」「なんで△△は☓☓なの?」みたいな疑問が色々生まれてくるのですが、基本ゲーム内で全部理屈と歴史込みで説明されています、多少強引なところもありますが。特にメインストーリーや勢力クエスト等普通に遊んでいれば触れる可能性が高いクエストに置かれているので見落とすこともないでしょう。
クエストの分岐の豊富さ
さすがベゼスダゲーと言ったところでしょうか、ここはより進化していると言っていいでしょう。そこら辺を歩き回っているだけでタスクが発生し、そのタスクを消化したらクエストが発生し、そのクエストをクリアしたら数珠つなぎのように他のクエストに派生したり、その結果が更に一見関係なさそうなクエストやNPCとの会話に影響したりします。まぁ一部本当にただのお使いクエストみたいなものもありますけどね。
NPCの会話パターンの豊富さは過去随一
味方NPCは好感度によって微妙に雑談の口調が変わりますし、ロケーションや施設1つ1つで固有の会話パターンが存在します。更にメインや派閥だけではなく、かなり小さなクエストでも固有の会話パターンが存在し、そこに自身のクリアしてきたクエストや今の地位、特性や状況が影響して変化したりもします。
そしてそれが「同行するメインNPCの分全てに」用意されているという恐ろしさ。つまり全く同じ状況でも連れて行くNPCを変えればまた違う会話が聞けるというわけです。
クエスト会話に割り込んできたり、場合によっては連れている味方に説得を任せたりすることも出来たりととにかくNPC周りは凄く手が混んでいます。全会話を把握するのは数百時間プレイしても無理なんじゃないかなって密度です。
賛否両論
世界観はスペースオペラではなくハードSF寄り
要は「規格外の大きなモンスターや生物」とか「異星人や知的生命体」的な要素はありません、て話。その世界の中で構成される科学で説明が付く範囲の事象に収まっています。マスエフェクトとか好きだった人はがっかりするかもしれません。
敵AIは多少賢くなっているかも
基本ベゼスダの敵はガバガバな動きをすることが多いのですが、それでも進化はしている印象はあります。撃ち合いをしていて場が悪いとすぐ引きますし、逆にこっちが待ち姿勢になっても結構待たないと追いかけて来ません。半ステルス状態で視認できていなくても、弾が飛んできた方向(つまりこちら)に対してある程度あたりを付けてブッパしてきたりもします。
ただ一旦退却するときの移動距離はなんとかならんものか、豆粒になるまで離れるのはちょっと追いかけるのだるいです。
主人公の初期状態はだいぶ弱いし何もできない
過去作だとデフォルトでできていたことや、これぐらいは最初からできてもいいじゃん!て思うことがスキル扱いになっていたりします。スキルを習得していけば順当に強くなりますが、1レベル1ポイント、かつ30レベルぐらいから(普通にプレイをしていたら)上がりづらくなってくるため、習得したいスキルを限定してもけっこう大変です。例えば、それなりに身体能力を上げてパイロット系技能を習得すると、とてもじゃないですけど科学技術や戦闘技術を磨くことなんてできません。拠点作成、宇宙船デザイン、装備のクラフトや改造等も全部スキルで制限されてしまっているので、何でもできるマンを作るのはだいぶ時間がかかります。
言い換えると、主人公像を予め設定して「ロールプレイ」するのであれば「最初はろくに何もできない」というのは活かせるシステムです。
そこかしこにポリコレ臭がする
細かくは書きません察してください。悪いところとして書くつもりもありません、価値観は多様なり。
コンステレーションメンバー(メインの仲間NPC)の考え方が似たりよったり
主人公が取る行動や選ぶ選択肢に対してどういう感情を持つか、だいたいみんな一緒なんですよね。ベースとして「基本善人だが目的のための汚れ仕事はやむを得ない」という感じで、その上に個々の性格が乗っかってきています。つまり多少差はあれどみんな「非道行為をすると常に文句を言ってくる」ということです。
