なんか急に暑くなってきたと思ったら、もう5月も終わりで梅雨に入るわけですね。普段なら本格的に暑くなる前にバーベキューとか企画してワイワイしたいわけですが、今年はそういった「密」になることは避けるべきなのでしょう。緊急事態宣言解除とは言うものの、ウイルスが消えたわけでもワクチンが完成したわけでも無いのですから。というか第2波来そうな雰囲気じゃないですかこれ?
さて、今回は私もずっと好きで遊び続けているボーダランズシリーズの「3」をレビューしていきたいと思います。度々他のゲームのレビュー記事で「ボーダーランズ3がちょっとダメなことに…」というようなことは書いていましたので、何がダメだったのかというのもこの記事内にてわかってくると思います。
ちなみにPCのEpic版でプレイしています、別にCSとかSteamだと違うなんてことは無いでしょうけど一応。
良いところ
世界観は引き続き変わらず
マッドマックスのような北斗の拳のような、命の軽い世紀末でヒャッハーな雰囲気は相変わらずです。
小ネタやブラックジョークも変わらず
随所に散りばめられたオマージュ、際どいセリフ、際どいキャラ付け、ブラックジョーク等も変わらず、そしてそれらの日本語訳も頑張っていると思います。
声優の頑張り具合も相変わらず
一部声とキャラの見た目や設定が合っていないようなところはありつつも、基本的に声優がガチっているので、やはり日本語吹き替えで遊ぶのがよいと思います。
サブクエスト「は」とても良い
ここも相変わらずですが、カフェイン中毒で発狂しそうな人のためにコーヒーをテイクアウトしてくるとか、トイレから脱出したい人がそのまま発射して宇宙に行ってしまったとか、生き物が大嫌いで石に異常な愛情を注いでいる人とか、まぁ色々とぶっとんでいますよね、楽しいです。
ロケーションが豊富
今作はいくつかの星をめぐる形になるので、それによって雰囲気がガラッと変わります。パンドラだけでもそれなりに違いはありましたが、もっと大きく変化するのでスケールが広がった感がありますね。
会話中に自由に行動したっていいぞ
これは別に今作の追加要素ではないのですが、NPCとの会話中に相手と離れると端末から声が聞こえるようになるので、会話中でもどんどん移動したり周りのアイテムボックスを開いたりできます。基本ボイス付きのゲームって会話中はキャラ操作を受け付けない、会話はスキップが可能とかそういったユーザビリティしか持ち合わせていないものが殆どなので、これは「声はフルボイスで聞くことができる上に待ち時間が少ない」という良いとこ取りなシステムなのです。
追加されたアクション
ダッシュ時にしゃがむことでスライディングが出来たり、壁に張り付いてジャンプするとしがみついて登ることが出来たりと、小さなアクションが追加されています。特にスライディングは非常に使い勝手がよく、敵の攻撃を躱しながらスピーディに動き回り接近するなんてことがグッとやりやすくなりました。
よじ登りはなんか判定がよくわからないです、確実にいけるだろうというタイミングと位置関係で発動しなかったり。
サクサク動く
別に前作がもっさりしていたわけではないですが、キビキビとスピーディに動いてくれます。
スラグ属性の削除
前作の2は難易度が最高まで達すると、敵をスラグ化しないとまともに倒せないという仕様上ほぼスラグ武器に依存することになります。とにかく武器の持ち替えとかめんどくさかったのです。今作ではちゃんと敵の強さに合わせて武器を更新していけばそういった特殊な手段が要らないので楽ですね。
賛否両論
手持ち枠も金庫もそこそこ充実したが…
前作まではあまりも頼りない所持枠と保管庫(金庫)のせいで常に装備の取捨選択を強いられていたわけですが、手持ち枠も金庫枠もマネーで割と簡単に増やすことができ、金庫は最初からそこそこの数が保管できるため、そこまで武器に悩むことが無くなりました。とは言え、それでもその他ハクスラ系と比べたら頼りない量ですので、結局残す武器は悩む羽目にはなるのですが。
代わり映えのないストーリーの大筋
このシリーズは基本メインの悪役が最初からわかっていてそれを追いかけるという流れなのですが、キャラ自体が変わっているだけで大筋に変化がありません。前作で言えばハンサムジャックに当たる人物がタイリーン姉弟になり、敵企業の戦闘員&バンディットが信者であるチルドレン・オブ・ヴォルトになっただけ。
そして主人公サイドがいくら追いかけても出し抜かれて逃げられる→一番最後で最終決戦という大筋も変わらない。その過程で起きるイベントも2の焼き回しのようなものばかりで特筆する点が見当たりません。いや、むしろ2の方がまだ展開にひねりがあったかな。
これを水戸黄門のように「いや、流れが決まっているから楽しいのさ!」と受け取るか、「いやちょっと変化がなさすぎじゃね?」と受け取るかはその人次第。
相変わらずのメインストーリーのボリュームの多さ
普通にプレイして40時間ぐらいでしょうか、上手い人で30時間、FPSが下手だと50時間とか超える可能性がありますね、RPGを冠しているので特段長いというわけではないのかもしれませんが、ハクスラ系はクリア後が本番と言われるところもあり、そっちがメインの目的だとこの長さは少々堪えます、2週目とか2キャラ目とかで遊ぶことも多いですし…ちなみに初期の頃はムービースキップすらなかったみたいですよ、そりゃあかんわ。
