【レビュー】時期的に今更だけど今遊んでも十分に面白かったスプラトゥーン2の話

ゲーム

少し肌寒くなってきました、過ごしやすい気候ではあるのですがあまり秋っぽさを感じないのは私だけでしょうか?秋、と言えば色々な秋がありますよね。仕事柄あまり外に出ないわけですが、今年こそ紅葉の写真を撮りたいものです。

さて、よくよく考えたらこのブログでは備忘録記事は書いたのにちゃんとしたレビュー記事を書いていませんでした。基本アプデも終了し、今はほそぼそとした武器バランス修正のみとなっているので評価が大きく覆ることもないでしょう。ということで書いていきます。

概要

こんな有名なゲームに説明いる?

とりあえず書きますと、WiiUの時に初代が発売されたIPで、任天堂の中では若くて新しい方のコンテンツです。シューター系といえば基本銃で撃ち合うリアルなゲームが主だった時代に、インクを撃ち合うという優しいルールで親御さんも安心なシューターとしてデビューしました(初代発売後すぐにGocco of warとかも出ているので、同時代に同じ発想はあったのでしょう)。

また、「塗る」という行為が戦局や勝敗を左右することや、潜ることで速く移動できたり壁を登れたりと、これまでのシューターには無い独要素で独自の面白さと技術が必要なゲームとなっています。姿が見えれば撃って当てられるシューターとは違い、各武器毎に射程の概念があり、逆によくあるヘッドショットという概念が無いことで、非常にアクションゲームに近い立ち回りと考え方も要求され、ゲーム性で言えば現在唯一無二と言っても過言ではないでしょう。

良いところ

インクリングがとにかく可愛い

プレイヤーの分身となるキャラクター(アバター)ですが、本当に絶妙に可愛い、男の子も女の子も可愛い。DLCを買い、進めることで使えるようになる「オクタリアン」も可愛い。イカす!

実はシリアスで造り込まれた世界観

ヒーローモードを進め、ミステリーファイルを見つけ、DLCであるオクト・エキスパンションを進めるとわかってくることですが、むちゃくちゃ設定が濃いです。スプラトゥーンの世界の成り立ちからインクリングの歴史、オクタリアンの歴史、シャケの歴史、バトルとそのルールの歴史、それぞれの戦争etc…とにかく1つ1つの要素にきちんと裏設定があり、マップ1つ取ってもそれを知っているかどうかでちょっと面白さが変わります。

ゲーム上意味のなさそうなオブジェクトですらちゃんと意味があったりして本当によく考えられています。

「イカす」BGM群

ゲームのアバターである「イカ」をもじって「イカす」と表現することが多いこのゲームの世界ですが、一言で言えば超オシャレ。

「イカす」ファッションアイテム

ファッションと言うかそのまま自分の強さに直結してしまうのですが、単純に自分の好きな見た目を目指して吟味していくのも大いにあり。非常に沢山の服、靴、アクセサリ(帽子、メガネ、その他)。また、後述するギアを装備する形になるのですが、ある程度遊んで必要なアイテムを溜めていけば好きに組み合わせることが出来るようになってくるので(とはいえ理想ビルドには時間がかかる)、「このアイテムの見た目好きなのに、自分の武器とギア相性が悪いんだよなぁ」ということが無いので大変良いですね。

ギアによるビルド

武器毎に特色はあるのですが、更に装備に付けられる「ギア」によって自分なりのビルドを組むことができます(と言ってもほぼ戦い方毎の最適解がネットに出回っていますが)。

ギアは装備1箇所につき最大4つ、1つ目だけ効果が大きいのでそれらを考慮して自分なりに伸ばしたいメリット、消したいデメリットを考えながらビルドしていきます。基本普通にバトルをしているだけではランダムでしか付かないのですが、専用のアイテムとお金を消費することで意図した形で揃えていくことが可能です。