百歩譲ってメインストーリーに関わるコンステレーションメンバーにネジが外れたNPCが配置できなかったとしても、それ以外のNPCで悪いこと(例えば街中で銃をぶっ放して大量虐殺始めたり)したら一緒にノリノリになったり、放っておいたら近くで盗みやスリを働いてプレイヤーに「こんなの取ってきたぜ」なんて嬉しそうに報告するようなのが居てもいいですよね。
コンステレーションメンバー以外にも酒場とか行くとクルーに誘えるNPCやサブクエストの選択肢次第でクルー化するNPCはいますが、好感度システムは無いですしあまり喋らないですよ、例のタマネギ以外。そっちの方が良いっていうプレイヤーも多そうですが。
カイザーくんを自由に連れ回したかった…。
深掘りできるNPCは少ない
上で上げたコンステレーションメンバーだけですね。良いところに書いた様々な会話パターンの変化や好感度システム、結婚できるのもこの枠組みの中だけで、その人数は少ないです。とは言え、かなり膨大なセリフパターンが用意されているのでこの人数でも大したものだと言わざるを得ない。
ただもったいないなぁと思いますよ。追加で仲間になる他NPCとかも結構色々背景持っているんですよ、深掘りできたら面白いだろうなーと。
常識人が多い
TESとかFOに比べると「真っ当な倫理観」を持っている人が多いし、基本秩序を守る動きが全体的にあります。まぁ中世や世紀末と比べたら、戦争があったとはいえ近代の延長にある未来を描いている以上そうなるのも納得できる範囲のことかと。
生活感が薄い
お店の営業時間の概念とか、NPC毎の行動ルーチン的なところは劣化…おおっと、シンプルになっています。買い物をする際営業時間まで待機したりする必要がなくなりましたが、逆に自宅を空ける時間に泥棒に入るとか、寝ているときにスリをする、みたいな遊び方ができなくなっています。あと雰囲気として「NPCが生きている、生活している」という感覚が凄く薄くなっています。
シップビルダーはかなり沼だが慣れとコツがいる
沢山のパーツから宇宙船を作れるのはかなりロマンがあります。組み合わせ自体は結構自由度が高いのですが、「ちゃんと離着陸できる」「武装が装備されている」「重量問題が起きていない」等の制約もあり、やりたい放題できるというわけではないです。
また、操作性は癖があり慣れるのに少々時間を要するでしょう。パッド操作だと特に大変そうだなぁ。
問題があるとすれば内部構造の方ですね、中のベイがどう繋がるのかビルダーからは確認できず、繋がり方に一定の法則があるのでそれを理解できないと、実際組み上げて中に入ったら「なんでこんな繋がり方しているんだ…?」になる可能性があります。
DLC前提と思われる要素がちらほら(ネタバレ注意)
ヴァルーン教信者絡みが自分のプレイした限りだと全然掘り下げがないのと、宇宙戦争や、その時代の封印された技術やメック等も歴史として触れられているだけなのでDLCあたりでお披露目になりそうな気がします。
周回引き継ぎ要素(ネタバレ注意)
周回する際に引き継げるのは主人公の成長した部分、つまり「レベル、スキル、研究進捗、パワー(目覚めた特殊能力)」だけです。いくら資源を溜め込んでも、かっこいい船を作っても、大規模な拠点を構築しても、全部なくなります。
そうすると考えるのは「じゃあ周回要素が全部完了した回でやり込むか」みたいな話になるのがゲーマー視点だと思うのですが、そもそもそれが難しい設計になっています。パワーのみに焦点をあてても取りこぼし無く11周必要なんだったかな、確か。周回で変化する会話やストーリーパターンはかなり膨大で未だに全部発見されていないみたいですし。