ただ、そのメインが別に退屈なわけではありません、2に比べるとちょっとなーと思うぐらいでそれなりに楽しいですし。エンドコンテンツ目的じゃなくて単にストーリークリアまでとして考えても価格分の価値はあるボリュームです。
敵のエイムの正確さ
前作までに比べて格段に敵のエイムが良くなりました、偏差射撃もびっくりするぐらい正確にしてくるので、ただ1方向に走って逃げているだけだとバシバシ食らってしまいます。ゲームとしては手応えがありますが、ちょっと正確過ぎてストレスに感じることも。
全体的に敵が多い&固い
基本その場にいる敵を殲滅しながら進むゲームですが、前作より敵の数が多いように思えます。殲滅したと思ったら増援が来て「一体いつ枯渇するんだ…」て思うぐらい長く戦闘しているときもあります。また、全体的に適正レベルだと固いです、ストーリー一周目ですら前作の2周目みたいな印象。エンドコンテンツともなると本当に体力バカ。
敵が多ければ撃ちまくれるのでFPSとしてはありなのか、それとも留まる時間が長くてダレてくると考えるか、私的には悩むところです。
高低差のあるフィールド
前作は割と地形がフラット気味だったのですが、高低差や階層の分かれたフィールドが増えました。それ自体は一つの進化と捉えても良いかもしれませんが、悲しいことにMAPが見づらく道の繋がりが分かりづらいので、目的地に辿り着くのに若干手間がかかる印象です。
アスレチック要素
高いところに登るための場所を探したりする要素があります。一応メインストーリー上では無く、収集要素やサブクエの範囲には留まっていますが…。本当にたまーにこういうのがある分には良いのですが、多いとダレてくる印象。基本FPS、TPS系で謎解きやアスレチックってRedditとか見ててもあまり評判よろしくないような気がするのですが、開発側はやたら実装したがりますよね(destiny2とか)。DOOMみたいに探索やアスレチック自体がゲームコンセプトの根幹に紐付けされているのならまた別なのですけど。
悪いところ
シナリオ都合でキャラの性格変えられていないか?
このキャラがそんな発言するorそんな行動とる?というところがチラホラ見られて、シナリオ有りきで一部性格が変えられているような気がします。新規キャラで構成されているのならともかく、基本シリーズキャラが出てくるのでそれまでとの違いみたいなものが見えてきちゃうのですよね。
ああ、でもzer0さんは株上がっているかもしれませんね。
進行中の「○○と話す、〇〇のところに行く」が多すぎる
ストーリーを進めていく上で特定のキャラのところに行って会話する、という指示が多すぎます、とにかくダレる。このゲームは良いところに書いたように、世界観的に会話が全てエコー端末を使って遠隔でできるようになっています。んで、実際前作だとこういった指示は少なく、1つ目的を達成すればすぐエコーから声が聞こえて次の目的に更新される、という風に展開がスピーディだったわけです。
モズの声がね…
先に言っておきます、声優さん自体は悪くない、頼まれた仕事をできる限り全力で投じただけでしょうから。起用したメーカー側に疑問が残る、とでも言っておきましょう。
モズというキャラに関しては、なぜそうしたのかわかりませんが某YouTuberの方を起用されています。声質自体がキャラと合っていないばかりか、申し訳ないがやはり熟練の方と比べるといきなりがくんと落ちるレベルの低さが気になってしまいます。
キャラクター全般に魅力がない
本作が初プレイの人はともかく、シリーズや2をプレイした人からすると過去作のキャラが出てくると沸き立つと思います、言い換えるとそれぐらい今作で追加されたキャラに魅力がない、特徴が薄いわけではないのですが。あ、各武器メーカーの社長とか面白いですし、NPC系は結構頑張っていて全部が駄目ってわけではないのですけどね。
また、前作のハンサムジャックは本当に悪役として強烈なカリスマ性があり大きな魅力を持っていました。ヘドが出るほどの嫌悪感をプレイヤーに植え付けてくるわけですが、(プリシークエルまでプレイした上で)受け入れられた多くの人はハンサムジャックは「嫌いだけど大好き」という感覚に陥ると思います。
対して今作のタイリーン姉弟はどうでしょうかね、なんかガキンチョYouTuberがイキってフォロワーに受けることを繰り返しているようにしか見えません。残忍残虐な行為1つとってもただの遊びでやっているという感覚で、ハンサムジャックが起こす行動とは全然受け取ったときの印象が違います。正直中盤ボスのカタガワ.Jrの方がよっぽど魅力があるし、リースとのやり取りも面白かった。あれは吹き替えの声優さんの力が大きいみたいですが(英語版だと大して人気がない)。
