【レビュー】地球防衛軍4.1の記事を書いたので、そのまま5も勢いでまとめてしまった話

ゲーム

結局そう言うことだぞ、新作IRが出る前に全部書いてしまおう、と言うことでこちらは5のレビューになります。ゲームとして基本的なことは4.1に書いたので、主に新規要素、改善要素についてと、現時点での最新なので各兵科の使用感もまとめてみようと思います、武器の調整評価に関してもそこで。ストーリーに関しても言及しているので、どうしてもほんのりとネタバレはあります。

良いところ

グラフィックは順当に進化している

元々物量にスペックを全振りしているのですっごい美麗、て訳ではないのですが4.1に比べれば順当に進化をしています。細かいオブジェクトも増え、天候にも雨が追加、フィールドに雪が追加され、敵を撃った時の破片の飛び散りや体液の飛散等がより派手派手しくなっていますね。後者は人によってはより嫌悪感が増すとは思いますが。

ストーリー要素が濃く

プレイヤーのチュートリアル兼ねて、戦争に巻き込まれて入隊して〜と言う流れが導入されました。また、ストーリーの進行自体は今までと同じくミッション中の通信のみですが、よりドラマティックに、NPC部隊にも一部個性付けがされていて、エイリアンの成り立ちにも掘り下げが行われ、なかなか頑張っています。展開はそれこそ今までとあまり変わらないですし、細かな描写がある訳ではないですが、そこはセリフと声優さんの演技でカバー。

前作にも増して驚異的な物量攻撃

今回は「え、ここから更に増援来るのかよ!」てシーンが結構あります。しかもその最後の増援がそれまでより数が多いとかえげつない感じに。ただこちらも兵科の基本スペックが上がっているので、体感ではありますが全体的には難易度が上昇しつつも、高難易度後半の理不尽感は減っていて、相対的に過去作よりはINFクリアしやすくなっていると思います。

新規モンスター(エイリアン)追加

2速歩行枠がロボットじゃなくてエイリアンになりました。そしてこのエイリアン、賢いです。攻撃を受けると回避行動をとりますし、近くに射線を切れるオブジェクトがあればカバーアクションもとります。しばらく視線を切るとこちらを見失ったりもするので、建物に隠れながら近づいて近距離高火力で即殺、みたいなプレイも可能に。と言うか高難易度だとそれやらないと無理です。

一部兵科にアクションが追加

レンジャーは視野が狭くなる代わりにダッシュが、ウイングダイバーはエネルギーを消費する代わりに瞬間的なブーストが追加されました(残り2つはありません)。

兵科がそれぞれグレードアップ

それぞれに合った、よりその兵科を便利に扱える補助装備枠、と言うのが追加されました。例えばレンジャーならアイテム取得範囲の拡大他、一部のビーグルも要請できるように。ウイングダイバーならエネルギーコア枠の増加でしょうか。エアレイダーは補助枠こそありませんが、武器3種+ビーグルの持ち込みが可能になり、支援系武器は持っていなくてもリロード可能。フェンサーは重量軽減や移動に使うスラスター&ブースター等を強化できるようになりました。全体的に使い勝手の向上がされていますね。

取得アイテムが使っていない兵科に分配

アーマーや武器が出撃した兵科以外にも割り振られるようになっています。数はランダム?なんとなくですが、その時の成長度が低い兵科にほど割り振られている気がします、気のせいでしょうか。これにより兵科毎に稼ぎをする必要性が薄くなりました(必要ないとは言っていない)。

地底が明るくなりました

ライトが当たっていないところでも見えるよ!よかったね!その代わり夜戦(夜襲)や砂塵マップが追加されました。とはいえ、そういったミッションは少なくアクセントとしては良い塩梅でしょう。

乗り物が全体的に操作しやすくなりました

まだちょっと変な癖がありますが、順当に操作性が良くなっております。

賛否両論

本編でミッション3桁超え

とにかくボリューミー。水増し作業感が増えたと感じるか、遊べる要素が増えたと感じるかは人によって。

威力が距離により減衰したり、残弾数により減衰したり

よりリアル感があるといえばありますね。また、減衰がある武器に関しては相応に強化されています。ただこの要素、ちょっと調整がよろしくないな、とは思いますね。基本このゲームは圧倒的物量をなんらかの手段(機動力、火力、計画性)で防ぎ切る、と言うのが攻略法なので、火力が落ちてしまう武器、と言うのは実質ほぼその最大値に近いところで運用する以外の使い道が極端に狭くなってしまっているのです。特に光子武器の残弾数による減衰は残り半分で威力1/4とかですからね、ちょっとキツすぎる。