メタ的にはただ周回なのですが、ゲーム内的には「人を捨て、高次元存在(スターボーン)となり別宇宙に旅立つ」ということになるのです。単純にやり直すのではなく時空自体が変わっているため、メイン、サイドのクエスト含め、そもそも同じストーリーにならない場合もあります。クエストの選択肢も「既に見てきた存在」としてスターボーン固有のものが追加されるわけです。前の周でどういう行動を取ってきたかも影響しているようです(プレイした範囲でしかわからないけど、かなり色々なクエでの選択肢が相互に影響している模様)。
これって言い換えると「プレイヤー自身がNPCとの交流や積み上げた資産(今の時空)に未練があるなら周回は選ぶべきではない」というメッセージでもあり、ゲーム内主人公とプレイヤーの葛藤がリンクする瞬間でもあるんですよね。ベゼスダもそれを狙っているような気がしてならないのです。
私もとりあえず3周目までは行ったのですが、すごく虚無になるんですよ。所謂引き継げる要素=積み上げる目的があるものになるわけで、自ずと力を求めるだけのプレイになるわけです。NPCに対しても「こいつは前の宇宙のやつとは違うんだよな…」となってしまって愛着が消えるし、何かしらの絡みで選択を失敗しても「じゃあ次の宇宙に行けばいいか」みたいに投げやりな感じになってしまうし、それも含めてゲーム内の、最初はムカついていたその他スターボーン(ハンターさんとか)の考え方が理解できるようになってきてしまうという。
ということで1周目のデータに戻ってきて「人間として」色々とやり込んでいる最中なわけです。周回後の会話やストーリーの変化パターンが気にならないわけではないですけどね、まだいいかなって。
ゲーム的に言うと、資産を引き継げるようにとまでは言わないけれどもせめて宇宙船の設計図(プリセット)とかは持ち込みたかったですね…あれすごく時間かかるので。
悪いところ
UIが全体的に酷い
10人中9人ぐらいは不満として上げそうです、ベゼスダはわざとUIを使いづらく作らなければいけない縛りでもあるんですかね?過去作でも散々指摘されてきて、しかもMODでユーザーに評判がいいUIがどういうものかわかっているのに頑なに参考にしないんですよね。
アイテム一覧の視認性の悪さ、武器ごとの対応弾薬の残数、回復アイテムと食料のカテゴリが一緒、等上げると他にもまだまだあって本当にきりがないぐらい出来が悪いです。基本バニラで遊ぶ予定の人でもStarUIのmodは入れたほうがいいと思います。
あまりにも説明不足
チュートリアルがあっても全然説明が足りない、特に宇宙での操作が煩雑ですし、研究開発、拠点造り、シップビルダー、進める毎に色々開放されていきますが、基本投げっぱなしにされますし、そのタイミングではわけがわからないでしょう。ヘルプから一通り確認ができるので、めんどくさがらず読んだほうがいいです。でもヘルプにすら書かれていないこともあります(スラスターの使い方を書いているところゲーム内に存在しなくない?)。
あまりにも導線が弱い
序盤にプレイヤーをゲームの世界に「引き込む」演出ってやっぱ必要だと思うんです、この手のゲームなら尚更ですし、ベセスダゲーはそのあたり手を抜かない印象があったのですが、今作は本当に弱いですね…。
ちなみに自由行動になってからのクエストや探索に対する導線も弱いです。まぁ多分、コンステレーションメンバーになったあとバンガードの勧誘までは強制で受けるので、そのままバンガードクエに行くのが想定された序盤ルートではあると思います(バンガードクエの最序盤で歴史のお勉強、宇宙戦の練習があるしね)。
メインストーリー中盤ぐらいでこれまた強制的に懸賞金が掛けられるので、それでUCに補足されてUC – 紅の艦隊クエにいくのも想定ルートだと思います。
それから、各街に初めて入ると大体何かしらのクエストに巻き込まれる or 話しかけられるNPCからクエストが発生することが多いのですが、それらはこなした方がいい気がします。大抵その街の施設案内や歴史紹介を兼ねていることが多いんですよね。
意味を見いだせない要素は開発の事情?