インクの撃ち合いと塗り

銃ではないので非常にカジュアルですし血生臭さがありません。また、普通の銃ではできない「塗り」という要素がゲームの大きなオリジナリティにもなっており、相手を倒す以外にも勝敗を左右する要素があることで、独自の知識と技術が必要になってきます。

ナワバリバトルが3分

カップラーメンの待ち時間で1試合が終わる、というのが非常に気軽に遊べる要素になっています。内部的なレートはあるようですが、基本マッチングにしか機能せず対外的な成績には一切関係がないので手持ちの「ギア」を育てたり、新しい武器の試し撃ち等も気兼ねなく行なえます。

手軽すぎてある意味一番の時間泥棒だったりする…。

ルール毎に必要な要素が違うガチマッチ&リーグマッチ

一定エリアを自軍の色で守り続けるガチエリア、フィールドに散らばったアサリを相手のゴールにシュートするガチアサリ、持つと重いけど強い「ホコ」を相手陣地の指定の場所まで持っていくガチホコ、決まったルートを動くヤグラを自軍の色で守りながら相手の陣地まで送り込むガチヤグラ。

全てのルールで求められる知識と立ち回り、相性の良い武器とそれに応じたギアというのが変わってきて、エリアが凄い上手いからアサリも上手い、とはいかない世界(とはいえ土台技術がある人はだいたいどのルールも一定以上ランクが高いけど)。

武器の種類とバリエーションの多さ

普通のライフルのように使えるシューターや、スナイパーな能力が問われるチャージャー等は勿論ですが、このゲームだからこそ実装できているだろうタイプの武器も多く存在します。

私が特にオリジナリティとして優秀だと思うのは「近接武器群」の存在ですね。ローラーや筆はまさしくスプラトゥーンの世界観、かつゲームルールと仕様だからこそ生まれた武器でしょう。シューターでも殴りとかナイフとかあったりしますが、割と近接はおまけでそれ自体に1つの武器として必要な立ち回りを要求される、なんてのはなかなかありません。最近のバトロワ系だと近接武器結構実装していますけどね。

また、現実とは違う世界観だからこそ洗濯機や傘等をモチーフにした武器が生まれるのでしょう、それらも元ネタになっているものの特色が上手い具合にブレンドされていて本当に良く出来た武器だと思います。

これだけでイクラでも(シャケだけに)遊べるサーモンラン

基本チーム戦によるPvPのゲームですが、陣地に攻め込んでくるシャケを撃退するサーモンランというモードがあります。こちらは4人で協力するPvE型で、延々とこれだけ遊ぶプレイヤーがいるほど中毒性が高いです。

メインのPvPほどマップの種類や攻略の多様性があるわけではありませんが、武器が選ばれた4種のうちランダムで持たされることや、難易度の変動幅が下から上までかなり広いことからNPC相手と言っても作業になるようなことはありません、どうしてもある程度のセオリーとかパターンはありますけどね。まぁ味方が人ですし、プレイすればした数だけ違う動きになり臨機応変の対応力も求められます。

アプデで武器の修正をちゃんとしてくれる

基本的には「強すぎる(環境)武器」が弱体され「弱すぎる武器」が強化される感じで、中間にいる多くの武器は触れられないですね。ただこの修正によって今度は中間にいたとある武器が次の「強すぎる武器」に躍り出たりしているので、本当に均等なバランスというのが実現できているわけではありません。ちょうど私が買ってハマっていたときはチャージャーやジェッスイが強い遠距離環境だったのですが、最近復帰して情報調べたらそれらが軒並み弱体化されていて近況理環境になっているみたいですし。

とはいえ、メインのアップデートも終了した後なのに放置をせずバランスに手を入れてくれるというのは非常にサポート体制としては手厚いのではないでしょうか。

賛否両論

ヒーローモードがあまり面白くない

一人で遊ぶシングルモードですが、難易度も絶妙だしシングルならではのギミック攻略やマップ構造、探索要素等充実してはいるのですが、いかんせんあまり面白くないのです。

ただ、このゲームによって世界観とか色々わかってきますし、対戦にも重要な基本的な操作や立ち回りを学べますし、武器種毎の大雑把な扱い方と特性も学べますし、とりあえず通しでクリアしておくとだいぶ違います。