武器スペックとかの関係もあり敵との交戦距離が基本的に近距離になることが増え、特に機動力の低いレンジャーが割りを食ってしまっている感があります。

武器のカスタム要素

前作までは拾った武器=スペック固定でしたが、今作はカスタム要素が追加されました。各武器毎に射程距離やリロード速度等のカスタム値が割り振られ、それが大きいほど能力が高くなります。全てが最高値の状態と最低の状態では別武器と言えるほど差があり、育っていない上位武器より育っている下位武器の方が強かったり、最高スペックで使い勝手の良い武器は、そのもののレベルが低くても高難易度帯も持ち出される機会があります。

と、ここまで書いて「なんだ良いことじゃないか!」と思う人も多いでしょうが、問題はそのカスタムの方法ですね。「ドロップのみ」はいキタコレ。同じ武器でもランダムで各カスタム値が割り振られていて、その最大値を更新する時に手持ちの武器がグレードアップする感じです。だから各能力に対して値の大きいものを拾っていけば、いずれは全て最高値のカスタム武器となります。今までとやることが変わらない、結局「良い武器を拾うまでハムハムする」と言う要素が「良いカスタム値を拾うまでハムハムする」に変わっただけ。

更に、このゲームは難易度&ミッションでドロップするレベルの上限が限られていて、カスタム値に関してはその上限アップギリギリ手前が出やすい(有志検証)、とされています。いくつか用意されている稼ぎミッションでは効率が悪かったり、武器レベルとの関係で稼ぎミッション群が存在しないところでハムハムすることを余儀なくされるような状況も。

アイテム取得範囲は拡大した…が…

レンジャーや一部の行動中のダイバーはデフォの状態で自分の少し周りまで拾えるようになり、特にレンジャーは補助装備で最大6倍まで広がります。ただ、結局拾うという行為を脱却することは出来んのかい!ていう。

悪いところ

ストーリーと主人公の辻褄合わせ

より濃くなったことで主人公の「性別」がちょっと辛くなりました、まぁウイングダイバーの事なんですけど。進行上は一人の人間なのに兵科を変えると人が変わってしまうので違和感たっぷり。元々の設定で「ウイングダイバーは軽い女性か、ごく一部の男性しかなれない」となっているので今更設定なんて変えられないでしょうし。通信でも「彼」と呼ばれる時があり、ウイングダイバーで出撃している時は「彼女ですよ〜」て突っ込みたくなります。

ラストのオチが…(軽度ネタバレ)

ちょっと後半の展開が強引すぎますね。サッカーで例えるなら

  • 0-4で負けている状態でロスタイム突入
  • 相手が舐めプしまくっている状態で
  • それでも実力差がありすぎて攻めに行けないので
  • こちらのゴールキーパーがダメ元で直接ゴールを狙ったら
  • 立て続けに5点も入ってギリギリで勝っちゃいました

ぐらいには強引です。最終的にはこちらが勝たなければいけないのはわかっているので、ある程度の御都合主義は仕方ないにしても、ちょっと展開がひどい。11隻ある母艦のうち、主人公の上にやってきたやつがたまたま司令船でしたってなんだよそれ。3のラストもマザーシップ撃墜ミッションですが、あれは「世界で同時に同じミッションを遂行していて、そのうち日本担当がプレイヤー」という状況だったのでまだわかるのです。4は3の続編ということもあってそもそも結構良い勝負していますしね。絶望的な状況を演出するためにあまりにも都合が良すぎる展開になっています。

あ、ちなみにラストの「あれ」はそれほど悪い評価はしていません。というよりSFの世界では「人類の文明は、実は遥か昔に宇宙人がもたらしたものでしたー!」て展開は使い古された王道ですし、大抵極限まで進化した生物はあんな感じの描写をされることが多いです(それか完全な精神体)。

武器の名前を変えるな!