例えば宇宙船のファストトラベル(グラブドライブ)にはヘリウム3という燃料のが必要とヘルプでもNPC会話でも説明しているのに、実際一回のジャンプの上限としてしか機能しておらず、結果として「遠くに行きたい場合は連続で何度もFTしなきゃいけない」「一度に飛ぶ距離が遠い星系に行きたいとき」というぐらいの制限にしかなっていません、補給する必要性が無ければ燃料のシステム自体要らない気がします。
こういった要素がちょっとずつ色々なところにあり、全体的にシステムが噛み合っていないところが散見されます。
拠点?ただの資源生産工場だろ
拠点づくり、て言うとマイクラとかやっている人にはなんか夢が広がる言葉に感じるじゃないですか。残念ながら資源を効率よく集めるための工場でしかありません。Factorioみたいに無茶苦茶濃いわけでもないです。ちなみにシップビルダーと同じく特有の癖があるので慣れるまで大変。
憶測なんですが、おそらくこの辺りの要素って燃料の概念があったからこそ生きるはずだったと思っています。最初は近場の星にしか移動ができずそんなにポンポンとグラブドライブ連発できるようなものではなかったんだろうと。拠点を作って燃料の確保が出来るようになって、確保できる資源も増えてきて宇宙服や武器を強くカスタマイズして、段々と移動できる星系の範囲が広がって…みたいなゲームデザインしていたんじゃないかなぁ、そう思われる痕跡が沢山あります。
家に大した価値がない
何がだめって、基本アクセスが悪い。正直FT一発で飛べて無限保管庫があるだけでかなり利用価値が上がると思うのですが。
食料と料理が死んでいる
効果1桁間違ってんじゃね?てぐらいしょぼくてフレーバー要素にしかなっていないですね…関連スキル上げれば底上げはされますがそれでも足りない、そもそもそんなスキルに貴重なポイントを割けるかって話。
弾薬種類が多い上生産ができない
なんでこんなに細かく分ける必要があったのか…拾える弾薬がバラけるので全体的にストックが心もとなくなりがちで、生産もできないので基本買い回ることになります。ある程度進めていくと11mm、7.77mm、3KV LZRがやたら拾いやすくなるので、それらがメインの銃を使うことになるかなぁ。.45口径のピストルとか見た目はオールドで好きなんだけど弾薬が手に入らなさすぎてメイン武器になりません。
宇宙の広大な感じが表現しきれていない
惑星間航行が現実的じゃない時間がかかる結果、ほとんどの移動がファストトラベル(FT)になってしまっていて、ぶつ切りの世界を渡っている印象しか無いのです。離れた星系に移動するときもFT→FT→FTの繰り返しで、その時タイミングが合えば敵船団とかその他商人、友好的な船に出くわしたりすることもある、て感じ。
広大な宇宙の海を航行していたら誰かに会いました、なんか変な星見つけました、放棄された宇宙ステーションを見つけました、みたいな感覚では無いのです。
ロケーションパターンが少なすぎる
このゲームの惑星マップに関しては自動生成と言われています、初めて訪れたときに固有施設がランダムで生成され、それは以後固定、着陸してからの探索エリアは訪れるたびに再生成されるわけですね。問題はそのパターンの少なさです。大体ほぼ荒野ですね。んで500m~2000mぐらいの距離にポツポツと2~3個何かしらの施設や洞窟が存在するだけです、その途中になんかキャンプ跡が1個見つかると嬉しい、ぐらい。変化のない地表をマーカーめがけて走り回るだけの虚無探索が殆どです。
有人星系ですら見つかる民間拠点が1個、廃棄された拠点とかが1個とかあればいいぐらい、あとは虚無です。もっと宇宙を股にかけろ人類。
例えば、灼熱環境の惑星ならマグマが流れる大きな山があるとか、極寒環境の惑星なら天然の氷でできた洞穴とかあってもいいし、過去に人が住んでいた形跡のある小規模な街や村、建物の廃墟があっても良い。温暖な環境ならジャングルの天然要塞とかそういうのを期待してもいいでしょう。