スーパーサザエの入手手段が

サザエは良いところに書いた「任意のギアビルド」を組むためには必須のアイテムになります。基本はフェスに参加して、より高ランク称号獲得できればその分沢山貰えたものですが、そもそもメインのアップデートが終わってしまいましたからね…。リバイバルフェスを期待して待つしか無いですし、それも無かったらどういう形で入手できるようになるのでしょうか。初代ではナワバリでの一定勝利数で獲得できるように調整されたようですが。

身内と遊ぶのに色々と制限が

ナワバリ…フレンドが入っていると次の試合から合流が可能、しかし敵になるか味方になるかはランダム

ガチマッチ…そもそもフレンドと遊べない(たまたま一緒になるというのは低い確率だけどある)

まぁ身内とチームを組んで遊びたい場合はリーグマッチなり行ってね、て棲み分けなのでしょう、ガチなんかはそれこそ個人の力量を測るためのものでしょうしね。リーグマッチとサーモンランは予め部屋を作って先に合流してからマッチング開始できるので。

シューターガチ勢ほど最初は違和感を覚えやすい

このゲームをFPSやTPSの延長線上にあると捉えてしまうと失敗します。確かに撃ち合うゲームでエイム力も必要で、マップを覚えて構造物を利用して、というセオリーは通じるのですが、塗りによる陣地の拡縮と、伴う移動手段とスピードの変化は完全に応用が効かないですし、何より射程と近接武器の存在が非常にバランスに対する影響が大きく、考え方としてはアクションゲーム寄りです。

「相手が見えれば撃てば届く」とか「頭を撃てば確殺できる」とか、そういう部分に慣れている人ほどプレイフィールが全然違うな、と感じると思います。

結局キルが勝利を生む

ガチマッチは勿論のこと、最終的に塗り面積で勝敗が決まるナワバリでも「最終的にはキルが一番安定した勝利につながる」というバランスになってしまっています。まぁちょっと考えればわかることなのですが、相手が生きているままの塗り合いというのは、仮にこちらの方が塗り性能が高くても武器毎にそこまで極端な差があるわけではないので中々広がっていきません。対してキルをするということは「数秒間塗りもキルも出来ない状態を相手に与える」ということです。

また、チーム戦というのは戦力が人数と素直に比例するものではなく2乗に比例します。例えば、1対1が2対1になった場合、戦力差は2倍ではなく4倍になるのです、詳しく知りたい人は「ランチェスターの法則」でググってみてください。勿論これは「互いが見渡せる場合」に置ける戦力差なので、常に全員が対面していない以上常に適用される法則ではありませんが、少なくとも4対4のチーム戦で1人が数秒でも欠ける、というのがどれほど手痛いことかわかるでしょう。

ちなみに「塗りしかしていない人」と「キルしかしていない人」というのは論外で、あくまで参加者全員が「比率に差はあれど塗りもキルも行なっている」という前提の話ですので、超初心者帯とか偏ったプレイスタイルの味方がいる場合になるとまた理屈が変わってくるかもしれません。

今までのシューターとは違う方向性のゲームでありつつも、結局は撃ち合い系対戦ゲームとしての基本的な枠に収まってしまっているんだなぁというのが嬉しいような残念なような、という感想ですね。個人的に思うのが、スペシャルが「もっと本当にスペシャルな性能」であればひたすら逃げながら塗りまくってスペシャル溜めてブッパすることで、キルをしなくても(ナワバリなら)勝つことができる、て方向も生まれてたかも、ということです。ちなみに初代が割とそういう方向性だったとかなんとか(未プレイ勢)。