今作は武器の名前が全部違うんですよね、新規の人は関係ないですがとても覚えにくいです。おそらく今までのシリーズ作とは別世界の話ということで名前も変えたのでしょう。1→2は繋がっていますし、3は1のリメイク、4は2のリメイク的な扱いでしたから。「世界が別だよ」て事を演出する以外に、名前が過去作と同じことで生じるデメリットって何ですかね?名前を変えることで生まれるメリットってなんですかね?と考えた時に、説得力のある答えは思いつきませんでした。

細かいオブジェクトは敵になりました

街灯とか信号機とかの細かいオブジェクトが前より増えているんですよね、それはそれでいいことなのですが、誘導ミサイルとかの発射時にとにかく誤爆しやすい。以前はこういったオブジェクトに敵が触れると壊れてくれたのですが、負荷軽減のためかプレイヤーへの嫌がらせかわかりませんが壊れなくなっています、辛い。

グロに拍車がかかりました

破片はそんなでもないよ、でも体液、SEはよりキッツイものになりました。色は赤じゃないので血を連想させることはありませんが。アホか、てぐらい飛び散るのでこれはあれですね、汚いスプラトゥーン。私は平気ですが、やはり苦手な人もいるだろうということで悪いところに分類しました。

やっぱ処理落ち!

ちょっとなら良い、このゲームの醍醐味だ。ただ本当に重くなったりするとフレームレートが落ちすぎて、まともにエイムがままならなくなったりします。

エフェクトで前が見えない

「そういう状況を作ってしまった方が悪い」と言われれば「そういうゲームなんですね」としか返せませんが、前が見えなくてミッション失敗って正直嫌いです。

AIがやっぱりバカ

射線に入るんじゃねぇよ!あといい加減、拘束攻撃受けた時は自分で脱出してくれませんかね…?

兵科雑感

レンジャー…シンプル汎用性高。でも相対的に弱く、初心者と超上級者向け

操作がシンプルで武器種が豊富、近、中、遠と揃っていてシーンを選ばないのが強み、総じて初心者に…と言いたいところなのですがちょっと待て。単体で見れば強くなっているのですが、相対的見て辛い兵科です。要因はいくつかありますがまずは威力減衰の導入。勿論減衰がある武器はスペック高めで射程も長めにされているのですが、それでも中距離運用となると火力不足が目立ち、INF後半やINFオンラインでは物量に押し負けがち。それから武器バランス調整も関係していて、これまで主力武器の1つであったロケットランチャーの弾速が軒並み落ちて使いにくく、同武器の2丁持ちがフェンサー以外禁止されたので高火力狙撃武器を切り替えで連続で打つような事も出来なくなりました。まぁ狙撃武器自体がちょっと癖があるというか、ライサンダーが弱くなり一発で高火力ってのがあまり無く、中〜遠の扱いが全体的に難しくなっています。

強くなったのはショットガン、貫通性能を併せ持ち、かつ射程も全体的に伸びているので、基本はショットガンで近距離戦しながら中距離相手には届く射程で牽制しながら撃ち落とす感じですね、ただ機動力がないので自ずとリスクが高くなります、また、今作ではエイリアン(コスモノーツ、カエルの方じゃないよ)が「早くて固くて高火力」な上、ダメージを受けると距離を取ってきたりするので、打ち損じるとジリ貧にも。バイクの要請ができるようになったので、機動力はビーグルで確保する事になりますね。あとは誘導ミサイルが非常に扱いやすくなっているので、対空戦では唯一無二の強さと殲滅力を発揮します。

NPCの支援要素も、まずどの兵科でもNPCを回復できるようになったので特徴が薄く、補助装備で回復量アップがあるものの、正直それより取得範囲拡大を使ったほうが効率が良い。ただそれを使ったところで根本的に機動力のあるダイバーやフェンサーの方が回収が速い、みたいな状況。あ、でも味方を回復するリバースシューターは高難易度ではかなり輝くぞ!武器枠1つ埋まるけど。

勿論武器特性を理解し、ビーグルを熟知し、ミッションを理解しちゃんと運用できれば良いのですが、そこに辿り着くのが大変。「レンジャー弱くないよ!」て言っている人たちが軒並みINF縛りとかやる層な辺り「あっ(察し)」て感じですかね。入門〜低難易度攻略か、逆に使いこなした上澄みの人たち向けの兵科でしょう。