街まではいかなくても道の駅的な民間拠点がもっとあっていいし、無人星系をこれから開拓しようとしていような集団に出くわすことだってあるかもしれない。
他にもUC部隊が自由恒星同盟と複数人でやり合っているところに遭遇したり、スペーサー(荒くれ者)が入植者を狩ろうと追いかけ回しているところに遭遇するのも良い。とにかくバリエーションが少なすぎるのです。一応全く無いわけではなく、歩いていたら怪我している弟を連れた姉が近寄ってきて回復アイテムをねだってきたり、死体が転がっている中で一人生きている人に話しかけたら自分の船まで護衛してくれ、と頼まれたり、訓練施設みたいなものを見つけて、そこでUC部隊がロボット相手に戦闘訓練しているところに参加したりとかはあるのですが…。
宇宙戦がどうしようもなくつまらない
機動力上げてテクニックで華麗に避けながらドッグファイトとか無理です。一応スキルでスラスターとかもあるのですが、敵艦の命中率が高く、ロックオンされてしまっている状況だとブーストで振り切らない限りどんな動きをしても的確に当ててきますし、結局は装甲と火力をマシマシにしてゴリ押しする戦闘になります。
また、編隊を組めるわけではないのでこちらは基本一機です(たまたまその場に味方勢力の艦隊が居合わせない限り)。そのくせ会敵するとだいたい相手が2~3機いるので結構な数の暴力にやられがちです。これを楽しいと言える人、煽りではなく純粋にどこに駆け引きや操作の面白さがあるのか教えてほしいです。まぁそれを言ったら生身での戦闘も大して深みがないシリーズなのですが…。
とりあえず「数的不利」や「スペック的不利」をテクニックでなんとかしようとしてはいけません。パワーーこそ正義、改造するなり強い船に乗り換えて蹂躙しましょう。序盤で改造する資金もなくて…みたいな状況なら難易度ベリーイージーに落とすのもやむを得ない。
精一杯の擁護をすると、キーアサインちゃんとしたAzeron(左手デバイス)を駆使すると、なんかコクピットで操作しているっぽい感覚を得られます(ただそれは他の宇宙ゲーでも同じことなんだよなぁ)。
不死属性が多すぎる
重要NPCとかは過去作でも不死属性がついていたのですが、今作だと名有りがかなりの確率で不死です。おそらくクエストの分岐や派生が複雑になりNPCの関わり方が濃くなったので、進行しなくなったり予期せぬバグが起きたりしないようにする予防策だとは思います。
過去作だと「名有NPCには変わりないけど死んだらそれまで、その人に関わるクエストは永久にできません」で投げっぱなしでしたからね、むしろそっちの方がリアル感あっていいよなぁと思ったり。
プレイヤーが手をくださない、所謂落下や戦闘の巻き込まれ事故死防止のためだとしたら、それは最後の1発はプレイヤーの攻撃でしか通らないようにすればいいだけの話で不死にする必要はないと思うのですがどうでしょうか。
総評
いつものベゼスダゲーではあるがより尖り方が特徴的。その分尖ったところが合うか合わないか。楽しさや興奮の起伏が極端にあるのではなく「75%」の楽しさがずっと続いていて気がついたら時間が過ぎている。
ダラダラと探索する要素ってだいぶ重要だったんだなぁと実感しています。明確に目的を持たず、マップを見ながら「今度はあそこ行ってみよう」が連鎖し、そうするとクエストが勝手に溜まっていくので気になったものを進め始めて世界観を理解したりNPCに愛着が湧いてきたりするんですよね。私にとってプレイする動機であったり、導線がこの探索要素なんです。
TES4やFO3みたいに世界が一気に開けるワクワク感も無ければ、FO4のように最初のクライマックス感や(主人公としての)明確な目的も無く、とにかくゲーム開始時の導線が貧弱で動機付けが弱く、加えてUI死んでおり操作も各要素も複雑かつ説明不足で色んな意味で「わけがわからないよ」が多い状態がしばらく続きます。マップも無いので「次はあそこに行ってみよう」は起きないですし、航行はFT、惑星探索はオブジェクトが少なすぎて虚無、プレイヤー自身が「ある程度目的意識を持って遊ばないと」挫折する率が過去作よりずっと高いと思われます。ここを脱出できるのが大体「10時間」程度かなというところです。