ナワバリバトルは最後の30秒

何もしなくていい、というわけではありませんが、ナワバリバトルは性質上2分30秒までは適当に気を抜いて遊んでいても、最後の30秒きっちり働けば勝利できます。逆にどんなに有利でもその30秒でキルされてしまったりすると巻き返されます。「最後までわからないから面白い」と思うのか「積み重ねが簡単に無かったことにされてしまう」と思うのか、というところですね。

マリオカートで言うなら最終ラップまでずっと1stだったのに、いきなりカミナリや赤コウラ、トゲコウラのコンボを食らってゴール直前に引きずり降ろされる感じでしょうか。試合中でのことにしろそれまでの練習やプレイ時間にしろ、「過程」に置ける努力がちゃんと結果に反映されるようにすればするほど実力主義になってしまってカジュアル層は離れてしまいますし、あまりに運要素が強すぎると中間層が離れてしまいます。ちなみに完全に運要素で決まるわけではない限り、ガチ勢や上澄みはその中で勝ちをもぎ取るほど世間離れした強さを手にしてしまうので離れないです。

まぁ最近のPvP系ってみんなそんな感じですけどね。「Lv1~10の人は下手なのに稀に勝てて楽しい、Lv11~Lv70の人はビリからトップまで振れ幅が凄い、Lv71~100の人はどんな不利な状況でも立ち回りで勝ってしまう」みたいな。

まぁ成績が残らないナワバリですし、ガチマッチはきちんと最初から全力で戦わないと勝てないルールですからこれでいいんじゃないかな。昔のクイズ番組とかで「最後の問題はポイント○倍!」みたいなやり方でひっくり返ってしまうのを何となく思い出しました。

悪いところ

起動時のニュースが飛ばせない

地味に長いのです、別にニュースで教えてくれなくても困らないことしか話さないですしね。これ、相当数のユーザーが要望として投げているっぽいので、それでも無くならないということは「どんだけユーザーにとって不利益だろうが絶対消したくない開発の拘り」なのでしょう。

ブキチの説明が長い

自身のランクが上がる毎に買える武器が増えていき、その際ブキヤに訪れた時に解禁された武器の説明が入ります。しかしこれがまた長い。

ブキチ自体がそういう(オタク的な)キャラ付けだから、というのはあるのだとは思いますが、うっかりしばらくブキヤに顔を出さずランクを幾つも上げてしまった場合、ひたすらAボタンを連打して聞き流す作業が待っています。

試し撃ちの仕様が不親切

試し撃ちは武器の感触を確かめる他、本気で上位に上がりたい場合は練習場所として通わなくてはならない場所です。ただ、武器の切り替えが面倒くさいのです。一番理想なのはいちいちロードとか挟まずに、武器を切り替えたらその場で瞬時に持ち替えてくれるって仕様ですね。

見えないレートと不明瞭なマッチング

色んなところで「懲罰マッチング」とか「勝ち続けると露骨に弱い味方と組まされる」とか聞こえてきて、マッチングが不公平である、というのがもう定説っぽくなってしまっています、いやまぁ私も不公平だと思っている側ですし、このゲームは「近い実力帯の人と戦って勝ち進める力がウデマエ」ではでなく「弱い味方をキャリーする力がウデマエ」だと認識していますが。

で、マッチング仕様も公開されていないですし、本当に信憑性のある検証データも未だ無いので真実は闇の中、なわけですが、その中でもある程度データを基準に検証したものでは「勝ち越し(敗北ポイント)データが内部的に存在しており、それも見ているような挙動はあるが優先基準として選んではおらず、敵味方共に5分の割合で強い人が割り当てられている=勝ち続けたからと言って露骨に不利なメンバーのマッチングに放り込まれた形跡はない」という結果が出ていました(ただサンプル数が少なく信憑性が低い)。

じゃあ何で色んな所から不満が出ているのでしょう?私は「試行回数の少なさによる確率の偏り」「内部レートとウデマエの乖離」「実力者分布がピラミッド型」「人間は悪いことの方が記憶しやすい」という4点が絡み合って生まれているのだと思います。