ウイングダイバー…デメリットが気にならない初心者向け

一番初心者向けです。操作も比較的シンプル、圧倒的な機動性と火力。物量で押してくるこのゲームは機動力も火力も生存に大きく貢献します。難点である打たれ弱さ、これは頑張ればアーマー回収で克服できますし、そもそもあまり攻撃に当たる立ち回りをしない兵科ですし、高難易度ではどの兵科も食らうような立ち回りをしていたら死ぬ、という事で、正直気にならないですね。基本遠距離狙撃も苦手ですが、一応射程のある武器もありますし、近づいて一撃離脱、みたいなのが簡単にできる機動性能なので相性の悪い敵が少ないです。中距離武器も、正直レンジャーより使い勝手が良いものが多いような…。

空を飛べるということはマップの全容を把握しやすく、敵や味方の増援の湧く位置を確認するのにも役立ちます。アイテムの回収もしやすいので取りこぼしが少ないです。

尻フェチにはゲーム画面がずっとご褒美だ!初心者が迷ったらウイングダイバー!!

エアレイダー…後半ほど快適になる上級者向け

当人の戦闘力はほとんどカスみたいなもので、支援と乗り物を駆使する兵科です。今作は両方とも仕様の変更、改善により使いやすくなりました。支援攻撃は威力減衰のない高火力の遠距離武器みたいなものです。時間リロードは遅いものが多く、功績値リロードは計画的に敵を殲滅していかなければいけないのでやはり上級者向けであることは変わりません。戦局を見誤って物量で押し込まれた時のリカバリーはほぼ期待できないスペックですしね。

序盤は装備全体が貧弱で射程も短かったり範囲が狭かったり、ビーグルも鈍重で扱いにくいものが多いです。火力こそ同じレベル帯の他兵科よりは高いですが、そもそも低難易度では火力不足になること自体がないですし。

一転して高難易度では安定感が光ります。武器も強く、遠距離で高火力&広範囲を叩き込めるのは非常に心強い。ビーグルも高耐久(それでも溶ける時は溶ける)高火力で機動性も初期より高いものが多いので操作もしやすい。そしてゴリ押し戦法はどの兵科でも通用しないわけで、最初から戦略を立てて戦うことが前提のエアレイダーは後半になればなるほど強みを増します。

フェンサー…操作さえ慣れてしまえば無双の中〜上級者向け

高火力、高耐久、でも鈍重…というのがフェンサーの立ち位置なのですが、残念ながら機動力もあるのです。前作と違い、ジャベリンキャンセルが武器種削除によりできず、スピアキャンセルも硬直が長めで実用性が落ちたのでお気軽というほどではないのですが、補助装備でブースターとスラスターの回数を増加させるものがあります。とりあえずそれぞれ2回以上できるようになると重さは全く気にならなくなりますね。むしろ前作と違い、キャンセルのために要らない武器を装備する必要がなくなり幅が広がっております。なので辛いのは補助装備が無い本当に最序盤ぐらいでしょうか。

武器も基本火力高めで押し負けることはなく、仮に負けてもガンガン距離稼いで引き撃ちができます。シールドも高レベルフルカスタムとかになると異常な固さになるので火力タンクという馬鹿げた役割も担えます。強いて苦手な面を上げるなら対空に弱いことぐらいでしょうか。一応誘導ミサイル系、斬撃を飛ばすブレード系が対応できますが、他兵科に比べると殲滅速度が劣ります。

同時に持ち込める4種の武器と癖のあるスラスター、ブーストジャンプを使いこなさないと本領を発揮できないので操作難易度が高いのですが、それさえ克服してしまえばまぎれもない最強兵科でしょう。多分こいつだけアーマードコアの世界から出張してきています。

総評

ストーリー性も濃くなり、全体的に兵科も強化され使いやすく、様々な新要素も追加されました。でも何でしょうか、ちょっと調整が大味というか、雑な印象を受けます。特に新要素周りはまだ改善の余地があるだろうなぁっていう。

ただ、じゃあ5と4.1だったらどっちが面白い?と聞かれれば間違いなく5の方が面白いでしょう(個人的には)。そういう意味ではシリーズを重ねる毎にちゃんと進化しているわけです。ただ、今後続けていくならもうちょっと抜本的な修正や改善が必要になってくるかな、と思っています。マンネリ感というのもありますしね。新作であり外伝でもあるIRは結構挑戦的なことをしているようなので、期待半分不安半分です。

PS Storeにてスプリングセール中は50%オフ!フリプの4.1を遊んでみて目覚めたら5も初めてしまったらどうでしょう。軍人はいいぞ!ただし、死亡保険には期待するな!