クエストや世界観、会話バリエーション、周回することによる流れや選択肢の変化は流石というところで、一体どれだけの会話やシチュエーションのパターンがあるのかわからないぐらい作り込まれています。自分なりに主人公のキャラ設定をし、それを演じ(ロールプレイし)つつ、NPCやいろんなクエストから見えてくるドラマを楽しむゲームです、正直RPGというか戦闘や成長要素のあるノベルゲー的な感じがしますな、これはベゼスダゲー全般に言えることですが、今作は特にそこに振り切っている印象があります。
探索を楽しみたかったらノーマンズスカイでいいし、宇宙周りや艦隊戦を楽しみたかったらX4、星間飛行のリアルさを体験したかったエリートデンジャラスとかがあるわけで、このゲームにはそれぞれの要素はあるものの基本的に底が浅いと言えます。土台は作ったからあとはMODで細かい要素を追加していってね、というスタンスなんだろうか、基本的にどの要素も「あと1~5歩足りない」というのが素直な感想です。
レビュー本文にも書いた通り、取り返しの付かない選択を迫られるシーンが多く、周回要素における引き継ぎ事項自体がプレイヤーに対しての投げかけであることを考えると、ロールプレイ的な目線では非常に新鮮でした。
ちなみに賛否両論と悪いところの方が多いのはそれだけ尖っているということです。加点方式だと魅力が沢山に見えるのに、減点方式だとクソゲーの可能性すらあるゲームです。
余談
現時点でわかっている自動生成ロジックと憶測の話
惑星の自動生成には「着陸ロケーション」と「探索ロケーション」の2つがあります。
着陸ロケーション
これは惑星に初めて訪れたときに生成され、一度作られるとその周回は完全固定となります。バニラの状態では惑星マップから視認できるのは大抵0~2個(有人星でも0の場合がある)、最大で3箇所見えるようです。ただ、実際は見えていないだけで最大30ほどのロケーションが生成されている模様。
じゃあその「見えていないロケーション」をどう見つけるかなのですが、
- 適当な場所に着陸してひたすら探索する
- 今見えてるロケーションが民間拠点等だったらクエストが発生し、それにより見つかる可能性もある
という感じです。後者をもうちょっと説明すると「とある場所にいるゴロツキをなんとかしてくれ」とか言われ受諾すると、惑星マップにそのロケーションが追加されたりすることがあります。ただ必ずそうなるわけではないのであくまでそういうパターンを引くこともある、というレベルの話です。
また、ロケーション自体に優先度が設定されており、なかなか生成されないタイプもあるようです(所謂ガチャのSSRみたいなもの)。特定のタイプのロケーションが複数存在することで発生するレアなクエストの存在も確認されています。
私が行った内部パラメータの変更は「最初からある程度ロケーションが視認できる状態にする」「生成タイプの係数を変え、レアなものも普通に生成されるようにする」というところでしょうか、これ自体はどのくらいの値にするかで調整が可能です。
探索ロケーション
これは着陸したあと周囲に生成されるスポットや構造物で、離着陸する度に再生成されます。そしてこの構造物には以下2つのタイプがあります。
- マーカーが付与されるもの(洞窟、鉱山等)
- マーカーが付与されないもの(風力発電機みたいなやつ、入植者のキャンプ場等)
バニラのままだと1の構造物はレビューで書いた通り500m~2000mぐらいの区間に平均4つ程度生成されるぐらいで、2の構造物は1の構造物に向かおうとしたときに1~2箇所見つかれば多い方、ぐらいの感覚です。
私がパラメータを弄ったのは、単純にこの構造物を両方増やす値です。着陸地点から見える1のマーカー数と距離は大差ないのですが、かなり歩き回ってもどんどん新しくマーカーが出現するので結構な広範囲に生成されるようになっているみたいですね。また、それらの移動区間に存在する2の構造物は1000mの区間から左右見渡すと5箇所ぐらいはよく見かける程度まで増えました。