試行回数の少なさによる偏り

基本的に確率が関わるものは試行回数が少ないと偏りが発生します。マップがずっと片方ばっかり、とか経験ありますよね?単純に相性の悪い味方、武器種格差等、部分的にランダムに引き当てられる部分がたまたま偏った、というケースです。同じマップを3回連続で引き当てるなんてこと誰しも経験していると思いますが、確率で言えば6%程度です。50%の確率ですら収束するのに384回必要なわけで、それ以外の様々なランダムな要素が絡んでいるのにたかだか数百や数千の試行回数で収束すること自体がおかしいのです。

内部レートとウデマエの乖離

そもそも実際の内部レートが見えないというのが非常に問題なわけですが。ウデマエと一言で言っても実際にはマスクされたレートを参照しているようです。試合前にチームの平均ガチパワーが表示されますが、あれが内部では実際個々に存在していて勝敗によって上下しているのですね。で、例えばウデマエがA+帯と一言で言っても1600~1700が中央値でそれだけでも幅が広く、中にはそれを下回る(1400台)&上回る(1800台)ガチパワーの人も同じA+帯に紛れ込んできたりします。1400台はB~B+の中央値ですし、1800は普通にS帯の領域です。私はB帯にいた時に1700オーバーのマッチングに放り込まれたこともありますし。

自分がたまたまキャリーしてもらって上がっていてもガチパワー自体が実は1500で、1800の人と対戦になったら正直勝負にならないぐらい実力に差が出ます。でも表向きは「A+帯のガチマッチ」なので、何でこんなに味方が弱いんだ、何でこんなに敵が強いんだ、という不満が出てくるわけですね。

一応平均値が近くなるようにマッチングはされているようですがあくまで平均値です。4対4である以上「みんなが近いガチパワーなら問題ないけど、一人平均を引き下げる(下手)、あるいは引き上げる(上手い)ガチパワーの人がいると均衡が崩壊する」というのは想像するのも容易いですね、平均値が近い対戦でも、片方は4人が同じくらいでもう片方は1人が高くて3人が低い、とかだとその「高い人」は自分が味方をキャリーしないと勝てない、という戦局になります。

実力者分布がピラミッド型

当たり前のことですが、上手い人ほど人口は少なく、下手な人ほど人口は多く、そして上澄みに近づけば近づくほど個人の実力差というのは狭くなります。一番人口が多いのは最低辺にいる人達ですが、そういった層はおそらくそもそもバランスがどうのこうのとかあまり気にしないカジュアル勢。次に多いのは中間層ですが、中間は人口も多いし上振れ下振れも起こり、決まった範囲の中ですら実力差が大きいわけですからそりゃ偏りだって生まれるよね、というところ。

元々実力がある人、例えばメイン垢でX帯とかの人がサブ垢で始めてもすぐX帯に行けるのは、そもそも中間レベルでの上振れ下振れが勝敗に影響しない(どんなマッチングでも味方をキャリーしながら自分の実力のみで勝ち進めてしまう)ので影響が少ないのでしょう。

人間は悪いことの方が記憶しやすい

もうそのまんまだよ。

個人的には勝率はマッチング条件に関与していると思っている

「試行回数」について前述しましたが、自分の戦績を見るといつどのタイミングでも25勝25敗前後に収束しているので逆に疑いたくなります。公式アプリだと直近50戦、非公式アプリだとまぁそれ以上になりますが、そもそも収束するには試行(バトル)回数が少なすぎるのですよ。バトルなので常に50%の確率で勝てる試合なわけではありませんが、だからこそ余計沢山試行回数を重ねないと「きれいな2分の1」にはならないと思うのです。実力が近い人たちと当たり続ければ勿論いつかは50%に収束していくのですが、どんなタイミングでも直近50戦で20勝~30勝って数字はブレが少なすぎる。

人口の絶対数もあるとは思いますが、世にある様々な対戦型ゲームでここまで「不公平」と色んなところで目にするのはこのゲームぐらいですからね、任天堂は「普段対戦ゲームに親しみが無い人でも楽しく遊べるように」というのは凄い気を配っているでしょうし、だからこそ普通のレート&武器種判別型のマッチングとは何かしら違う条件をプラスして組み込んでいる可能性は高い気がします。