あと「エヴァ」というキーキャラですね、制作的には「精神が未熟だけどイキりたい、実際は世間知らずだけど世の中を知った気になっている、そういった子供特有の生意気さ」というのを表現したかったのだと思いますが、それを愛すには同時に「子供としての愛らしさや可愛さ」が必要になってくるわけです。しかし、実際はその「イキっている(生意気な)憎らしい部分」ばかり目立ってしまっているため、プレイヤー的には全く可愛げがない子供キャラになってしまっています。1割ぐらい子供っぽいデレが見えるところもありますし、最後にはちょっと成長するのですが、基本「なぜ周りの大人はこいつにこんなに甘いのか?ガツンと言わなきゃいけないことが山程あるだろ!」と思いながらプレイすることになるでしょう。
しかもこいつが言付けを破ったせいで…あんなことになり、しかも当人は自分に責任があるとは微塵も思わず見当違いな相手(味方)を攻めますからね。ぶん殴らない周りの大人が本当に不思議なぐらいです。
あまり代わり映えのないグラフィック
元々リアル絵ではないためクオリティの比較がしづらいタイプではありますけど。2と3のスクリーンショットを並べてみると、確かに書き込みも多くなっているし質が上昇しているのはわかるのですが、動かしていてそれを確実に実感できるかというと微妙なラインです。
ナーフに次ぐナーフ
アプデ調整が入る度にビルド環境が変化してしまうというか…一応ナーフはDiablo3とかもやっているので絶対ダメというわけではないのですが、パラメータ等調整の仕方が雑すぎますね。
そもそもハクスラ系は強い装備を掘って理想ビルドを組む、というのがかなり大きな割合を占める目標の1つなわけで、苦労して手に入れた装備がいきなり弱体化してしまう、というのはプレイヤーの意欲を大きく削いでしまいます、だからこそナーフはかなり慎重に行われなければなりません。
「あれ、この武器にこのビルド合わせるとむっちゃ強くね?」てのを見つけるのが楽しいわけですし、それが流行るのもまたハクスラ界隈の醍醐味だったりします。あまりにも突出しすぎるのはともかくですが、運営はどうも「とにかく平坦にバランス良く、色んな武器を使い、色んなビルドが活躍するように」というのを目指しているような感じがして滑っている気がしますね、…そもそもこのゲームはPvPでは無いので、ぶっ飛んだらそれはそれでって感じがしないでもないですが。
メイヘムの仕様
エンドコンテンツです。メイヘムレベルが1~10まであり、レベルが上がる毎に敵にステータス補正が入る&ランダムでこちらが不利になる効果がかかるわけですが、その分質の良い装備と沢山の経験値が手に入るということになります。で、この「ランダムでこちらが不利になる効果」てのが全体的につまらなくしている原因かな~と、この手の不利要素って大抵プレイヤーが自分で数と種類を選べますからね、どうせ自分が慣れた効果が出るまで延々リロールするだけですし、マルチなら待ち時間が発生するしでランダムとか誰が得をするのか。そういうのもひっくるめでぶっ壊れビルドで暴れまわることができればまだ良いのですが、メイヘム10で暴れまわれるビルドはそこそこ限られます、とにかく体力やアーマーがとんでもなく多く硬いので、本当にレジェンダリーの一部の武器とそれを活かせるビルドぐらいしか渡り合えません。「飛び抜けて強い武器はナーフされる」と前述していますが、これに関しては実際は「ちょうど良いと思える強さの数少ない武器がナーフされる」て感じですね。
また、レベルが1~10といっても最終的に10以外存在価値無いですし、ある程度の人権武器とそれを使うビルドが組めたら飛び級でレベルをあげればいいので、死んでいるレベル帯も多いです。武器自体にスコアがあるのだから、それに絡めて段階的に開放される仕組みにすればよかったのに。
Diabloのリフトみたいにステータス補正だけに留めて、あとは延々と高みを目指すようなシステムの方がよかったのでは。
聖別者
バッドアス(雑魚の強いやつ)とボス以外にも特徴のある敵を出したかったのかな、とは思っていますが、こいつらの特殊能力が全体的にストレスが溜まるものばかりです、とりあえずミリタントと紫玉はマジで許さないからな。
敵のスナの正確さとショットガンの射程とロケランの回転率
別にエイムが正確なことも、偏差射撃をしてくることも慣れれば受け入れられます。が、せめてスナはもうちょっとブレても良いと思います、全速力で走っているこっちに対して遠距離からピッタリ当ててくるその能力は何なんだ一体。
また、ライフルみたいな射程距離で撃ってくるショットガンの弾にあたりますし、しかも結構ダメージを受ける、こちらが同じ距離でショットガンを撃っても当たらないor雀の涙のダメージ量です。というか敵に関してはあまり武器種毎の適正距離が働いていないような…。
ロケランはありえない回転率で連発してくるのはどうかと、こっちは長いリロードを一回一回挟むのに。しかも武器特性上むちゃくちゃダメージを受けるので、状況によってはボスよりも雑魚のロケラン持ちの方がやばい、なんてことがあります(というかその方が多いですね、ラスボスよりバッドアス系が2体いるほうが強いです)。
継続ダメージ系の仕様が頭おかしい
浴びている間ダメージを受ける系です、信じられない削られ方します。というかその速度が異常すぎて、敵の出す継続系の攻撃を食らった瞬間ですでにシールドが死んでいて、ライフが半分ぐらい無くなっていたりします。こっちのエレメントダメージとか控えめなのにおかしくない?