もちろんこれも値を変えることで調整が可能です。
色々と封印しすぎだろ
さて、上記2つの自動生成関係をいじった結果ですが、 とりあえず「適当に着陸して探索する」ワクワクが一気に膨らみますし、初めて訪れた有人星系の施設を見て回るのも楽しくなります、民間拠点が増えればそこに色んな船が離着陸する光景が見られるし、商人もいればミッションボードもある、ミッションボードがあればクエストの数も増える、という連鎖が起きるので。
その他、内部データとして燃料の概念とその補給船の存在も確認できたようです。フラグを有効にするだけで弾薬のクラフトもできるようになります。データを追加したり改造したりするわけではありません、上記の自動生成もそうですが基本内部のパラメータを変更するか、フラグをイジってあげるだけです。
自分のスキル、搭乗員のスキル、また装備opもろもろ一部効果が発揮されないものがあり、これもフラグ設定ミスだろうと言われています。
TESやFOでも没データや没クエスト的なものはありました。が、今作はちょっと多すぎる気がします、ゲームの面白さが根本から変わるようなレベルなので。あくまでプレイヤーの自由ではありますが、例えばPVを事前に見ていて、実際のゲーム体験が「これ詐欺だろ」と思う人は上の惑星の自動生成周りぐらいは調整したほうが楽しめると思いますよ。
ベゼスダは何を考えて今の状態をバニラとしたのか?
CS機や低スペックPCで展開する際の負荷やCTD、進行不可バグの回避のために意図的にかなり余裕を持たせた可能性がありますよね、発売前のインタビューで「ベゼスダ史上最もバグが少ない」と言っていたぐらいですから。そりゃ要素を抑えまくったり無効化してりゃバグも減りますよ。それでも初期のパラメータだと虚無過ぎて設定ミスorバグなのでは?と海外(発見者とかMOD制作者)勢からの声は見られます。
あとは…レアなクエストは本当にレアな扱いにして「こんなの見つけたぜ!」ていうSNSでの話題を狙おうとしたとか。
広大な宇宙を追求した結果「宇宙(惑星)の探索は虚無で退屈なものである」という前提になり、なかなかロケーションが見つからない、たまに遠くにいつもと違うロケーションが見えると超嬉しい!というリアル感を追求した可能性もある…のかなぁ…。
燃料や弾薬クラフト系は全体のバランスを考慮した結果廃止しているかもしれませんね。ただやはり、全体的にオミットされた要素を見ると過去作以上に妥協しているところが多いように見えてなりません。
今作を楽しむためのTipsぷ
なんでもできるマンは目指さない
主人公像を想像し、ロールプレイをする意識を持つのが良いと思います。例えば私はベセスダゲーの1周目は
- 見返りを求めない善人、困っている人は無償で助ける
- 戦闘を回避できる手段があるときは極力回避
- 攻撃的でない生物は見逃す、あくまで自己防衛だけ
- スリや盗みはやらない(クエストで依頼され、他に選択肢がない限り)
- どんなにムカつく相手でも自己利益のためだけにNPCは殺さない
- クラフトや改造要素は必要最低限(要は一応できるけど得意じゃない的な)
こんな感じです、どの作品も大抵善人旅人プレイします。悪人プレイやクラフト中心プレイって正直すごくゲームが楽になってしまうんですよ…金もがっぽり稼げるし気に入らない相手は暴力で黙らせられるしで。だから最初は封印しています。それこそStarfileldも良い塩梅で、このプレイだと回復アイテムや弾薬で結構お金を消費してしまいなかなか溜まっていかず、船をCクラスまで改造できる貯金が出来たときは達成感ありました。
また、なにか説得が必要な相手がいるときは、まず会ったときは挨拶をして、相手のことや付近のことを聞き、雑談をして警戒心を解いてから説得に入る、みたいなプロセスを踏んでいます。多分ゲーム的にはこの前置きで説得がしやすくなる要素とか無いんですよ、でも現実だと最初に他愛のない会話をして距離を近づけたほうが相手の人も話を聞く気になるよね?ていう想像でやっています。