とにかく個人のレート(ガチパワー)を表示するようにすれば全て収まるのですが。その方が下手な人にとってもプラスですよ。味方に動きの良くないメンバーがいてもその人のレートが低かったら「まぁしょうがないよね」て納得してくれますから。見えないから余計味方にヘイトがいくのです。

貢献した部分しか表示されない戦績

わかりやすく言えば「キルデスレート」が見えません。自分がキルした回数、塗った面積、使ったスペシャルの回数しかわからないのです。これも要は「戦犯をわかりづらくする」「プレイヤーが気分を悪くしないように」という配慮の元だとは思いますが、自分の実力が判断しにくいというデメリットも抱えています。

カジュアルを配慮する気持ちはわかるのですが、対戦ゲームである以上「現実」を突きつけないとプレイヤーの質は向上しないと思うのですけど…臭いものには蓋をするのではなく、ちゃんと消臭する必要があるのです。上記したレートやマッチング仕様に関してもそうですね、プレイヤーが自身の実力を知るための材料を、できるだけ見えない、見えにくくしているのが逆に不満の要素にもなってしまっていると思います。

ほんとにちゃんと武器種判定している?

武器には近距離、中距離、遠距離と射程毎に分類があり、それぞれ大雑把な立ち回りも変わってきます。で、完全なランダムマッチングだとチャージャー4人とかになってしまう可能性もあるわけじゃないですか。そんなの試合にならないので、当然武器種毎に判別して偏り無くマッチングするようになっているみたいなのです。

が、勝ち負けに偏りがあるときはマッチングも偏っているように感じるのですよね。特に役割が孤立しているチャージャーは1チーム1人が原則のようなのですが、勝ち続けたりしているとチャージャーが被っているチームに放り込まれたりすることもあるのです。

環境武器を持つプレイヤーが多くなってしまう

色々書いた仕様の問題や、基本味方を選べないこともありガチマッチに関しては「好きな武器」より、「そのルール、そのマップに適していて、何より味方の強さや武器編成に左右されにくい環境武器」というのが優先的に使われやすい状態になりがちです。

総評

非常に強いオリジナリティがあり、完成度も高く、カジュアル層からゲーマー層までカバーできるポテンシャルのあるゲームだが、一部の開発サイドの拘りや考え方がユーザーにとって不便であったり評価がわかれる部分になっている。

基本的にはむちゃくちゃ良くできたゲームです。大ヒットした理由も、そしてロングヒットしている理由もこれ以上にないぐらい納得できます。シューター系として完全に独立した面白さと要素を兼ね備えていて、本当に唯一無二のものとして確立しています。

ただ、冒頭ニュースやブキチ等、ユーザーの負担より世界観や拘りを押し通している点もあり(書いたもの以外にもちょくちょくあります)、ユーザビリティに関しては「あともうちょっと」感が強いです。また、マッチングの仕様が独特な上、自身の実力が本当にざっくりとしか可視化されないのでウデマエゲージと内部的な本当のレートとの乖離を感じてしまったり、競技性の側面を強く求めるとそのカジュアルさに若干の不満を抱くでしょう。公式の大会とかあるぐらい競技ものとしてはアピールしているので、そういった規模の大きさと求められる要素がシステムと比較して若干チグハグかなぁと思う部分があります。

ただ、おそらくそういった拘りとかがあるからこそ生まれたゲームなのだとも思います。あまりにもユーザーの方を見過ぎていても革新的なものって作れないでしょうし、造り手のエゴがあるからこその個性的な作品なんだなと。

ヒーローモードはシングルゲームとしては及第点な感じなので、当然一人で黙々と遊ぶゲームとしてはあまり向きません、記事には出ていませんがDLCのオクト・エキスパンションはシングルモードとしてなかなか面白い出来にはなっています。