最適化が不十分で重い
ゲーム自体がやたら重いです、なんでこのグラフィックとエフェクト処理で?というぐらい。また、表記上60fpsで張り付いているのに可変フレームレートかよ、てぐらい画面がカクついたりすることがあります。
UIが全体的に劣化
まずやっぱり重いです、なぜインベントリがこんなにもっさりするのか。また、MAPも見づらければ細かな操作性も劣化しています。開く機会が多いタイプのゲームジャンルだからこそ、ここは快適かつ見易いというのを重要視してほしかったです。
とにかく細かいバグが多い
アプデに合わせて色々と修正が入ってはいますが、それでもまだ多いです。まぁ洋ゲーはそんなもんと言えばそうなのですが。敵味方問わずNPCが変なところでスタックするとか、マップ開いたらスクロールホイールのズームイン/アウトが効かないとか、字幕が更新されない&関係ない字幕が出てくるとか、衛生マップでは目的地アイコンがあるのに、エリアマップに映るとアイコンが消えてしまう(正確にはそのエリアから行ける別エリアが目的地で、ファストトラベルが解禁されていない場合アイコンが消え、一度エリアに入ると表示されるようになる)とか、マップにサブクエストの!が表示されていない時があるとか、処理が重くなるとゲーム自体がエラー落ちするとか、waveを耐えきる系のクエスト(殺戮サークル)が進行不可になったりクリアしたのに進行しなくてリロードするしか無かったり、アイテムが確定で届かないところに落ちるのにロストルートマシンで確保できない(見過ごしたアイテムから順に確保されていくので大体枠が埋まっている)とか、そんなんばっかり。洋ゲーも沢山遊んできていますが、このゲームはチョット酷すぎてどこまでが仕様でどこまでがバグなのかよくわかりません。
オンラインのチーターの多さ、全体的な民度の低さ
チーター自体の存在はどのゲームにも居るとは思いますが、なんかこのシリーズはやたら多いんですよね、また、全体的にプレイヤー民度も低いように感じます。例えば他ゲームだと、PTを組んだ中に初見さんとかが居ると割とその人にペースを合わせてくれるプレイヤーとか多いのですが、このゲームだと自分のペースで勝手にどんどん進んでヒャッハーするような人たちばかりな気がします。まぁ世界観には合っているのでそういうロールプレイな気もしないでもないですが。
ただ、そもそも人がむっちゃ少ないのですよ…前作は発売から時間が経ってもそれなりに人がいたのになぁ。マッチングシステムが腐っていて、目的を合わせて人を募集したり集めたりすることができないのです、前作も野良マルチは褒められる程良いものではありませんが、なぜ更に劣化をするのか…これがわからない。
総評
良いところの殆どは前作から引き継がれている(守られている)要素で、その他は殆ど劣化している上、運営の調整が雑すぎてどうしてこうなった状態。進化も乏しく既視感が強い、3というより2.7みたいな感じ。
もっと良くできるポテンシャル自体はあるゲームなのに惜しいです。
厳しい評価をしておりますが、ストーリークリアまではあまりナーフとか気にしなくていいですし、一つのゲームとして十分面白いとは思います。ただ、シリーズ作として前作との比較はどうしても避けられないわけで、その点で見ると運営を抜きにしても全体的な劣化、雑な調整の部分が目立つ、と言ったところでしょうか。勿論良くなった部分や追加された要素もあるわけですけど、マイナス面が目立ってしまいますね。
野良マルチ目的だと非常に大きな悲しみを背負いますが、(たぶん)身内でボイチャしながら遊ぶには問題ないでしょうし、それ以上にソロ向きなゲームなので致命的な欠点ではないでしょう。