テキストを読む、本も読む、NPCの話はできる限り掘り下げる
ベゼスダゲーの強いところってここなので…。世界観をゲーム内要素から理解し、NPCから色々な会話を引き出しながらクエストを進めていくだけで熱中度が全然変わります。目的の場所まで脇目も振らず突き進み、目的のNPCに要件だけ伝えて次のミッションをもらう、みたいなプレイのほうが効率的ですが、本当にただのお使いになりますし、背景が全然見えてこないです。
好みのNPCを見つけて仲良くなろう
いなかったらしょうがないんですけど、いたら連れ回して仲良くなるのが良いです。ロールプレイ的に一匹狼とかしているならその限りじゃないのですが、会話パターンや受け答えの反応がかなり豊富でそれが場所や好感度でも変化していくので見ていて飽きないです。
特性・特徴はパラメータ影響系は優先度低め
ゲーム難易度がガバガバなので、その変化が恩恵になるシーンはあまり無いでしょうし、貴重な枠を埋めるほど重要ではありません。基本クエストの派生や会話選択肢が増えるタイプから選ぶ方が楽しめると思います。
シップビルダーは動力から考えて引き算で組み上げる
これ最初は難しく、やっとこさイジれたと思ったらエラー吐かれたりで色々とハードルが高いです。が、欲しい物をガツガツ積み上げるのではなく、最初にできるだけ良いリアクターを選択し→とりあえず全体の完成イメージに近い形に組む→離着陸ベイ、コクピット等必須なパーツを付け→あとは重量を見つつその中で選べる武装を自由に取り付ける、みたいにやるとエラー発生率自体がグンと減ります。
スキルポイントはプレイ時のストレス緩和ためにも慎重に振りたい
デフォの主人公がヨワヨワなので、できるだけ序盤のうちにプレイが快適になるスキルを埋めていきたいところです、特に宇宙戦のバランスが腐っているので技術カテゴリは優先的に埋めていきたい。以下にあげたものはロールプレイ云々抜きに「ゲームが快適になる」傾向が強いスキルです。
最優先で取りたい
パイロット…宇宙戦を快適にするために必須、上げないとBクラス、Cクラスの船に乗ることすら出来ない
ブーストパック訓練…レベル4のマックスになると地上での移動が段違いに快適になる
照準システム…宇宙戦を快適にするためにほぼ必須
セキュリティ…これをあげないとそもそも高レベルのハッキングに挑戦する権利すら得られない
宇宙船デザイン…これをあげないと強いモジュールを使わせてくれない
重量挙げ…一度に持ち運べるアイテムの数が増える
余裕が出たら少しずつでも振っていきたい
フィットネス…酸素量(走れる距離アップ)。パワーで代用可能だが、いちいち発動するのがめんどくさかったら欲しい、開放チャレンジが重いのでちょっとずつでいい
ステルス(レベル1のみ)…敵に発見されているかどうか判断するため。暗殺プレイをしないならレベル1だけでいい
説得…セーブ&ロードをすればやり直せるがめんどくささが低減される。「結果を後悔しないプレイ」なら要らない、チャレンジ条件をクリアできる状況が限定的なので、取りたいなら早めのうちから開放していく方がいい
医学…回復アイテムの効果アップ&速度アップ。 ただし開放チャレンジが重い 。ツリーで開放されるエンジニア系スキルの前提にもできるので腐らない
自動兵器システム…オート攻撃系(タレット)の強さを底上げする。どうしても宇宙戦が苦手って人はタレットガン積みして任せればOK、これがなくても割りと大丈夫だけど、あるとより安全。ただ、射線に入ってきた味方船に弾を当ててしまい敵対することが起こりうるので注意
※番外 古典SFの小説を読もう
世界観がだいぶ古典SFをベースにしているっぽいので 、知っているとよりStarFieldの世界が面白くなると思います。「幼年期の終わり」「2001年宇宙の旅」「星を継ぐもの」とか本当に必読書レベルのやつだけでも読んだことがあるかないかでだいぶ違うかなと思います。
ジェイムズPホーガンとかアーサーCクラークの作品が好きな人はStarFieldの世界観はハマるのではないでしょうか。